105ページ目   雑記

古くて新しい計画

ちょうど1カ月前の当欄ではGEとほぼ時を同じくして本体とグループで手掛ける主要事業を3分割しそれぞれが上場する方針を検討に入った東芝を取り上げたが、昨日の日経紙ビジネス面には「東芝、3分割へはや試練」と題し、この分割案の魅力を訴求する同社に対し市場の反応は冷ややかで大株主のアクティビストの一部からも反対声明が出ている旨が書かれていた。

ガリバー企業で初の事例とはいえ発表当時からただ分割宣言しただけでその具体策が見えないとの指摘もあったが、虎の子事業を手放して以降展開力を失った感は否めなく世間の目も衰退が続く3つの会社が出来るだけではと冷めた見方は根強く、従業員など他のステークホルダーも蚊帳の外に置かれた印象が拭えないのも否定できない。

ともあれ定時総会を前に株主の意向を確認する来年早々?にも行われる予定の臨時株主総会が一つの節目と見られるが、これまで株主総会の度に株主と対立を繰り返して来た同社だけにはたして魑魅魍魎?のアクティビストらにどれだけ訴求出来るか、反対多数なら計画は限りなく白紙に戻り経営の混迷は一段と深まるだけにこの辺が焦点となりそうだ。


企業の苦心

先週末に発表された11月の企業物価指数は前年同月比9.0%の上昇となったが、これは第二次オイルショック時の1980年12月以来、41年ぶりの上昇率を記録する事となった。いわずもがな背景には原油や原材料の高騰があるワケだが、一方で消費者物価指数は10月時点でわずか0.1%の上昇と企業物価との間には大きな開きが出ている。

同指数が発表になった先週末も伊藤ハムや日清食品が値上げの発表を行っていたが、こういった食品業界の他にも電気料金はもとより文具からインテリアまで幅広い企業が値上げ発表を行ったこの秋冬であったが、それでも上記の数字の開きや昨日の日銀短観の仕入れ価格と販売価格の差を見ても企業や生産者などまだまだ価格に十分な転嫁が出来ていない現状が浮き彫りになっている。

一方、米でも物価上昇が止まる気配は見えず同じく先週末に発表になった11月のCPIは前年同月比の上昇率が6.8%に達し、1982年6月以来、39年5ヵ月ぶりの歴史的な高水準となった。ただ、賃金上昇が進み需要の強さを背景に価格転嫁が進んでいる米と景気の回復ペースが遅く価格転嫁が遅々として進んでいない日本とではその違いが鮮明になっており、この流れが継続という事になると企業収益を圧迫しかねない点が危惧されるところだ。


新語・流行語大賞2021

さて、恒例の今年話題になった言葉に贈られるユーキャン新語・流行語大賞が先週発表になっている。昨年に引き続き新型コロナや東京五輪に絡むモノ含めた30語がノミネートされていたが、年間大賞に輝いたのはベタな感が否めないもののやはりMVPなどその躍動を称えざるを得ない「リアル二刀流/ショータイム」が選ばれた。

このほかトップテンにはやはりというかコロナ関連で「人流」や「黙食」が入り、今年開催された東京五輪からも「ゴン攻め・ビッタビタ」や「スギムライジング」から「ぼったくり男爵」などのほか社会現象にもなった「うっせいわ」、また「Z世代」、「親ガチャ」、「ジェンダー平等」などが入賞している。

ちなみに昨年の年間大賞は「3密」であったが、日本漢字能力検定協会がその年の世相を1字で表す今年の漢字もまた「密」が選ばれ、世相を反映し象徴する食を選ぶ今年の一皿では「テークアウトグルメ」が選ばれるなどまさにコロナ一色の展開であった。直近ではまたぞろオミクロン株なるものが世間を震撼させているが、コロナ関連の言葉がこれらから無くなるのははたしていつの日か。


踏み絵?

北京オリンピックの開催まで2ヵ月を切るなか、周知の通り米政府は中国での人権問題を理由に北京オリンピックとパラリンピックに外交団を派遣しない「外交的ボイコット」を行う事を発表している。これに対し中国側はもしアメリカが独断専行するなら必ず断固対抗措置を取ると同調する他国への牽制も含め反発必至な様子だ。

平和の祭典とよばれるオリンピックだが今回のように幾度となく国際的な対立に晒されてきており、1980年にはソ連のアフガニスタン侵攻ではそれに抗議した日米含む西側諸国がモスクワ夏季五輪を選手団さえ派遣しない全面的なボイコットに発展、その報復として4年後の1984年のロサンゼルス大会ではソ連や東欧諸国が米国への報復としてロス五輪をボイコットした経緯がある。

これを巡り首相は総合的に勘案し国益の観点から自ら判断してゆきたいと述べているが、板挟みの我が国は実に微妙なところに位置する。この外交的ボイコットで来る28年のロス五輪も同じ事が繰り返されるか否かだが、スポーツは政治的な問題とは切り離して考えるべきとの大義名分があるものの政治的な対立を映す鏡にもなってきたオリンピック、いずれにせよ国際社会が何所まで追随するのかが今後の焦点となるか。


金の卵?

さて、昨年のオンライン中心から店舗販売が本格的に復活した今年の米ブラックフライデーだったが、今年の売れ筋商品はマイクロソフトのXboxなど主力商品と並んでメタのVRヘッドセット「オキュラクエスト2」が新たな注目商品となった。今後様々な分野で成長が期待されるメタバースだが、これを体験するには必須アイテムであるこれらが今後も注目されそうという。

慣れ親しんだフェイスブックという社名をメタと言えるようになるまでまだ少し時間がかかりそうだが、デジタル世界と現実世界の境界線を打ち壊すこの分野に注力する同社の意気込みは想像に難くなく、マーケットの方もこれを受けてまだ手探りで焦点が絞られないままに拡大解釈から幅広い銘柄に物色の矛先が向いている感がある。

それもそのはず、教育、医療分野、遠隔会議からエンターテインメントやゲーム、また最近取り上げたNFTアート等々今後何れが金の卵となるのか現段階では誰も確かめる術がないところ。直近でも凸版印刷がメタバース上でサービスを運用する企業向けに1枚の写真からリアルな3Dアバター、メタクローンTMアバターを自動生成出来るサービスを発表しているが、何れにせよ世界のIT大手が本腰を入れるこの日進月歩の市場で今後日本の企業がどうやって存在感を示してゆけるのかが課題になりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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