133ページ目   雑記

世紀の破談?

さて、先の日曜日には米エヌビディアが英半導体設計アームを最大400億ドルで買収する事が明らかになったが大型買収といえばもう一つ、当欄でも昨年末に取り上げていた仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる米宝飾大手ティファニーの買収が撤回されたとの件も巷で話題になっていた。

その背景として米政府がフランス製品に関税を課す方針を示した事を受けた仏外相から買収合意の履行先送りを要請され断念せざるを得なかったとの事だが、新型コロナウイルスが猛威を振う直前の最悪なタイミングでの基本合意だっただけに果たしてのコロナ禍で販売が急落するなか斯様な好材料?は千載一遇の撤回チャンスだったのは想像に難くないか。

この縁談で資金力や販促力の強化を目論んでいたティファニー側は当然の如く猛反発の様相を呈しているが、コロナのパンデミックが高級品業界に如何ほどの影響力を及ぼしているかが露呈されたケースといえよう。とはいえ高級品業界の一角はそれとしてもマクロではこれまで停滞していたM&Aは急速に復調しているという。

この辺は一昨日の日経紙夕刊でも調査会社ディールロジックが出したところによる7〜8月の世界のM&A総額が2ヵ月連続で前年実績を上回った旨が出ていたが、先に当欄でも書いたコロナ禍で世界の上場企業の稼ぎ頭が激変しドラスティックな下剋上が起きている状況下において斯様な手段で成長を見出す流れは今後も続こうか。


伝統かハラスメントか

さて最近ではテレビのバラエティー番組などでも宝塚音楽学校を目指す受験生の密着モノなどよく見かけるようになったが、直近ではこの音楽学校の生徒間で長らく続いて来た挨拶の仕方などの自主的な慣習について世間の流れにこれら不文律はそぐわないとして見直しや廃止に踏み切った旨が報じられている。

確かに宝塚といえば以前にテレビで見た際には先輩への受け答えの際に笑顔禁止など表情が決められていたり、廊下は壁に沿って直角に曲がる、遠方に見える先輩へは大きな声で挨拶、果ては先輩が乗車しているかもしれないということで阪急電車に毎回お辞儀をしなければいけない等々数え上げればその自主ルール?は挙げればキリが無い。

まあこうした超名門校の場合こうした慣習も長年かけて良き伝統扱いとされるのもわからないワケではないが、近年問題となっているブラック校則などもその内容を見るに今の時代にそぐわないものばかりではないか?これに耐え社会へ出てもこれまた現代では疑問符な慣習が脈々と受け継がれている会社が多い。自分達が受けたルールは下の世代へ受け継ぐべきとする矯正教育もそろそろ社会がそれを許さない時代になってきた感がある。


地場色回帰?

さて、一昨日は次期新首相候補の最右翼に菅氏濃厚との見方から株式市場での地銀株物色の旨を書いたが、初動ではこれらの陰に隠れ同じく菅氏連想という事でふるさと納税関連株としてチェンジも物色された経緯がありこれまた一日天下で終わることなく本日も同株は二日連続で上場来高値を更新してきている。

ところでふるさと納税といえば先に総務省とのバトルで泉佐野市が逆転勝訴を勝ち取った背景から制度から除外されていた4市町が先月までに制度に復帰している。先に当欄でこれを取り上げた際には今後は地場産業など襟を正した勝負で臨むか否かこの辺が注目されようとも書いたが、当の泉佐野市の復帰後の返戻品は特産品の泉州タオルを全面的に推した内容となっていた。

勝訴とはいえ併せて社会通念上の節度を欠いたとの苦言も呈されただけに、他に泉佐野市と共に除外から復帰の運びとなった昨年2月に当欄で取り上げた静岡県小川町なども特産品や民宿といった地場に根差した返戻品を用意、また他の除外された向きも一様に地場産品など地域色を前面に押し出したモノでの構成が目立つ。

現在泉佐野市は病院財政支援のクウドファンディングや熊本豪雨災害支援の代理寄付受付なども開始しているが、ほとぼりが冷めたらまたぞろ熾烈なゼロサムゲームが始まるのかそれともこのままクラウドファンディング等も含め一層知恵を絞って地場産業の開発に努める原点回帰の動きになってゆくのか今後も注目される。


順位激変

昨日の日経紙NEXT1000では中堅上場企業を対象とした2020年4-6月期決算の営業損益改善額ランキングが載っていたが、新型コロナウイルスを背景として所謂巣ごもり消費をうまく取り込んだEC(電子商取)に関るIT関連やゲームなどが上位にランクされ1位に輝いたのは当欄でも巣ごもり消費で何度か取り上げたBASEであった。

当然ながらその株価も3月の700円台から今月に入って11,000円超と既に10倍以上となっておりテンバガーどころではない大化けを演じているが、同じく同紙に出ていた四半期純利益など世界レベルで見てもアリババが前年同期の43位から9位に、前年1660位だったJDドットコムが41位と大躍進となっている。

5月にBASEと共にEC強化として取り上げた米ウォルマートもまた前年の34位から12位と躍進しており、米大手間でも破綻してしまったJCペニーとは明暗を分けることになった。これらの中には明らかに需要の先食いが株価に反映されているモノもあろうが今後も優勝劣敗が進み下剋上が当たり前の構図が展開されてゆくことになるか。


地銀再編思惑

さて周知の通り自民党総裁選が本日午前に告示され3氏が届け出たが、最右翼とされる菅氏の先に行われた出馬会見で地銀の統合合併構想に言及した事を背景とした地銀株の賑わいが今週も継続されている。昨日は福島銀行が先週末のストップ高に続いて週明けも大幅続伸し年初来高値を更新、2日終値の153円から7日ザラバ高値は310円と僅か3営業日で株価が約2倍以上に大化けと破竹の勢いだ。

他にも筑波銀行と島根銀行の両行は週明けに年初来高値を更新し、栃木銀行、大東銀行、千葉興銀なども商いが様変わり。そして「地銀連合構想」を掲げ上記行などの大株主となっているSBIホールディングスも当然ながら物色対象となりこれも昨日に年初来高値を更新してきている。一方で携帯料金引き下げ論者という事で大手携帯各社には改めて警戒色が漂う展開。

地銀株の再編に関してはこの総裁選云々を抜きにしても予てより再編思惑が燻っていた事で、これまで単発モノで突飛高した事はあっても一日天下が殆どであったがさすがに今回は週を跨いでもそれなりの商いで賑わっている。菅氏の有言実行力は折り紙付きと言われるだけに、この地銀再編もいよいよ一気の進展を見せるのかどうか今後に注目したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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