136ページ目   雑記

世界経済の覇者

さてインフレ懸念から直近でこそマネーが流出している米のテック株群だが、これらのうち主力のGAFAは先月末までに発表された21年1〜3月期決算ではアルファベットの純利益が1年前の2.6倍、アップルは同2.1倍、フェイスブックも同1.9倍、アマゾンは巣ごもり消費に加えクラウドサービス事業も好調で実に3.2倍と何れの企業も破竹の勢いとなっていた。

というワケではこのGAFAが3ヵ月で稼いだ利益は実に6兆4000億円とまさに前代未聞な数字となり何かと本邦企業と比較するのもあれだが、例えば日本を代表?するトヨタ自動車の昨年の純利益が約2兆円相当として考えると実に同社の3年分の利益をたったの3ヵ月で稼いだ計算になる。

昨年はテスラの時価総額がトヨタ自動車のそれを超えたのも束の間、わずか半年足らずであっという間にこのトヨタ自動車含めた日本を代表する自動車9社をも上回った旨を書いたのを思い出すが、改めて日米の新陳代謝の違いを見せつけられると共にイノベーション力を武器にビジネス拡大を狙っていたかつてのガムシャラさがすっかり色褪せてしまった感は否めない。


株もワクチンも

本日の日経平均は値嵩系への売りなどから4営業日ぶりに急反落となっていたが、先週の日経紙夕刊・投信番付で冒頭に「日本株の上昇率は中・長期で欧米株に見劣りし、いまだ史上最高値を更新できていない。」との一文があった通りでマーケット関係者は一様に口を揃えてこの出遅れを指摘する声が多い。

機関投資家需要含め様々な要因が考えられるが、ワクチン格差や直近の中国問題を挙げる声も多い。ワクチンに関しては昨日の日経紙・インサイドアウトに新型コロナウイルスワクチン開発で日本は米中ロばかりかベトナムやインドにさえ遅れを取っている旨が書かれていたが、果たしてその接種率も惨憺たるものでこの影響がサービス業のPMIなどに色濃く表れているところ。

もう一つの中国問題といえばやはり新疆ウイグル自治区問題だが、日経平均への寄与度の高いファーストリテイリングなどの主力がこうした渦中に居るだけにこの辺が足を引っ張っているか。何れにせよワクチンにしても生産拠点にさえなれない現状を見るに後進国に成り下がったと言われても止む無し。本日の日経朝刊には宝島社の考えさせられる全面広告があったが、マーケットも政治・行政劣化の影響を受けている部分も多分にあろうか。


オリジナル証明?

さて、前回は過剰流動性の受け皿となっている現代アートのオークションなどを取り上げたが、もう一つの受け皿として最近話題になっているモノにNFT(非代替性トークン)なるものがある。ちょうど4日の日経紙でも「高騰デジタル資産アートか投機か」と題しデジタルで作成したアート作品や音楽を売買する市場が個人間でも高値で落札されるケースが出て来るなど急速に拡大する旨が出ていた。

このNFT、なんとなくその存在を知ったのが一寸前に世間を騒がせたツイッター創業者の最初のツイートに3億円の値が付いた件か。またあの老舗クリスティーズが現代アートのNFT一作品をオークションにかけたとの報もけっこうな驚きであったが、それが実に約75億円という誰もが知る著名画家並みの値段で落札された報も衝撃であった。

これら巨額の案件はそれとして若手のVRアートやゲーム会社によるトレーディングカードなども瞬時に売り切れる鉄火場市場となっているが、上記の含めこうした熱には当然ながら暗号資産の高騰という背景がある。ブロックチェーンの絡みでビットコインと共に史上最高値を更新したイーサリアムもロスチャイルド・インベストメントがその投信を購入するなど枝葉の動きも顕著になってきている。

しかし普通に考えればデータそのものはコピー出来るモノに付ける値としては本質を無視したようにも思え、暗号資産バブル?終焉まで適正価格という部分に関しては疑問符も付くが、曲がりなりにもオークションにかけ難かったデジタルモノをNFTが解決しクリスティーズでさえテクノロジーを活用し新たしいマーケットに進出している事に改めて時代の潮流を感じるというもの。


投資対象としての受け皿

さて先週の日経紙夕刊でニューアートラボの「草間彌生展」の広告が載っているのを見たが、この草間氏の作品は言わずもがな何所のオークションでも人気で、ちょうど先週末に代官山で開催されたSBIアートオークションは2018年に360万円の値が付いた同氏を象徴する題材の「かぼちゃ(上海南瓜)」が今回約2倍の額の落札となった。

昨今の株高とも相俟って過剰流動性は投資対象の一つとしてアートの世界へもグイグイ侵食してきたが、この辺は当欄で2月に取り上げたニューオータニで開催された「春の逸品会」でも見られた通りで、外商さんが小走りに忙しく行き交う会場内の各ブースでは高額品が続々と成約され顧客が気分良さそうにシャンパングラスを傾けている光景が彼方此方で見られた。

この時も書いたがダイヤのルースから不動産、時計に至るまで現在のマーケットは投資対象としても裾野の広がりを見せ循環も効いており、冒頭のオークションも3ヵ月に1回程度開催されており登録制となっているがこの1年で新たに約2300名が登録したという。過去の金融緩和局面と比べてもコロナ禍でサービス消費に流れ難いぶん、高額品にこの手の富裕層のマネーが向い易い環境となっているだけにまだ対象範囲の伸び代はあるか。


今度は電気

さて、最近では大手百貨店などからも各自治体の特選品を謳ったふるさと納税の案内がメールで頻繁に案内されるようになったが、返戻品ではこの1年間コロナ禍を映してマスクや非接触性グッズの人気が高まり、大手トラストバンク調べでは今年2月末までの衛生・感染対策品の寄付件数は前年同期比で約17倍に急増した模様だ。

地域色が豊かなマスクやユニークや非接触性グッズなど各々知恵を絞った跡が窺えるが、これに絡んでは先週末に一寸気になるニュースが舞い込んでいる。すなわち東北から九州まで全国九つの自治体で太陽光御発電や洋上風力発電、また地熱発電などにより出来た「電気」を返戻品としていたところ総務省から待ったが掛かったという件。

総務省の見解としては大手電力会社等が整備した電線を使った供給では他の地域で発電した電力も混じってしまう為返戻品としては相応しくないという事だが、他の自治体に無いものとして出していたアイデアで総務省の標的にされてしまった件ではこれまで資産性宝飾品で一括りにされてしまった真珠や他に家具の類も標的にされた事があったのを思い出す。

一頃過熱していた返戻品競争も総務省による例の3割規制で一定の歯止めがかかった経緯があったが、昨年のふるさと納税はコロナ禍を背景に外出自粛による巣ごもり消費等が影響してか寄付額が過去最高額を更新する自治体が相次いでいるという。飲食や百貨店向け販売の落ち込み分の格好の受け皿となっている形だが、総務省の杓子定規な判断が斯様な好循環に冷や水にならぬよう願うばかりか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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