167ページ目   雑記

地銀の苦悩

本日の日経紙地方経済面には「持ち合い株削減じわり」と題し、北関東の5地銀・グループが持ち合い株式の削減を進めている旨が出ていた。単体の中核的自己資本に占める持ち合い株残高比率を25%まで低下させる方針を掲げる群馬銀行は、2019年3月期で18銘柄135億円を売却、以降額ではめぶきFG、栃木銀行、東和銀行と続く。

周知の通り日銀の超低金利政策の長期化による利鞘縮小を背景に地銀は収益力の低下に苦悩しており、先に全国地方銀行協会が公表した会員63行の平成31年3月期決算は最終損益合計が前年比20.7%減の6211億円と3年連続で前年割れとなり、全体の7割弱にあたる41行が減益の憂き目に遭っている。

企業資金需要低下や地域経済地盤沈下のなか貸し出し競争激化でスルガの様な苦し紛れの不正融資事例も出てきてしまっており、削減促進の背景にはコーポレートガバナンス・コードの政策保有株削減方針明記要求を背景にしているだけではない上記のような構造問題の恒常化もあり再編促機運がまた高まりそうだ。


令和の隅田川

さて、26日に発生した台風6号の影響で各所のお祭りや花火大会など夏の風物詩が各地で中止に追い込まれ、場所によっては2年連続で中止の憂き目に遭うなど関係者から恨み節も聞こえた先週末であったが、ここ数年順延や雨のチラつく天候に悩まされている隅田川花火大会は予定通りの開催となった。

東京三大花火大会の一つであった東京湾大華火祭が休止となってはや4年だがその分の経済効果も期待が掛かるというもので今年で42回目となるこの花火大会、衝撃の中止に追い込まれた2013年の記憶から関係者もやきもきしていたが、果たして約96万人の見物客が訪れ約2万発の花火を楽しんだ模様。

隅田川といえば恒例の花火コンクールが楽しみの一つだが、今年はエントリー最初の阿部花火工業と最後の菊屋小幡花火店の題材が両者共に奇しくも散る桜であったが、店が違うと作品も斯様に違うのかと感心。またここ数年時間差で動きや変色を見せる技術が格段に進歩し、今年優勝した丸玉屋小勝煙火店の五輪をテーマにした作品はやはり圧巻で令和最初を飾るに相応しい大会であった。


大麻投資

さて、先週末はロックバンドDragonAshのサポートメンバーが大麻取締法違反の容疑で現行犯逮捕される事件が報じられたが、大麻といえばアジアでは従来厳しい姿勢をとってきた医療用大麻の規制を見直す動きが広がりつつあり2月にはタイで、そして3月には韓国で医療用大麻が合法化されている。

一方で米などは一部の州で大麻が合法化されており、医療用どころか大麻入りの菓子など最近ではよくTVでも話題になっているが、金融市場でもコロナビールの販売で知られる米酒類大手が昨年8月に医療・娯楽用大麻を生産・販売するカナダのキャノピー・グロースに40億ドルの追加投資をし筆頭株主になった旨が過日の日経夕刊に出ていた。

米での法制度面での進展期待を背景にリスクを取ったパターンだが、さながらエシカル投資の真逆をゆくカジノ、煙草から銃メーカー等に投資するVICEFUNDを思い出す。大麻が合法化された際には多かれ少なかれ大麻関連事業が盛り上がってきた経緯があるが、規制当局の動きを睨みながらVICE関連も再度の盛り上がりを見せるのか否か興味深い。


五輪と市場の宴

さて、東京オリンピックまであとちょうど1年となった本日は東京2020オリンピックメダルのデザインが東京2020組織委員会より発表されたが、オリンピックといえば今日の日経紙市場点描でも「選別色強まる五輪銘柄」と題し、東京開催が決定して以降の五輪関連銘柄の株価がどう推移しているのかを取り上げていた。

冒頭では中核銘柄とされた大手建設株が取り上げられていたが、このポストは前回の五輪相場での覚醒がやはり記憶に新しい。それまで万年低位に放置され続け大きな震災発生時に僅かな出番があるかといった程度であったが、この五輪相場の時はゼネコン大手4社の売買高が連日でバブル期の記録を上回るという破竹の勢いを見せた経緯がある。

此処で他にスポーツクラブ・用品メーカーの動向を取り上げていたが、上記の大手建設株同様に何れも受注や業績への期待感が剥落しピーク時からは4割がた下げている模様。五輪開幕の度に選手所属企業や用品メーカーが辿る軌跡も同様なものがあるが、材料先喰いの株価がときに開催前に閉幕商状となるのはこの手のテーマの常とはいえ、いざ開催後はメダル獲得数に絡んだ行動ファイナンス事例などその辺もまた期待出来るか


引き下げ圧力彼是

本日の日経紙金融経済面には「運用会社、手数料下げ競争」と題し、公募投資信託の残高が大きい主な運用会社10社の2019年3月期は7社が最終減益となったが、その収益を圧迫している背景には投資信託の手数料引き下げ競争が激しく資産運用会社が低コスト化の逆風に直面している旨が書かれていた。

パッシブ型運用の手数料は大幅に低いところへ長期的に高い運用成績を見込み難くなるなかアクティブ型も引き下げ圧力が及んでいるというが、金融商品の手数料といえば株式売買においてもスマホアプリで顧客にサービスを提供する新興証券会社の一部で手数料をゼロにしたり、大手ネット証券では米国株式の最低売買手数料をゼロにする動きもまた広がっている。

1999年に株式売買委託手数料が完全に自由化されてからこの20年、手数料率の変遷を見るに隔世の感は否めないが、この期に及んでも旧来型営業の回転売買で手数料稼ぎが問題視された証券会社が立ち入り検査強化等の指導を受けている報を聞くに一部の旧来型対面営業に荒涼とした環境を禁じ得ないが、少子高齢化に業界の合従連衡の波と今後も環境変化が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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