191ページ目   雑記

相場操縦あれこれ

さて、昨日はジャスダック上場の夢の街創造委員会の株価を知人と共謀し不正に吊り上げたとして金商法違反の罪に問われた創業者の控訴審判決が東京高裁であったが、一審判決を支持し二審も有罪との旨が日経紙夕刊に出ていた。この件について当欄では確か今から2年前ほど前に取り上げていたが、今から5年前の事件なのでなかなか粘った一件だ。

金融商品取引法違反に絡む事件といえば一方では同じく昨日、ヤフーが電子書籍配信会社を子会社化した際のTOBを巡るインサイダー取引疑惑の一件において証券取引等監視委員会が重要事実の伝達ルートの解明が困難との判断で検察への告発を見送った件が報じられている。

また冒頭のような相場操縦ではもう一つ、先月は2014年の村上ファンド代表による現TSIホールディングスの相場操縦疑惑で同代表が強制調査を受けた件でもまた証取監視委員会が告発を見送る旨が報じられている。こちらも3年前の当欄で不可解な動きで釈然としない感は否めないと書いていたが果たしてという感じで、誤信疑惑以上に空売り自体を以てして責任を問うのは整合性で無理があった感じか。


積極型シフト

本日の日経平均は小反発で引けたが個別ではまたぞろ中小型物色も旺盛で、前日に18年3月期の決算は売上高にあたる営業収益を前期比48.5%増、営業利益を同2.1倍と急拡大させた事を背景に大幅高したジャスダック市場の独立系資産運用会社スパークスグループなど連日の続伸となっていた。

このスパークスGは中小型株に強みを持つのが特色の資産運用会社だが、業界を見ると米資産運用会社などもこうした運用者の裁量で有望な投資先を選ぶアクティブ型に回帰しつつあり、株価指数連動型への資金流入は減りつつある模様との旨が連休中の日経紙で書かれていた。

今年に入ってからVIXが大荒れとなり、尻尾が振り回す格好でダウ工業株30種平均やS&P500種株価指数の乱高下で指数連動型もこれまでの利回りを確保し辛い状況となった事が流出に繋がっているとみられるが、運用業界も斯様な積極型への資金シフトの状況から優勝劣敗が今後鮮明化してきそうだ。


社会貢献優待

さて、昨日の日経紙総合面では「株主優待 ESGの波」と題して、自社製品や金券の配布以外に相当額を寄付する選択肢を加える例が目立つなど、日本的慣行とされる株主優待を利用し環境や社会、企業統治の観点から企業を評価する「ESG投資」の波が株主優待にも及んできている旨が載っていた。

株主優待といえばここ近年は持ち合い解消後の受け皿としての個人株主の存在の大きさを考慮し企業側が優待に力を入れ始めている動きが目立ってきたが、配当重視の機関投資家など優待先行の状況に弊害を指摘する向きも出ていた昨今、ガバナンスのGに見られる通りこうした向きにも理解を貰える受け皿を見つけたという感じ。

当欄では3月に「運用と世論」と題し、銃の製造・販売企業への投資自粛やその前には毛皮の使用を廃止したハイブランド群のアニマルフリーの波など社会的責任投資、所謂SRI投資について書いたが、このESG投資もこの10年くらい前から俄かに謳われてきたSRIを広義で捉え基本的には同じ取り組みといえる。

冒頭にはヤマハ発動機の優待項目の盲導犬協会への寄付が例に挙げられていたが、例えば近年はふるさと納税でも最近では盲導犬訓練支援、犬の殺処分ゼロなど動物愛護の類も非常に多く、ESGは投資企業や優待に限らずふるさと納税など幅広い間口で投資家や納税者のニーズに応えられる選択肢となろうか。


ミッドタウン日比谷など

さて、ゴールデンウィーク真っ只中で首都圏の商業施設に出向く向きも多いと思うが、GINNZA SIXなどはや開業1周年でそれを記念し開業当時の草間彌生氏の次の新作アートプログラムを吹き抜けに展開させているが、最近新たに開業した商業施設といえば此処の近所の日比谷にオープンした「東京ミッドタウン日比谷」がある。

こちらも開業してはや1ヵ月が経過、ミッドタウンといえば11年前に開業した六本木が直ぐ頭に浮かぶが、衣食住全てに対応したショップ・レストランを展開する六本木に対しこちらは所謂「コト消費」を軸にした広い世代の来館を促すという。私も所用で近所に出向いたのでオープン翌日に顔を出したがコト消費を謳うだけにイセタンミラーなどがトータルな美容体験の出来るテナントを誘致している。

いつも乍ら新たな商業施設が出来ると途端にその前に鎮座していたビルなど記憶が薄れてしまうものだが、此処も三井ビルや三信ビルなどがあった面影が微塵もないほど様変わりに聳え立つものの地下へ降りるとそのレトロモダンなデザインが三信ビルを彷彿させるテイストに仕上げられている辺りが粋で懐かしい。

このエリアもマキシム・ド・パリが入っていたソニービル銀座が51年の歴史に幕を閉じ、プランタン銀座も32年の営業を終え再出発している一方で、冒頭のGINNZA SIX、このミッドタウン日比谷、そしてこの両者の間に位置する東急プラザ銀座が近年相次いでオープンの運びとなり大人の銀ブラを誘致するべく変貌を遂げつつある。


誘致合戦

昨日の日経紙には「上場誘致で米中攻防」と題して、有望な企業の上場誘致を巡り米国では企業の開示負担や訴訟リスクを軽減する強制仲裁などの新たな措置の検討が進み、中国では議決権の異なる種類株を容認しハイテク企業の取り組みを急ぐなど米中双方の攻防が激しさを増してきた旨が書かれていた。

先月の当欄でも書いたが世界的なカネ余りで上場の選択をしなくとも容易な資金調達が可能になったことから、企業の立場が優位となって来た事などを背景に新規上場の停滞が顕著になってきているが、そういった傾向が資本市場の活力を削ぐと先進国では危機感を募らせている。

斯様な構図から近年では企業も有利な条件をちらつかせて主導権を握るようになり、一方で取引所側はルールの更なる緩和を模索するなどその力関係も随分と変ってきている。冒頭の記事の末尾にも書いてあったが、骨抜き誘致とならぬよう投資家保護と企業誘致のバランスをどう保ってゆくかが今後の課題か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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