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2018年10大ビックリ予想

さて、一昨日は日経紙の「経営者が占う今年」を振り返ってみたがこの特集が出る頃にはもう一つ、米投資会社ブラックストーンの副会長であるバイロンウィーン氏の「びっくり10大予想」も話題になる。当欄では昨年も取り上げているが50%の確立で起こり得る事とした予想は為替が外れた程度で他は予測通りかそれを上回るパフォーマンスであった。

S&P500に関しては12%の上昇予想が、低金利と好決算に支えられ結局は年間で20%の上昇率と2013年以来の好パフォーマンスを記録、また日本の実質成長率は数十年ぶりに2%を超えるとしていたが、果たして7-9月のそれは年率換算で2.5%と29年ぶりとなる7四半期連続プラス成長を記録、年間の株価上昇率も他の先進国をリードとした通りの展開となった。

今年の相場関係ではザッとしたところで為替が1ドル120円まで円安ドル高が進みユーロドルは1.10へ、昨年も当てたWTIは約33%上昇し1バレル80ドルになるとの見方、S&P500は強気ムードの反動から一旦は2,300をうかがう水準への下落があるも、米経済成長率が4%に向かう為に年間では約11%上昇し3,000に達するとの見方をしているがさてどうなるか。

ところで昨年ビックリした事といえば過去稀に見る暴騰劇を演じた仮想通貨で、同氏はこれに触れていなかったもののこれに言及していたのがサクソバンクのビックリ予想。とはいっても同社が出した3倍化を遙かに上回る大化けを演じたワケだが、バイロンウィーン氏は番外編でこれに言及し規制当局が取引を制限するとし、サクソバンクは昨年の強気から一転ビットコインの1,000ドルへの暴落を予想している。

またS&P500種にしてもフラッシュクラッシュによりマイナス25%の劇的な急落を演じるとバイロンウィーン氏とは対極の予想を出しており何れに靡くかだが、いずれにせよ大方の予想モノはある程度のレンジを移動平均に絡めたような横並びの無難予想を謳うが、ビックリ予想というのはその範囲を逸脱させ盛った設定にするだけに当たった時の話題性の効果は大きい。


築地最後の初セリ

本日は所用で築地界隈へ出向いたが、築地といえば一昨年今頃の当欄で「〜マグロの初セリも今年の豊洲移転に絡んで見納め〜」と書いたものの、結局移転が頓挫し昨年も築地で行われることとなったが、いよいよ豊洲への移転が今年の10月に決定した為にこの中央区での最後となるマグロ初セリが先週に行われた。

果たして3,645万円で落としたシロモノは市場2番目という405キロの大間産クロマグロであったが、このマグロの初セリといえばここ6年連続で競り落とし代名詞のような存在となっているのが「すしざんまい」の喜代村だったが、今年はマグロ専門卸大手のやま幸が落札するという意外?な展開となった。

当日の日経紙夕刊ではこれがすしチェーンの築地すし好などで提供されると書かれていたが、これらは銀座おのでら他各支店で提供され招待された幻冬舎の社長や秋元康氏ら美食家がいち早く舌鼓を打った模様。当のすしざんまいの方はキロ単価と品質勝負で190キロ物を3,040万円で競り落とすこととなったが、一強体制が崩れた裏には様々なドラマがあったのは想像に難くない築地最後のセリであった。


経営者が占う

大発会のロケットスタートから本日で3日続伸となった日経平均だが、今年も恒例の日経紙「経営者が占う」を振り返ってみよう。日経平均の高値予想平均は前年を上回る21,750円と96年7月以来の水準となる強気予想であったが、果たして結果は更にこれを大きく上回り11月には22,937円と1992年1月以来、25年10か月ぶりの高値示現となった。

こうなると万年強気の年末高予想とほぼ願望で固める証券業界の暗黙のルールで予想を立てた大和証券グループ本社社長やSMBC日興証券社長の判で押したような12月に23,000円という予想を出した証券会社トップが結果的に当たってしまったが、そうなると一般企業の伊藤忠商事社長の10月に23,000円、信越化学工業会長の10〜11月に23,000円などこちらの予測がなかなか際立つ。

そういった中で高値は3月の20,000円と一番低い予想を出していた中には三越伊勢丹HDもあったが、この辺は自身を取り巻く環境が斯様な弱気な予測を弾き出させた部分があったのかもしれない。また個別は4年連続でトップだったトヨタ自動車が往って来いだった以外は、こちらも2位常連の信越化学工業、3位の伊藤忠商事が日経平均に靡きそこそこ好パフォーマンスという結果であった。

というワケで今年の個別銘柄は1位のトヨタ自動車、2位の信越化学工業、3位の伊藤忠商事とトップ3は前年と全く変わらずとなり、日経平均の高値予想は平均で25,440円と1991年6月以来、約27年ぶりの水準まで引き上がることとなったが、昨年に続いて今年も証券会社トップの願望予想が叶う「戌笑う」の展開になるのか否か見ておこう。


戌笑う

皆様、新年あけましておめでとうございます。

さて今年は戌年、兜町界隈では戌年は上昇を示唆する「いぬ笑う」の相場格言がある。1958年から過去5回の騰落率を見ると1958年の40.3%高をトップとして、1994年の13.5%高、2006年の7%高1982年の3.9%と続き、下落したのは70年のみでその4勝1敗の平均騰落率は9.8%のプラスと投資家にとっては引き続き期待が持てる年ということになる。

昨年は大発会のロケットスタートの余勢をかってそのまま日経平均も約26年ぶりの高値まで昇ったが、果たして戌年の最初を飾った本日の大発会も上記の格言を裏付けるように蓋を開ければ急反発スタートとなり、大発会としては96年以来の上げ幅で大引も1992年1月以来の高値水準で幕を開けた。

振り返れば昨年は景気や雇用を始めとし指数も個別も記録づくしの一年となったが、一方では年間を通じてまたぞろ企業の不祥事が続々と表面化した年でもあった。この年明けも核ミサイルを巡って米と北が挑発合戦の様相を呈し他の地政学リスクも依然燻っている。上記の戌年上昇率トップだった年の首相は現首相の祖父、代を経て孫も真価が問われる年になりそうだ。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


怖い絵展 2017

さて、今月はシャンシャン公開に沸く上野動物園に隣接する上野の森美術館で開催し17日で閉幕した「怖い絵」展を終盤になって観にいって来た。上野の美術館に行くのはアルチンボルド展以来の事であるが、これまた神戸での前評判から関心を集めていただけに来場者は10月からの72日間で実に約41万人を集めた模様。

作品の背景から「怖さ」を味わい、その全作品に恐怖を読み解くヒントがあるという中野京子氏の視点がおもしろく以前より氏の書籍は観ていたが、やはりこれらの実物は圧巻であった。たった9日間の女王を描いたドラローシュの大作「レディージェーングレイの処刑」や、クレオパトラが人体実験の末に選んだ毒蛇を使った自害を描いた絵の艶かしさはその背景を読むに更に怖さが増幅する。

他にもシッカートの「切り裂きジャックの寝室」は本人不在という(居ない空間)を描いているのが逆に怖さを醸し出し、「オデッセウスに灰を差し出すキルケー」など今流行りの不倫ネタを絡めてあり、また印象派で知られるセザンヌなど構図の美しさを求めていた一方で強い殺意を描いた作品も描きあげていたその二面性など本展で改めて知ったのが新しい発見であった。

どの作品も奇跡の来日とも言え貴重なものを観させてもらったが、怖いといえば現実世界では隣国の「北」が狂気のミサイル発射や核実験を繰り返しこの年末も発射準備の兆候が見られるなど気が抜けない状況。そんな背景もあって世相を漢字一文字で表す今年の漢字は「北」に決まったが今年もあと3日、来年に想いを馳せつつ今年はこれで筆を置きたい。

本年もご愛読ありがとうございました。
どなた様もよいお年をお迎えください。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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