211ページ目   雑記

ガレ・ドーム展2017

さて、今週は一昨日まで日本橋三越において恒例の「芸術と自然のふれあい ガレ・ドーム展」が開催されていた。今年も前回とは趣の異なる作品が小物中心に多数出ていたが、斯様に毎回あまり同系の作品が被ることがなく、またガラスケースなど邪魔に反射するものに遮られていないのが魅力的である。

以前に何度か出品された美術名鑑に載るような作品は年々少なくなっているものの、前回もドーム兄弟ではなかなか見たことがないパープルグラデーションのトンボとアイリス文花瓶など一部見る人が見れば思わず食指が動いてしまうような作品が此処はポツンとあったりするから面白い。

今回も珍しいポーチライトの商談に臨んでいた光景を目にしたが、そうしたモノ含めて個人蔵からの流れも少なくはないという。中にはその価値がわからず大ぶりの作品をなんと傘立てに使っていたという話も聞いたことがあるが、まだまだ今後こうした舞台に上げられコレクターから指名が掛かる事になるであろう作品群が数多何処ぞに埋もれているのは想像に難くないか。


都市鉱山世界一

さて最近は近所の小中学校でも「みんなのメダルプロジェクト」と書かれた黄色いボックスが設置されている光景を目にするようになったが、斯様に携帯電話やゲーム機、家電等からリサイクルした貴金属で2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメダルを作成しようとの活動が始動している。

当欄でこの件に触れたのは昨年の8月であれからいよいよ始動といった感じだが、先に物質・材料研究機構や北九州の会社等は試作品を作成済みで、廃家電からの回収量見込みもメダルを作成するのに十分足りる量を確保出来る見通しとなっているが、一先ず19年春頃までに金・銀・銅合計で約8トンの回収目標としている。

次期五輪のテーマは環境に重きを置いているだけに是非とも成功させて次へ繋げたいところだが、日本の日進月歩の先端技術を世界にお披露目し、メダリストの首にホンの僅かでも自身が提供した愛用品の一部がかけられるなど想像するのも夢がある。


金融ビックバンの功罪

本日の日経紙・大機小機は「問われる顧客本位」と題して、日本証券アナリスト協会主催の国際セミナ−で金融庁長官が「資産運用業界への期待」として講演した際、一例として投資信託について商品開発、販売両面で見直すべき事例を挙げた模様が一部書かれていた。

中には高齢者には到底不向きなハイリスクで複雑な投信というくだりも出てきたが、例えば上記の商品面では分配金利回りの急上昇に合せて純資産も並行して急激な増加を見せているモノなどほぼまき餌を表しており、販売にしても過去証券、銀行員が血眼になって彼らに勧めた仕組み債などその詳細な仕組みを当の営業にどれほど説明出来る者が居ただろうか?

過去物議を醸し出した一部のEB債など含め殆ど詐欺商品としか例えようのない商品は数多世に出ており、言葉は悪いが金融ビックバンの名のもとに金融機関に合法的な騙しの機会を与えた規制緩和の行き過ぎを反省する動きは、さながら今のふるさと納税における規制強化と併せ緩める匙加減の難しさを物語っている。


規制の匙加減

先週末の日経紙夕刊マーケット面には、「上海株、監督強化に揺れる」と題し銀行監督当局の高利回り個人向け運用商品への締め付けに加え、最高指導者による資産バブル抑制強調姿勢が示されたために今月に入ってから上海総合指数の下げが加速するなど動揺している旨が載っていた。

この上海総合、足元では本日まで3日続伸となっているもののGWにあたる労働節後の水準にはまだ戻らずといったところだが、個別でも一部個別が売買停止の憂き目に遭っているようで、先月中旬に中国証券監督管理委員会トップが市場秩序を攪乱する行為に断固として立ち向かうと表明していた件が背景にはあるようだ。

中国証券監督管理委員会といえば先に中国不動産大手の万科企業に1年越しで敵対的買収を仕掛けた投機筋の宝能投資集団や、ライバル企業であった中国恒大集団にその資金源となっていた事業の今後10年間禁止等を命じる厳しい処分等を下しているのが記憶に新しいところで習氏同様に悪い芽は片っ端から摘む姿勢を見せている。

またこうしたホットマネーの源がやはり高い投資リターンを謳った投資型生保であったあたりが冒頭の理財商品とも絡んでくるというものだが、ここ噂されているA株(人民元建て中国株)を米指数算出会社のMSCIが新興国株価指数に組み入れるとの件もこの辺の浄化?を見極めてということになるのだろうか。


嵐の前の静けさ?

本日も円安を支えに日経平均は続伸となっていたが、その円も12日続落と2012年2月に17日続落して以来の続落記録となっている。記録といえばマーケットからもう一つ、今週はVIX指数も週明けには23年4ヶ月ぶりの低水準で一ケタ台を付けたのも目に留まる出来事であった。

この辺に連動するように昨日取り上げた金も国際価格が3月中旬以来の安値圏まで下落、また東証一部の騰落レシオもホワイトデー以来の水準まで上昇しているが、恐怖指数といわれるこのVIXについて当欄で触れたのは昨年の米大統領選の時で、取り上げた当時は9日続伸し20の大台を超えていたから実に半分以下の水準になったという事になる。

これに歩調を合せVIX短期のETFなども年初来安値を更新しているが、算出ベースになるS&P500種は昨晩も史上最高値を更新しておりこれら低水準も合点のいくところか。過去最も低水準となったのは93年の大晦日の8.89、対してリーマン・ショック後には89.53の高水準を記録している。

この過去同水準だった上記の冷戦終結時と違って地政学リスクが数多燻る現在は対極という構図だが、オプションのセルボラ等もこの現象に一役買っている模様だ。対極環境下でこのユーフォリアも束の間と見る向きも多いが、オプション市場では大台を挟んでの各々の攻防が来るべき変動を睨んで続いている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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