280ページ目   雑記

今更ながらの風説流布とか

昨日も書いたように今週はトヨタ自動車やファナックが急騰し上場来高値を更新、日経平均やTOPIXも相次いで年初来高値を更新となったが、全般がやはりまともな?主力に傾斜してしまっているので、貸借取組を構築しながら持続性のある相場展開をする中小型仕手系も最近は持続性の無いモノになってしまっている。

さて、そんな材料株の数々を数年前に手掛け頻繁に放り上げていたインターネットのサイトを元に「風説の流布」の疑いがあるとして、証券取引等監視委員会は先週にバブル期に仕手筋として知られた某氏の関係先を金商法の疑いで強制調査し関係資料を押収した旨が伝えられている。

今頃になって?という感もあるが、同サイトといえば開設当初は新日鉄等あたりさわりのない?物を交え複数銘柄をサラリと触れるにとどまっていたが徐々に材料系の詳細に傾斜するようになり、近年取り上げた大証時代の新日本理化は株価約5倍化、次のルックは連続ストップ高、最後に手掛けたとされる日本カーバイド工業まで次々と商いを集めさながらそれは昔の解体劇を彷彿させるようなものであった。

この手のように第三者によるH・Pや雑誌等を通じて株価変動させたとして監視委員会が動いた例として思い出すのが、昔あったギャンぶる大帝(懐かしい!)なる雑誌。占いによって選定したというボーソー油脂、森下仁丹、そして今は市場から姿を消した熊沢製油が発売日に異常ともいえる買い物を集めストップ高になったのを思い出すが、この手は風説と相場変動の因果関係立証困難な事で見逃される例がこれまで多く今回の行方が非常に注目される。


対話型転換

先週末には日経平均が2000年4月以来ほぼ15年ぶりに19,000円大台を回復したという事で、週末の日経紙などこの件が一面を飾っていた。業績改善を追い風に企業が相次いで賃上げや成長投資にお金を使い始めており、消費を刺激し景気を押し上げる好循環への期待が高まり、こうした企業変化が海外マネーを呼び込んでいるのが急ピッチな株高の原動力という。

確かに先週後半の日経平均大幅続伸で高値警戒感は否めないところだが、この背景にあるのは寄与度の高いファナックなどの急騰がその構造上やはり影響しているか。ところで同社急騰の背景にあるのがまさに上記の「企業変化」で、株主との対話路線に転換するとの方向転換報道が俄かに注目され更に一段高の原動力になっている。

確かに同社と言えば主力企業の中でもこれまでIR部門は設置されておらず、株主対話は四半期ごとの決算短信に限られ、その株主総会も首都圏から3時間前後かかる山梨の村で且つ集中日に開催されるなどIRに極めて消極的な話が有名であった。先月も当欄で米投資会社サードポイントが保有した同社を取り上げたが、最近増殖しつつあるこうした姿勢の変化を見るに目先の高値警戒感は兎も角も全般割高論が修正される部分が出てくるかもしれない。


奇特な投資家

さて今週の日経紙企業面では「スカイマーク遠い再浮上」と題し、同社が破たん後の支援に名乗りをあげた企業との本格交渉に入った旨の記事を目にした。とはいえ候補企業や債権者等の思惑が複雑に絡み合い、その決定は当初目標とした2月から大幅にずれ込み今月いっぱいまでかかる模様という。

ココが破綻し株式市場からその姿を消してから早いものでそろそろ2週間が経つが、それにしても今回驚きだったのは最終売買日の終値が14円と異例の二桁であったことか?同じ航空会社の破綻と言えばJALの時もまさかの衝撃であったが、当然ながら同社も最後は1円になるなど通常はほぼ100%の減資で現存株式は無価値になるのが普通で最終売買日にして寄り付きの20円台は理解に苦しむ。

信じ難い現象ということで記憶を遡れば、かつて同じ東証一部に上場していた持ち帰りスシの京樽も確かパンクした後にとんでもない急騰劇から破たん前の株価を回復したのを思い出すが、コレクションの線でいっても今は株券も電子化になり昔のようにペーパー券面を手元に引くのも不可能なので過大な再生期待が背景にあったと思う。

そんなワケでこれも破綻後の珍現象として今後語り継がれるだろうが、まあいずれにしても奇特というか勘違い投資家のお蔭で同社前社長など思わぬ売却代金を手に入れることが出来たのだから、事業は破綻してしまったものの敗戦処理ではまさに不幸中の幸い?という格好になっただろうか。


あれから四年

さて、本日であの東日本大震災から4年が経過した。そんな時期ともあってか百貨店や街のイベント等では復興関連の物品販売やイベントも多く目にするようになったが、今なお2千6百名弱が行方不明のままで避難生活を余儀なくされている向きも23万人弱も居るのが現実で引き続き風化させるような事がないようにしたい。

ちょうど一年前の日経紙社説では降って湧いたような天災に絡んで警告を受け止めずに想定外にしてしまったと書いてあったが、確かに企業も個人も阿鼻叫喚のマーケットに直面しパラダイムシフトも可也進んだか。あれからトヨタなどまさに雨降って地固まるの如く構造改革からその株価も今や上場来高値に肉薄、震災当日に上場したカルビーはあれから株価は実に9倍近くにもなっている。

また交通インフラの復旧も進んでいるものの、一方で住宅再建は思うように進まず汚水処理など当初約束した今月末の期限を守れていない等こうした部分の再建はまだ道半ばなのは否めない。廃炉含めて息の長い作業だけに国の更なる支援が必要だろうが原則を忘れず臨みたい。


値上げラッシュ第二波

弥生月になってすぐ本日はもう桃の節句であるが、数年前にも書いたように近年では人形を飾らない向きが軽く半数を超えているのが恒常化している模様。とはいえ毎年この時期になるとリヤドロ等の商品案内が必ず舞い込み、街の小洒落た店の特設コーナーには所謂自分用にと芸術的な品が鎮座する光景など目にする機会が多くなる。

ところでこのリヤドロといえば今年1月から日本代理店価格が値上がりしている。この辺を扱っている向きを一寸調べてみたらこれに少し遅れ来月からはクリスタルの巨匠といわれるバカラ、ハンガリーのヘレンドからアメリカのレノックスまでも、日本代理店価格が値上がりする予定となっている。

そういえば驚いたのがアールデコ期を代表するフランスのラリックだ。一昨年に以前より欲しかった花瓶を購入したのだが、それから1年もしないうちにその価格はいきなり50%もの値上げになっていた。

高級ブランドなど円安に株価上昇傾向が明確化し何れ値上げ必至と一頃駆け込み購入現象が起こったものだったが、ヴィトンなどの段階的値上げは止まらず、宝飾系では先月のハリー・ウィンストン、今月はダミアーニやブシュロンの値上げも予定されている。一見便乗をも超えたヤリ過ぎとも思える値上げ攻勢との意見もあるが、強気一貫を通せるところはやはり圧倒的に不変な購買層を抱えているところ。ステージは違うがディズニーリゾートもそのパターンだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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