280ページ目   雑記

女子力

本日の日経紙経済面には「女性登用に数値目標」と題して、政府が企業に対して女性登用に向けた数値目標を作り公表することを義務付ける方向で再調整に入った旨が載っていた。この辺に絡んでは一週間ほど前の同紙社説にも「企業は女性の力伸ばす職場改革を競え」として、労働力人口減少が懸念されるなかで企業が競争力を高め社会・経済に活力をもたらすには、女性の力を生かすことが焦眉の課題とあった。

既に自主的に女性の育成や登用に向けた行動計画を策定する企業は増えているというが、これに絡んで思い浮かぶのが「なでしこ銘柄」か。これは東証が、女性を積極活用し経営効率も高いという女性が活躍出来る企業を1業種1社選定するものであったが、今年は指定する企業数の上限を3割引き上げるという。

この辺は第二次安倍改造内閣で5人の女性閣僚が起用されるなど女性活躍推進の機運が高まったことも背景にあるようだが、既に選定された企業には社内プロジェクトから付随施設まで新たな創設が導入されたところも多い。イメージだけにとどまらない内への効果も併せて今後もROE等と並んで注目されそうである。


石橋を叩いても渡らない

本日の各大手紙の紙面を飾っていたのは、住友商事が米国のシェールオイル開発等での失敗から減損損失2,700億を計上するとの発表であった。既にこの報で株価はPTS等で急落していたが、値下がり率ランキングでは同社筆頭に商社ポストや今までシェール関連で囃されたモノにも売り物が目立った。

しかいこのシェールガス、世界のエネルギー地図を塗り替える大革命をもたらす可能性とのフレコミでこれまで商社はじめ電力会社など挙って権益獲得に動いた経緯があるが、改めてこうした件など表面化するに予測の難しさというか当たり外れの振れが大きい案件との印象が強くなる。

ところで同社の巨額損失計上といえばもう一つ思い出すのが96年に表面化した例の「ミスター5%の男」による銅の不正取引で約2,800億円飛ばした件、それ以降は改革パッケージになるものも出来てリスク分析を徹底的に行うようになった経緯があるが、皮肉にも今回のシェールではこれとほぼ同額を飛ばしてしまっている。

同社はかつてその家訓から「石橋を叩いても渡らない」として、余計なリスクは取らずに慎重姿勢な事が語り継がれてきたが、競合が数多犇めくなか攻めの勘所の難しさを露呈する一件であった。


全米オープンと経済効果

さて、今週世間が沸いたのはなんといってもテニスの全米オープン男子シングルスの決勝戦だっただろうか。錦織選手は日本選手初の四大大会シングルス制覇こそ逃したものの、男子準優勝はアジアでは初のことでこれは素晴らしい快挙である。

話題沸騰と同時に株式市場が沸くのもお約束で、その関連株が毎度の如く乱高下する。今回は試合の独占生中継のWOWOW、ラケットのヨネックスが決勝前まで急騰、寄り前に優勝を逃した結果が出ていたことで翌日は一転して急落となったが、特にヨネックスは前日がストップ高でしかも比例配分となっていた事で、この比例配分で買った向きと売った向きでは天と地の差になった。

ところでこんな現象は上野動物園のパンダの懐妊騒動でも見た光景で、雌のシンシンが妊娠の徴候が見られたとの報道から動物園周辺の精養軒や東天紅等の関連株が軒並み急騰するも、偽妊娠の可能性との報道で一転して軒並み急落したのと全く一緒である。

しかし株式市場のみならず上記のWOWOWの回線も一時パンク状態、スポンサーであるユニクロのレプリカポロシャツの即完売はじめ各所の経済効果はザッと見積もっても300億円と言われ、市場価値をはじき出した経済界の期待もこの一件でぐんと高まった。


今度は国債先物

本日の日経紙一面には、日銀が大規模金融緩和の一環として昨日に初めてマイナス金利で市場から短期国債を買い入れた旨が出ていた。ところで国債といえば先週末には同紙でコンピューターを通じた自動売買システムで長期国債先物を相場操縦したとして、海外の個人投資家に証券取引等監視委員会が課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した件もあった。

こんな背景には、上記の日銀による大規模緩和の一環の国債大量購入で市場取引が減ったというマーケット下地があったというが、その辺の目の付け所といい自動売買のプログラムを別の投資家のシステムを欺くように書き換えたスキルといいいなかなか優秀?な強者である。

しかし、最近では6月にあったような中堅証券の自己売買部門担当者によるTOPIX先物の相場操縦などに見られるように原資産が大物?の操作が表面化するケースが増えてきた感がある。この国債先物もそうだがマーケットが変化したのか、はたまたシステムが進化を遂げたのか今後も新手なケースが出てくるのは想像に難くないか。


底打ち何時?

この時期になると大手百貨店で毎年恒例で開催されるのがワールドウォッチフェアであるが、今年の場合はイギリスの名門バックス&ストラウスが手掛けた3億8千万の値札が付く「ピカデリープリンセスロイヤルカラー」なる時計が展示されるということもあって過日三越へ観に行ってきた。

フェアでは上記の通り目玉の展示が時折あるが、例えば3年前にはカランダッシュが手掛けた「1010Diamonds」なる特別制作の1億円もする万年筆が披露された。今年は上記の時計であり、1本で世のダイヤモンドの全てのカラーとカッティングが集約されている正に芸術品であったが、やはり値段も消費税だけで3千万円超というからこちらも凄い。

ところで昨年は消費税増税前の駆け込み需要やアベノミクス効果でこのフェアはそれなりの賑わいも売上もあったようだが、心なしか今年の会場は客もマバラでブースには手持無沙汰の店員が目立った。直近で発表になった全国百貨店売上高は前年比2.5%減で4ヶ月連続のマイナスとなっていたが、そんな片鱗がこのフェアでも見て取れたような感もあった。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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