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補完から表舞台へ

本日の日経紙商品面には「東商取の先物商品 夜間取引が最高に」として先週末の夜間取引が16万1,245枚となり、2009年5月の夜間取引開始以来の最高になった旨の記事が載っていた。売買高は6月の1日平均の3.7倍に達したというが、取引時間中の5日夜に発表された米雇用統計を受けてFXと共に金などの取引も膨らんだ模様。

2年ほど前に、「〜ETNのように取引形態の多様化と併せ、金融取引のグローバル化はジワジワと個人レベルまで浸透しつつある現れか。ところで夜間取引といえば一足先に昨年からスタートしているTOCOMの夜間取引はどんな状況になっているのだろうか?」とコメントしたことがあったが環境変化と共に伸びたというところか。

さて夜間といえば株式等も「PTS取引」が活況である。先にも書いた通り今年の1〜3月の売買代金は7兆円を超えて四半期で過去最高を更新、もう一つ金融取引所の「くりっく株365」も数年前から夜間は活況と聞く。活況とはいえ銘柄によっては板の薄いモノなどはさすがにまだ値が飛んだりもするが、先にも書いたPTS取引の刻み値などはこちらが一歩国際標準化しており、これら含めもはやサブ市場等という一昔前のイメージではなくなっているのはいうまでもない。


89年の歴史に幕

所用で銀座に出掛けた際にちょうど前を通って気付いたのだが松坂屋が閉店していた。この松坂屋銀座店、周知の通り複合商業施設に建て替えを行う為に先月いっぱいで89年の歴史に一旦幕を下ろすことになった訳だが、閉店セール期間の4-6月売上高は昨年度売上高の8割を稼ぎ出す盛況ぶりだった模様だ。

銀座という好立地に加えて世間はアベノミクス効果で消費が刺激されている折、タイミングが良かったというのもあるが、日経MJではその企画力を謳う記事もいつだったか目にしたことがある。それは兎も角も今後近隣の大手は、此処に入っていたブランド誘致に乗り出すなど顧客の取り込みに躍起になるのは想像に難くないか。

三年ほど前には、「フォーエバーー21、そしてうふふガールズ、はてはラオックスまで導入するなどルビコン川を渡ってしまった」とこの百貨店を書いたことがあったが、一先ずこういった感じになった。しかし人気があったキッチンスギモトなんぞはどうなるのだろう?この近所では京橋方面に歩くこと数分、あのホテル西洋銀座が閉館後のガランとした佇まいを見せているが、また一つこの界隈にガランとした風景が現れることになる。


中国版サブプライム

日曜日の日経紙一面には、「影の銀行、高利回り理財商品」として、中国の高利回り理財商品の2013年3月末の残高が約130兆円に達していることが明らかにされた旨が載っていたが、なにぶん中国のディスクロだけに外資の格付け機関が弾いた数値等では実情は更に大きなものとの試算も出ている。

この理財商品なるもの、銀行の通常の預金・融資とは別ルートで資金を集めるシャドーバンキング(所謂影の銀行)の代表的存在であるが、新聞等で挙がった各種試算では建設コストでみた中国住宅市場の価値はGDPの300〜400%、中央政府を除いた借入額の対GDP比は昨年210%、数年前は150%前後であったことを考えれば可也膨張しており何れも警戒水準を超過しているのは明白。

官製金融がのさばり市場金利が浸透しないなかで拡大してきたバブルの芽を象徴するような構図になってきたが、過去日本のバブル崩壊、そして米国のサブプライムと世界経済を震撼させてき前例があるだけにそれら踏まえた当局の舵取り、そして過剰な信用創造がどういったランディングになるのか興味深いところ。


株主総会変遷

さて、本日は3月期決算企業の株主総会のピークで全国で多くの企業が一斉に開催のはこびとなった。昨今時代の流れと共に異質な総会活動も影を潜めてきているのも背景に近年分散化も進んできており、フットワークの軽い向きは彼方此方に参加する機会も可也増えてきたようだ。

そんな訳で出席者が過去最多となった企業も幾つかあったが、今年はガバナンスをめぐる株主意識の高まりで社外取締役制度の導入の動きなど顕著、一方でタイミング悪く直近でひと騒動起こしたところや、アベノミクス効果もカンフル剤にならず株価低迷が継続しているところはなかなか厳しい指摘が飛んでいた模様。

議決権行使も先月あたりまで各社からいろいろと通知が届いていたが、ちなみに野村の調査ではこれを行使するとした個人の割合は昨年より5%上昇の44%となったという。斯様に上記の通り黒い総会活動からファンド系の台頭、そして彼らの衰退から近年個人の台頭が目立つようになったがこの一頃鳴りを潜めていたファンド系も徐々に復活しつつある。

一昔前の最前列近辺を社員株主で固めたり、社長ならぬ脇役員が淡々と纏めるシャンシャン総会などある意味この時期の風物詩だったものだが、株主総会も時世其の時々のカラーが色濃く出て面白い。何れにせよ今週月曜日に書いた長期投資家誘致も株主との対話がキーになってくるだけに総会も益々重要性が増してこようか。


アジアの暑い夏

今日は医師をしている友人の奥様がバースデーということで、そのお祝いの前に皆で韓国料理なんぞで腹ごなししたのだが料理を待っている間にコリアンタウン含めいろいろとこの国に因んだ話が出た。韓国といえばこのところ、昨日も一寸触れたFRB議長の量的緩和縮小への言及から債券市場等が混乱している。

マーケットの混乱といえば、週明けの上海総合指数も5.3%安となり約4年ぶりの安値を記録したが、韓国の金融マーケットには既に大量のチャイナマネーが流入しており、中国がいよいよヤバイという事になればレパトリの動きも相俟ってこれら外国マネーも我先に流出という事態になれば世界的にも影響が出てこよう。

上海総合指数同様に韓国総合指数も弱含み連日の年初来安値を更新しているが、KTB証券やSK証券等は従来の予想値を相次いで下方修正したものの、早くもこの一部予想下限をも割り込む事態となっている。そういえば日本との間で結んだ通貨スワップ期限の一部はいよいよ来月早々にも到来するが、この辺も含めて何かと今年は暑い夏になりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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