322ページ目   雑記

懐かしの食事処

本日の日経紙金融面には平和不動産が兜町の「東京証券会館」を買収する方針を固めたとの記事が出ていた。なんでも三菱地所と共同で取り組む兜町・茅場町周辺の再開発事業の基盤を固める狙いがあるとのことで買収総額は60億円という。

ところでこの東京証券会館といえば、ここの一階にあった「JASDAQ-OSEプラザ」が東証と大証が来年1月に統合することから12月末を以って閉鎖する報道もあった。日頃から証券関係者や投資家の図書館?となっていた他、JASDAQへの新規上場企業が式典等を開くなどこの界隈でも馴染みがあったところでまたもこうした場所が消えてゆくのは寂しいが東証にそのまま移るのだろうか?

もう一つ余談ながら、この証券会館といえばまだ市場も人も活気があって派手な仕手戦が堂々と横行していた良き?時代には上のレストランにて頻繁にビジネスランチを食していたのが思い出される。いろいろな紳士?が鉢合わせになったものの此処では暫し休戦、夫々が此処で一時の休息を楽しんでいたものだ。

今年の6月には「兜町もまた」と題してこの界隈の風景が急速に変わってきている旨を書いたことがあったが、一つ消え二つ消えでこの証券会館もゆくゆくは建て替えなどでこんな市場の数々の戦を見てきた思い出のレストランも上記のJASDAQ-OSEプラザ同様無くなってしまうのであろうか?


復古気運

神無月もあと一週間で終わるが、今月は周知の通りJR東京駅丸の内側の赤レンガ駅舎が約5年間の修復工事を終えて前面開業の運びとなり特徴的な南北のドーム型屋根を備えた重厚な外観が復活、約100年前の創建当時の姿が忠実に蘇った。既にホテルや物販店の出だしも好調、近隣商業施設も相乗効果で賑わい早くも都内有数の観光スポットとしての存在感を高めている。

ところでこの手の復元駅といえば、浅草駅も最近約80年前のネオ・ルネサンス様式のレトロ調にリニューアルさせたばかりだが、他にも明治時代に造られた旧万世橋駅遺構の再整備等もこの手の部類で、何時だったか日経紙「春秋」で開業当初のレトロな建物をもう一度表舞台に立たせたいとの思いから、当初の形を復元した逆コース型の階層が各地で増えている旨が書かれていたのを思い出した。

この東京駅近くの三菱一号館などもやはりそのパターンだが三菱といえば、日本橋郵便局に隣接する三菱倉庫本社ビルも解体からリニューアル真っ只中である。同建物は表現派風建築の代表的作品として東京都選定歴史的建造物の選定を受けていた物だったが、何でも老朽化で高層ビルに建て直すとか?何とか此処も上手くかつてのイメージを残せないものだろうかと淡い期待を抱くところ。

しかしこの界隈もこの手のレトロな建物が多く、例えばこの三菱倉庫と同時期の物にはこの三菱の通称「客船ビル」に対して野村證券の通称「軍艦ビル」なる同社本店ビルも近所にある。これも一寸見ない間に取り壊しが決定等という可能性が全く無いとも限らないワケだが上記の「春秋」で謳ってあったような流れが続くことを望みたいものだ。


円高と商機

さて、昨日は凪のような相場になってしまったJALを冒頭で挙げたが、それとは逆にこのところボラタイルな相場を演じているのはやはりソフトバンク株か。先週末からの急落のあと本日は一転して急反発を演じているが、イー・アクセスに続く矢継ぎ早の大型買収で最近は紙面を賑わせている。

しかし英ボォーダフォンのときの兆単位の買収もそうであったが相変わらずのレバレッジ買収は凄い。今回もボーダフォンのときとほぼ同額となるがやはり同社社長とは感覚の違う個人株主は戦々恐々、そんな投げもあって直近の株価急落からその時価総額は春先から差が広がっていたKDDIを一気に下回る場面も見られた。

数々の有言実行を成し得てきた氏だけに今回の決断が奏功するのか否か急変動の時価総額と共に注目されるところだが、こんな通信業界以外でも大型買収案件といえば最近は消費関連企業なども積極姿勢を取っている。レコフの集計によれば今年4-9月の消費関連企業のM&A金額は前年同期比51%増といい、やはりこの背景は円高が後押ししている部分が大きいとつくづく、現在水面下で交渉中の案件も近々表面化してくるかどうか今後に注目である。


理屈と現実

今週は東京国際フォーラムにて国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会が東京では1964年以来、実に48年ぶりに開催されている。そんなワケで有楽町界隈は交通規制なんぞで渋滞やら物々しい様も見掛けるが、金融会議といえば先週は大手町でニッポン金融力会議の第一回トップ・シンポジウムも開催された。

この辺に関しては連休明けの日経紙にも載っていたが、この中で某大手証券の社長など日本株は歴史的に極めて割安な水準と強調、メガバンク3行の株式配当利回り平均が4%前後なのに対して、銀行の大口定期預金金利が0.2%台であることを例に挙げ預金からメガバンク株に一定の資金シフトがあってしかるべきだと述べているがそんな言葉も虚しく只管低迷する市場を見るにやはり違和感は拭えない。

こんな理論から今こそ「投資の機熟す」・「貯蓄から投資」と同紙にはタイトルが踊っていたが、今まで何度も書いているように既にこんなところに魅力を感じて株主になる向きが居なくなってしまっているのが事実。東電やオリンパスやシャープに見られるようにかつてのディフェンシブ優良株は無残にも時価総額を急減させ、配当や優待を狙っても斯様に値下がりの代償がそれを遥かに上回ったり突然のファイナンス実施で暴落の憂き目に遭って退場、素直にアップルやグーグルを買って放置している方が遥かに報われているという向きは潜在的に可也居ると思う。

同会議ではメガバンク勢も「サービス顧客回帰」と述べていたが、金融商品をセールスする銀行も他では無料の投資等の商品に高額な販売手数料を当然の如く徴集し、覆面で潜入調査したリポート等を見るに金融知識に乏しい行員がリスキーな金融商品をホイホイ捌いている様子も窺える。

確かに金融業界は総じて顧客と企業が利益相反の構図になっている部分が多いのは事実だが、インサイダー等露骨に顧客の犠牲が糧になるような部分はそろそろ襟を正す時期に来ているのではないか。


ドサクサ紛れの転嫁

本日の日経紙には「惑う欧州年金マネー」として欧米を中心とする世界の年金マネーが長引く低成長・低金利で積み立て不足が深刻化している旨が載っていたが、同じ欄には日本でも過去10年の運用利回りの平均が2%と、加入者への年金給付に必要な予定利回りを下回る逆鞘状態と運用不振が深刻化している旨も載っていた。

斯様な情勢だけに高利回りに飢えた基金があのAIJ投資顧問の餌食になってしまったりする問題など勃発するワケだが、直近では長野県建設業厚生年金基金がこのAIJ投資顧問で企業年金資産の大半を消失させた問題に続き、未公開株運用でも多額の損失を被った旨が明らかにされている。この件では信託銀行、投資顧問もその責務に可也の問題があることが露呈された一件であった。

そんな責任放棄とも取れる行為が指摘されている中にはソシエテジェネラル信託銀行もあったが、数々の損失事件で表面化するパリバと共に何故かこの手に顔を出す頻度がフランス系は高い。まあ、その辺はともかくも上記のようなAIJ問題を引き合いにして最近は厚生年金基金制度廃止方針も出ていたが、誰が見てもおかしな理論でこの表現は混同甚だしいが近年堂々とこうした表現が増えてきているのは一寸不気味でもある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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