322ページ目   雑記

都市鉱山の課題

さて、今月から携帯やデジカメなど使用済み小型家電を市町村が窓口になって回収・再資源化する新制度が始まっている。これはこれらに再利用できる資源が多く含まれていることから、需給が逼迫するレアメタルなどをリサイクルし循環型社会の実現につなげようというもの。

ただこれらを有する小型家電といえば重要な個人情報満載のものが多くあり、積極的にこうしたところへ出すよりも自宅にストックしておく方が遥かに多数派なのが現状。また、回収側としても手間やらコストなどの問題があり、始動したとはいえこれらの課題が多く各所一斉に乗り出すという動きにはなりそうにもない。

上記の通りレアメタル等は今直面している大きな課題の一つでこの新制度も何処まで軌道に乗せられるかだが、そんななか昨日はレアアースのランタンとレアメタルのパナジウムを含む新種の鉱物が三重県伊勢市の山中で見つかったとの報があった。こちらも先に取り上げたメタンハイドレードと併せ今後注目である。


モエヘネシー型

週明けそして本日と冷やされたものの、期末も4年半ぶりの高値水準となった昨秋からの株高効果で高額消費関係が堅調である旨を1ヶ月ほど前に当欄でも書いたが、この辺は先週末の日経紙夕刊にも高額商品関連が株式市場でも堅調として、百貨店や旅行・外食株の一角に買いが入っている旨が載っていた。

それによれば高額消費の拡大で恩恵を受けると見込まれる25銘柄の株価を元に算出したゴールドマン・サックス証券が算出する「高額品消費関連銘柄指数」は、昨年11月末からの上昇率が5割超と日経平均の約3割を上回り、先月は約5年3ヵ月ぶりに250台に達している。

ところでこうした関連銘柄の一つでもあるフレンチのひらまつは、先週の日経夕刊「人間発見」の項がここの社長の連載であったがなかなか面白かった。以前TVでも特集が組まれたことがあったが、ここはブランドを幾つも抱えた例えるならまるでモエヘネシーのレストラン版のような形になってゆくのではとも思ったりする。直近では意欲的に分割も行っているが時価総額と併せ今後も高額消費関連は注目が怠れない。


それぞれのTOB

さて今週はイオンがダイエーを子会社化するとの発表が正式になされている。丸紅は負の遺産処理、イオンはスーパー1強政策の狙いということでその辺が昨日の日経紙にも載っていたが、この同じ企業欄には西武ホールディングスが筆頭株主である米サーベラスによるTOBに反対表明との記事も出ていた。

この話はもともと昨年末にかけて両者の関係悪化が伝えられていたなかでこういった行動に出た格好だが、ここ近年で敵対的?TOBのケースを振り返ってみると不成立に終わるケースが多く王子製紙が北越製紙に仕掛けたTOB然り、また最近では下馬評で完勝とされていたPGMホールディングスによるアコーディア・ゴルフに仕掛けたTOBも大どんでん返しで不成立に終わっている。

ファンドも慈善事業ではないからイグジットは可能な限り吊り上げたいのは解るが、今回の件も折しも上場申請中でもあり、メインバンクの存在もあってその辺の意味合いからすれば中途半端な感は否めなく有効性には疑問符が付くがさてどうなるか。

今月も新たなTOBの話は再建中企業等水面下でも彼方此方出ているが、それは兎も角も思えばこの両者、ダイエーが自主再建を断念したのと西武の大株主による有価証券報告書虚偽記載発表が同時期だったとの記憶がある。なんの因果かまた其々が転機を迎えようとしているが先ずはこのTOBの行方を見守ることにしよう。


先導役復活なるか

ちょうど一週間前の当欄では不動産価格の底入れ期待からREIT市場への資金流入が加速している事を挙げ旅館REITなどの新顔も登場する旨を書いたが、これに絡んでは先週末の日経紙に「REIT時価総額最高」と題してやはり市場が急拡大している旨も載っていた。

東証に上場するREITの時価総額は同紙によれば週末現在で合計6兆9,136億円と7兆円に迫り2007年5月を抜いて過去最高を更新した模様だが、本日の市場を見ても好利回りとされる銘柄を中心として高寄り後も値を飛ばし年初来高値を更新組が続出している様を見るに今週も何処まで時価総額が膨らむかというところだろうか。

また最近の不動産取引には外資系の特別目的会社が、ちょうど上記の前回時価総額が最高であった2007年以来食指を動かしている例がポツポツと出始めており外資復活の雰囲気を感じる。外資といえばアベノミクス効果からこれ以外にもETFや商品までマネー流入が顕著で、東京商品取引所が纏めた先月の外国人売買高は約96万枚と単月の売買高でこれまでの最高を塗り替えており今後循環で牽引役に躍り出る復活の芽あるや否や一段と注目される。


旅館REITの勝算

さて、先週末の日経紙には「4年10ヵ月ぶり高値」として、銀行などの買い越しが2月には月間では最高額となるなどREIT(不動産投資信託)市場への資金流入が加速している旨が
載っていた。利回りの相対的な高さが魅力となっている他、不動産価格の底入れ期待も後押ししている模様。

ところでこのREITといえば最近の面白そうな話題に、あの「星野リゾート」がこのREIT市場に参入することが一部で報じられているのがあった。投資法人を作りそこが同社から保有不動産を買い取る形になるのだろうが、当然ながら主力の軽井沢や京都の「星のや」筆頭に他の温泉旅館もこれに組み入れられる予定。

星野リゾートといえば直近では、三菱地所が来年に着工する大手町再開発地区に同社と組んで2016年をメドに外国人客を視野に高級旅館を運営する旨の発表もしており、多角的に更なる枝葉が広がりそうだ。

オフィスビル主体のREIT市場にこんな旅館REITなどの異色登場は国内で今まで例がなかっただけに興味がそそられるが、別業界から直近ではダイエー買収も視野に入れるとの報道がなされた小売大手イオンもREIT設立を表明しており、斯様な設立母体の多様化から株式に負けず劣らずこのREIT市場も今後は更に面白い状況が訪れそうである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

9

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30