322ページ目   雑記

新日鉄住金発足

本日の株式市場は手掛り材料難のなか円高で4営業日の続落、主力の鉄鋼も国内証券の目標株価引き下げもあって、昨日の海外大手溶鉱炉閉鎖報道による需給改善思惑からの上げも一日天下の上げに終った格好となっている。

ところで鉄鋼ポストといえば、今週は周知の通り新日本製鉄と住友金属工業が合併して「新日鉄住金」が発足している。取引所よろしく世界では大型買収が次々と成約し、欧州やアジアでもこれらのメガ物台頭でかつて粗鋼生産世界一とした新日鉄とて国際競争力回復のための合併話は自然な成り行きだっただろう。

ちょうど先月の日経「私の履歴書」も新日本製鉄名誉会長の執筆で、最終回には「理想的な統合が実行され、真にナンバーワンの製鉄会社になると確信している。」と記してあったが、そんな期待を背負ってこの話が出た当時は新日鉄は買い気配から40円高と急騰して寄るなど大騒ぎになった記憶が新しいものの、その後は互いに持ち合いしていた株式下落で一転赤字予想を打ち出したり今やその株価は半値にも満たない惨状となっている。

株価よろしくおりしも逆風下の発足となり今後も棘の道は避けて通れないのは想像に難くない。粗鋼生産は世界二位に返り咲いたものの首位の半分程度でアジア大手とはほぼ同じ規模、原料価格の高騰が続けば当初の目論見も狂ってくるなど課題は多い。

そういったことでこれからの手腕に注目したいが、ともあれ同業界に限らず今回の合併が国内企業の合従連衡復調の起爆剤となるかどうか今後も大いに注目される。


集約の為の一枚岩

昨日の日経紙には、来年1月に合併して「日本取引所グループ」になる東京証券取引所と大阪証券取引所が、決済機能一本化で市場効率性を高め市場拡大に繋げる狙いで来夏をメドにデリバティブの決済業務を東証子会社の日本クリヤリング機構に集約する旨が載っていた。

集約といえば先月末にも総合取引所の設立に向け、各省が取引所首脳陣を集めて意見交換会を開いていたが、ここでは参加者が取引活性化のために取引口座や税制の一元化などを要望した模様。一元化が叶えば投資家は株や商品先物を一つの口座で取引出来る為に利便性が高まるのは当然だが、これには先の当欄でも書いたように税制面等も含めて課題は満載。

ところでそれ以前に商品勢が合流するか否かが焦点にはなっているものの、先の会合では当のTOCOM側からは現時点では何も決まっていないとの声が聞こえる。この会合後に発表されたTOCOMの4-9月の売買高は1,188万枚と16年ぶりの低水準となり、ピークの2003年と比べると実に7割強の減少である。

斯様な環境から考慮しても各々の方向性を確定させるのは焦眉の急ともいえようが、一元化もその前提の一枚岩が求められやはり各省、行政の本気度が今後注目されようか。


(不?)惑の四十

週末の日経紙には「国と国をつなぐのは一人一人。」と題し、田中角栄・周恩来の両首相が杯を交わす写真と共に日中国交正常化40周年を謳う全面広告が載っていた。

こんな広告を見るたびに哀しさというか仰々しさまで漂ってしまうのは、やはり直近の中国各地で起きた野蛮極まりない反日デモ暴動の影響だろうか。その被害額も機会損失まで入れると多大になるだろうが、先月末に予定されていた40周年記念式典まで中止にされてしまっている。

一方で、同じ日の同紙一面にはこんな反日デモ暴動等もあって「対中ビジネス減速」と題し、日本企業が出店を遅らせるなど対中投資を見直す動きを載せていた。こうした投資や生産活動停滞は中国景気を冷やしひいてはこの辺が諸外国の景気へスパイラルに跳ね返ってくる悪循環になる。近年の関係悪化は国力も絡んでいるのだろうが一刻も早い事態の収拾が望まれるところである。


On the rise&花魁

さて、早いもので長月もそろそろ終ろうとしているが、ご招待をいろいろ各方面から頂いた都合もあって今月のカルチャーものとしては「池坊展・いけばなの夜明け」、「アートアクアリウム展」など過日観てきた。

池坊といえばここ数年は春行事の幕開けで桜の季にご招待頂いていたのだが、今年は秋の展ということで楽しみにしていった通り果たして今回の展も素晴らしいものであった。やはり季節柄その作品もオーガスターの枯れ葉、蓮の花托や枯れ葉、栗といった秋ならではの素材が多用され、それらとモンステラ、胡蝶蘭、グロリオサなどの組み合わせが斬新であった。他にもヘリコニアに女郎花、鬼灯にキングプロティアなど縦横無尽な和洋の組み合わせの完成度は流石の一言に尽きる。

また青年部の「誰もが知っている私のSTAR!」なるスターをイメージしたコーナーではやはり「LADY GAGA」が多数目に付き、他にはやはりロンドン五輪で注目された田中理恵選手や男子競泳といった旬?なものをイメージした作品が並ぶなどこの辺も面白い企画であった。

一方、ダイナースクラブの「アートアクアリウム&ナイトアクアリウム展」も相変わらずなかなかのものであった。水族館や街中の専門店でも見たことがないオパールのような五色琉金や黒い琉金、出目金のアルビノ等々、珍しい種もさることながら無数の金魚を巨大な鉢に放流させている「花魁」、「華魚繚乱」、風流な「水中四季絵巻」等こちらも圧巻であった。

今年は共に近所での開催で纏めて展を味わうことも出来とても満足のゆくものであったが、双方やはりその見せ方にはセンスが光りまさに巧の技、次回にまた期待が膨らむものであった。


海運も「逆転現象」

本日の日経平均は手掛かり材料難のなか、為替相場に左右されながら辛うじて反発となったが、主力の中身は疲弊感漂い中国関連の海運や鉄鋼セクターなどは週明けからの下げに続いて本日も引き続き軟調展開を強いられていた。

とはいえこのなかでも海運セクターは先週大きく戻りを入れていたものだが、これは教科書通りのバルチック指数の大幅上昇、とりわけケープ船(大型ばら積み船)の用船料相場が急騰したことが大きい。このケープ船用船料といえば通常であればパナマックス船(中型ばら積み船)がその運航コストの安さから半分程度なのであるが、ここ最近はこれら逆転現象が暫く続く異常?な状況が続いていたものだ。

それが先週は今年1月以来約8ヶ月ぶりにこの逆転現象が解消され話題になっていたが、この辺はリーマン・ショック以降度々指摘されている。これで連想されるのがやはりメタルの「金・白金逆転現象」か。当欄でも度々取り上げ、直近ではロンミンの鉱山ストもあってその鞘が変化したものだが、近年逆転現象は時価総額まで含めいろいろなところで起きている。どれを以って正常とは一階に言えないがこの辺に関してはアノマリーも次々と崩れつつあるのは間違いないところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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