46ページ目   雑記

世につれ・・・

本日はコロナ禍で迎える4回目のバレンタインデー。今年は原材料高の高騰で価格が上昇傾向にある事などで自分へのご褒美がトレンドとかだが、これに先駆けて開催されるサロンドュショコラほか大規模なイベントを見るに自分へのご褒美は既に近年定着してきておりテレワークの普及やらで義理チョコなど贈る相手の構図等も変わっている気がする。

義理チョコといえば数年前だったかゴディバの「義理チョコはもうやめよう」と題した新聞の全面広告が記憶に新しいが、コロナ禍のテレワーク普及で義理チョコの減少傾向は止まらず百貨店系の意識調査では義理チョコは全体のわずか3%と過去最低になった模様。また某調査会社では女性の8割が義理チョコをあげたくないと思っているという調査結果もある。

一方で男性側も義理チョコはもらっても嬉しくないという回答が6割超となった模様でいずれ消滅の道を歩むか。そもそも義理チョコやらそれに対するホワイトデーやらの日本独自のイベントはそういったモノ自体が存在しない欧米人らの目には奇異に映っていたワケだが、企業がチョコを売る為のマーケティング戦略の成果として長年定着したイベントも時代の流れに合わせ変ってくるか。

ちなみに当欄ではもう14年前のバレンタインデーに「奇異なる日本のValentine’s Day」と題し、「〜そもそも欧州等でバレンタインデーといえばお互いに思い思いの品を交換したりするのが普通で寧ろこの日本独特の習慣は以前からかなり奇異に見られていたのが事実。さて、次第にこの辺も国際標準の道を歩むのであろうか?」と書いていたが、多様化顕著な今こそ日本が漸く標準化へ向かうチャンスの時なのかもしれない。


次期総裁の重責

先週末の日経紙一面を飾っていたのは「日銀総裁に植田氏」の見出しで、政府は4月に退任する日銀の黒田総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田氏を起用する人事を固めた旨の記事であった。日銀総裁の人事に関しては先週も書いた通り、現副総裁の雨宮氏の名前が挙がっていたが同氏は就任を固辞したとみられる。

事前の民間エコノミストの予想でも雨宮氏と違って同氏の名前は挙がっていなかった事でサプライズ人事だったが、誰がなったとしても異次元緩和が生んだ副産物の諸々の処理が待ち受けている。金利を抑え込むために大量の国債買いを行った結果、今や日銀は発行残高の半分以上を保有する異常事態になっているし、大量買いといえばETFもまた然りで購入を続けた結果今やその保有額は40兆円に迫る勢いだ。

国債に関しては既にYCCによる歪で企業に起債などへの悪影響が懸念されているが、YCCの限界を見込み空売りした投資家が決済日までに国債調達が出来ずフェイルが急増しているのも直近で話題になっている。またETFにしても粛々とした継続購入で既に日銀は上場企業の約4割で上位10位以内に入る大株主となっており、自己資本の数倍に相当する株の変動リスクを自らのバランスシートに抱えるなど弊害を挙げればキリがない。

コーポレート・ガバナンスの重要性が彼方此方で謳われるなか、この空洞化さえ招きかねない問題があるこうしたオペはほかの主要中銀は手掛けない特異な政策だったのは言うまでもない。これまでこれらのイグジットに関しては様々な憶測が飛び交ってきたが、はたして10年にわたって続けた異次元緩和をどう降りてゆくのか次期総裁の重責は計り知れないといえる。


池袋の憂鬱

今週の日経紙・迫真は「そごう・西武・流転の構図」と題し、昨年11月に米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループとの間でそごう・西武売却で基本合意したセブン&アイ・ホールディングスが、今月の売却を来月中に延期した旨含め各所でのオーナーチェンジに係る懸念等の様子がシリーズで書かれていた。

この辺に絡んでもっかのところ一番目に付くのが、やはりこのフォートレス・インベストメント・グループがビジネスパートナーとしている家電量販店大手のヨドバシカメラが池袋の顔?ともいえる西武百貨店に入居するのではという思惑を巡って、豊島区長はじめ商店会など地元勢が猛反対し西武側に嘆願書を送付するなど揉めている一件か。

池袋駅東口周辺といえば今や家電量販店の競争激化では正面にヤマダ電機、となりにはビックカメラが控えている。反対理由の一つにはこうした家電戦争に巻き込まれて地域社会が埋没してしまうことを懸念しもう家電量販店は池袋に要らないとの意見が多い事と、仮に百貨店の低層階にヨドバシが入居した場合今誘致したハイブランド勢が撤退し顧客や富裕層が離れて行ってしまう事も懸念されている。

西武池袋はいち早く現代アートの美術館を設けるなどしてきたが、豊島区も国際アート・カルチャー都市構想と銘打ち池袋を中心として街づくりを行ってきた経緯がある。池袋の顔であり象徴でもある同本店を中心に築き上げてきた文化の街の土壌が喪失してしまうことへの危惧というところだろうが改革に踏み切れなかった西武側と池袋本店を顔とする地元勢、今日は折しも豊島区長が逝去した報があったが今後どういった顛末になるか注目される。


課題に本腰

本日の日経紙総合面では「価格転嫁、日本5割どまり」と題し企業の賃上げ原資の確保に欠かせない価格転嫁に関して、米欧はコスト増の大半を販売価格に反映しているのに対し日本は5割しか転嫁できていなく遅れている旨が書かれていた。資源高のシワ寄せは立場の弱い中小企業に集まり易いが、これに絡んでは経産省が取引先との中小企業との価格交渉や転嫁に後ろ向きな企業を昨日初めて実名で公表している。

下請け振興法に基づき22年9月~11月、15万の中小企業を対象に実施したアンケート調査で10社以上から取引先として名前が挙がった148社が対象だったが、価格転嫁に応じたかの転嫁状況と交渉に応じたかの交渉状況を4段階で評価。このうち価格交渉で最低評価を受けたのは産業機械の不二越でその次は日本郵便、同じく価格転嫁では日本郵便でその次は不二越と両社の低評価が際立つ。

一方でそれぞれの基準で最高評価を得たのは住友化学や日本製鉄など7社だったが、下請けなどの立場の弱い中小企業の価格転嫁が容易でないのはこれまで何度も触れてきた通り。そういえば下請けGメンの調査員も昨年は倍増しているが、この度の実名公表も併せ政府も本腰を入れ始めたか。以前にも書いたように日本の労働者の7割が中小企業に勤めているわけで、価格転嫁の目詰まりを解消し健全な循環が為されるような環境の後押しは引き続き必須の課題か。


対話力

注目された先週のFOMCだったが、周知の通りFRBは0.25%の利上げを決めた。これで利上げ幅は2会合連続で縮小し通常のペースに戻った。一方で欧州も英イングランド銀行が前回同様の0.5%の利上げを決定、更にECBも前回同様0.5%の利上げを決定した。これで3中央銀行の金融政策が出揃ったが、CPIの鈍化の違い等を背景に欧米で違いが出てきた。

さて中央銀行といえば目下のところ本邦では日銀人事が話題になっている。10年間にわたりトップを務めた4月に任期満了を迎える黒田総裁の後任について政府は人事案を2/10に国会に提出する方向で調整しているが、民間エコノミストの予想でも票が一番多かった副総裁の雨宮氏に早くも政府が就任を打診した事が一部で報じられている。

総裁人事に関して政府はコミュニケーション力を一つの重要な要素としていたが、確かに昨年末の唐突な長期金利上限引き上げサプライズなど市場との対話を軽視しているとの批判があった。新総裁のもとで金融政策はどうなるか?先ずは副作用が大きいYCCは修正の方向へ向かうとの指摘が多いが、いずれにせよ如何に金融市場に配慮しながら上手く正常化出来るか、中央銀行のマーケットに伝える力が今後より重要になってくる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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