47ページ目   雑記

アウトパフォームする値上げ企業

雨天の日も多くなり蒸し暑くなる鬱陶しい梅雨入りの水無月だが、この蒸し暑いなか経産省が大手電力7社による規制料金の値上げを認可した事で今月から電気料金の大幅値上げが始まっている。新電力の一部も追随する模様だが7社の引き上げ率は各社平均で15~43%、東京電力で標準的な家庭の場合ひと月でおよそ881円の値上がりとなる。

値上げといえば食品の値上げラッシュも止まらない。ちょうど1年前の6月には日清食品のカップヌードルが3年ぶり値上げした旨を書いていたが、同社はカップヌードルやチキンラーメン等をおよそ10%から13%再値上げする。またハウス食品もバーモントカレーなど家庭用食品205品目の値上げ、明治のきのこの山・たけのこの里も約8%値上げするなど今月は約3600品目が値上げ予定となっている。

しかし一寸前までスーパーなどで100円前後で買えたカップヌードルだが、今月の再値上げでいつの間にか2.5倍である。また再値上げといえば代名詞格なのがシーチキン類で、こちらはこの1年で4度目の値上げと凄まじい。それは兎も角もこうした価格転嫁力の強さが意識されてか、日清食品や伊藤園などの株価は日経平均をアウトパフォームしている。今後も各社の値上げと併せ、引き続き関連各社の株価にも注目が怠れないか。


池坊展2023

昨日は豊臣秀吉が戦国時代の武将、藤堂高虎に授けた褒美との伝承が残る「黄金の茶道具」一式のオークションを取り上げたが、豊臣秀吉といえば池坊専好が前田利家邸で秀吉に披露したといわれる「大砂物」から生まれた伝説に着想を得て作り上げた今から6年ほど前に公開された映画「花戦さ」が思い出される。

この年の「池坊展」は本当に圧巻で、この映画の公開記念という事で映画の中で描かれた様々な生け花のシーンなど実際に撮影で使われたものが展示されており特に昇竜松を主体にした大砂物の迫力は今でも鮮明に残っている。そんな池坊展だが、今週月曜日まで「とらわれのない美」をテーマに開催されていた池坊東京花展に行ってきた。

池坊展は19年の東京都美術館での花展以来で今回は初夏の花材を用いた延べ約440作が展示されていたが、毎度の事ながら器もひな壇のようなものからコルク栓を敷き詰めたものなど斬新で難しい和と洋の花の組み合わせと併せ縦横無尽であったが、次期家元の専好氏のスプリングを多用した作品もまたユニークなものであった。

そしてやはり圧巻は家元の専永氏の作品か。「隠れているもの秘されているもの、それらは無ではない。有を支える根源なのである。」と解説があったが、大きな竹筒下部から伸びる力強い根に「生の力」を改めて感じさせられた。コロナ禍で不安が世界を包み日々の生活や価値観も大きく揺らぐ時代の変化のなか、常に時代を感じて今をいける池坊に改めて力をもらった今回の展であった。


受け継ぐ意味

本日の日経紙商品面には、中国による宝飾品と地金・金貨の1~3月の需要は前年同期に比べて16%増加し、中国人民銀行も4月まで6か月連続で保有量を増加させるなど個人や中銀の強い購入意欲が明らかになった旨が出ていた。個人は人民元建て資産を不安視し、人民銀行には米ドル離れの狙いがあるのが背景にある模様。

インドと並ぶいかにも金嗜好の強いお国柄といった感じだが、この金といえば国内では話題になっていたところの豊臣秀吉が戦国時代の武将、藤堂高虎に授けた褒美との伝承が残る「黄金の茶道具」一式が先週のオークションで出品され、競り合った末にはれて茨城の美術館が3億円で落札した模様だ。

かつて日本美術の少なくない数が散逸したが、近年では若冲のコレクターで有名なジョー・プライス氏の旧蔵品を出光美術館が購入した事により纏まって日本への里帰りが叶っている。今回の黄金の茶道具も主催のシンワオークションは事前に真贋の保証はしないとしていたが、曲がりなりにも国宝級の逸品であろうと思われるものが日本の中できちんと受け継がれてゆく一歩となったのは一先ず一安心か。


商社系金融サービス

本日の日経紙ビジネス面には三菱商事が来年にも小売りや生活インフラの支払いなどに金融サービスの提供を始める旨の記事が出ていたが、大手商社系の金融サービスといえば昨日も三井物産グループが今まで機関投資家に限定されていたような不動産やインフラなどのオルタナティブ資産に対しスマホで完結できる小口投資に関する全面広告が日経紙に出ていた。

この全面広告には金価格に連動することを目指す暗号資産の「ジパングコイン」も出ていたがこれは既に昨年の2月に当欄でも取り上げており、これに新たに加わったのが「ALTERNA」で高額な不動産などの資産を小口化してスマホより1口10万円から手軽に投資出来るデジタル証券のサービスとなっている。

なるほど目利きが要るうえに一棟数十億円するプロ向け物件がブロックチェーン技術により少額資金で狙えるのはなかなか興味深く映るが、この手のサービスは丸紅も賃貸住宅のデジタル証券サービスを来月に募集する予定だ。斯様に商社系が続々と新しい投資の形を展開してきているが、商社ブランドに加え小口化で若年層世代の投資需要を喚起するトリガーとなるかどうか注目しておきたい。


辛勝に続く圧力

先週はJパワーが欧州機関投資家から受けていた株主提案に反対表明した旨を取り上げたが、これ以外にもここ一週間で多くの企業が所謂アクティビストの提案に反対表明を出している。任天堂創業家ヤマウチオファイスからTOBを受けている東洋建設、英投資ファンドニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドから株主提案を受けている日本精化、旧村上ファンド系から株主提案を受けているコスモエネルギーHD等々幾つも出てくる。

直近では成り行きが注目されていたセブン&アイHDは先週の株主総会で同社提案の取締役選任案が可決され、米バリューアクト・キャピタル側の提案は退けられた形になっている。ココは今から7年ほど前にも別の投資ファンドからも今回と同様の構造改革を迫られていた経緯があるが、これで何とか二度目も乗り切った格好となったか。

とはいえ昨年94.73%だった社長の選任議案の賛成比率は今回76.36%に減少、反対株主が約18%&増えた格好になる。総会前にグラスルイスなど議決権行使助言会社2社が再任への反対を推奨していた事も影響していると思われるが、一昔前のシャンシャン総会に慣らされた株主の質も近年はガバナンス改革を本気で考える層が増えつつあるようにも思える。

今年に入ってアクティビストから出された企業経営への提案数は43件にのぼりこれは2022年の同時点の27件を上回る。総じてまだ否決されるケースが大半だが、それらを受け別のアクティビストによる改革を訴える株主提案が続く可能性もあるだけに経営陣も喉元過ぎれば熱さを忘れるというわけにはいかず、今後も一定の圧力が続いてゆくのは想像に難くないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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