日本のお家芸
さて、日本時間で先週アタマには米映画界最大の祭典である第96回アカデミー賞の授賞式が開催され、下馬評通り最多13部門にノミネートされていたオッペンハイマーが7冠を手にし、日本勢は長編アニメーション賞に「君たちはどう生きるか」が2003年以来、21年ぶりに選ばれ、また視覚効果賞には「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」から監督ら4人が受賞する快挙となった。
しかし改めて日本の定番コンテンツの凄さを感じるもの。このゴジラなど実に1954年から続く東宝が抱える看板シリーズだが、このアカデミー賞と日を同じくして任天堂は「スーパーマリオ」の新たなアニメ映画を2026年4月に公開すると発表している。このスーパーマリオもまた1985年の登場からもう40年近くも経つが、前作の世界興行収入は13億6000万ドル(約2000億円)超えの実績を誇るなどなお収益を生み出し続けている。
任天堂はこのスーパーマリオ以外にも「ポケットモンスター」という宝を擁しているが、知的財産の類では日本はこれら以外でもサンリオの「ハローキティ」などもある。これら定番のIPはシリーズ化で息の長いビジネスを継続出来るが、ちなみにポケモン、キティ共にその累計収入額はあのスター・ウォーズを上回っているというから凄い。
斯様にその背景には大切に育てたコンテンツを武器にIPビジネスでは他の追随を許さない強味が光り、ハローキティのサンリオの株価は昨年末の5000円台水準から今月付けた8875円の年初来高値まではや80%近くも上昇、任天堂もまた先に時価総額が10兆円の大台を突破している。今後も“宝”を擁する企業はIPの活用が促進され、日本のお家芸として世界にその存在を印象付けてゆくことは想像に難くないか。