83ページ目   雑記

令和時代のタイムスリップ

さて、今週は久し振りにスタイリストの知人と会う機会があったが、最近Z世代などの女性の間で1990年代はじめのアムラーブーム全盛期の頃のルーズソックス等が再度流行り出している旨を聞いた。この辺に絡んでは若者向けの人気雑誌「egg」が一昨日に発表した年末恒例流行語大賞2021でも成る程このルーズソックスがTOP5の第2位にランクインしている。

当時といえばルーズソックスや厚底ブーツなど女子中高生の間でそれこそマストアイテムだったものだが、インスタ等でインフルエンサーが着用している事もあって20年以上の時を経て今流行っている模様だ。ただルーズソックスといっても昔ほど長くは無くブーツも今は廉価な合皮が主流というが、原宿の靴下専門店で売上げの半分をこれが占める日もありブーツの方も西武百貨店等では前年比で3倍の売れ行きという。

一寸前に親が着ていた古着を彼らの子が好んで着るのが流行った時期もあったが、つくづく時代は巡るなと。上記の全盛期当時中高生だった女子も今や自身の娘がちょうどその年代になり斯様な流行で厚底ブーツ等の「お下がり」を欲しがる女子も多く、こうした流行で輝きを取り戻し俄然現役感が出て来た親から子への新しいコミュニケーションも生まれ、それをきっかけに親子の距離が縮まるなどの効果?はまさにこうした流行の副産物といえようか。


相場連動盗難

さて、二宮金次郎といえば晩年を栃木で過ごした事で知られ県内では学校はじめ各所でこの銅像が設置されているが、先週にそのゆかりの地である栃木県真岡市の歴史資料保存館の敷地にある高さ1メートルの二宮金次郎の銅像が盗まれるという罰当たりな事件が起きている。他に県内では今年に入って太陽光発電施設の銅線や排水溝の蓋などが盗まれる被害も相次いでいる。

ところで銅相場の波に合せ毎回必ず各地で銅を含むモノの盗難事件が勃発し今年の夏場も銅ケーブルや銅管が全国にわたり盗難被害に遭っていたが、銅相場は先月中旬に再度1万ドルの大台を超えLME(ロンドン金属取引所)ではスクイズを背景に現物と先物の逆鞘幅が過去最大規模に拡大するという一件があったばかりで今回の件もこれらが背景になっているのは想像に難くない。

こうした非鉄のみならず自動車の排ガス浄化に使うロジウム等のPGM系の価格も近年の大化けで盗難に遭った自動車はコンバーターのみ切り取られるなど銅と同様な事件が多発し、先月末の日経紙夕刊でも「世界で金属盗難拡大」と題した記事が一面を飾っていた。品薄感が解消されない素地で生産回復という構図になれば再度これに乗じた犯罪の増加も予測されるだけに関係各所も相場を睨みながら?その対応が課題となりそうだ。


意図の是非

経常利益の下方修正などが相次ぎ右肩下がりからなかなか脱却できない電力ポストだが、そんな中で北海道電力は資金使途を環境関連事業に特化した債券を12月に発行すると先に発表している。この主幹事には大手どころが名を連ねていたが、先週末には起債業務に影響を与えないようにしたいとして主幹事からSMBC日興証券を外した旨の発表がなされている。

この背景にあると思われるのがSMBC日興証券の社員らが特定銘柄の株価を維持する目的で不正な株取引を繰り返した疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が相場操縦の金商法違反容疑の関係先として同社を強制捜査した件で、先週の祝日の日経紙にも「証券社員、相場操縦疑い」と題し一面を飾っていた。

今回問題となっているのは所謂ブロックオファーと呼ばれるモノで、大量の株を保有している向きが時間外で一度に売却出来る取引で証券会社は買い手を探し取引を成立させるが、通常その価格は取引を持ち掛けた翌日の終値を基準にするものの、その価格が下がってしまえば売買不成立となるケースもあるだけにこの構図を成立させるために株の買い支えが行われた疑いというもの。

しかし大手証券の社員が相場操縦の金商法違反疑いで強制調査を受けた例は記憶に無く行為者の問題か組織ぐるみかも問題となって来るだろうが、何れにせよ不正取引を審査する側で門番的役割を担う証券会社の問題だけに市場の信頼を賭け一刻も早い実態解明が急がれるところ。


株主の選択

さて、関西スーパーマーケットに対して食品スーパーのオーケーが買収提案をしていた問題だが、先月末に開催された臨時株主総会では6時間を超える長丁場の末に経営統合案が僅差で可決・承認されオーケー側はそのTOB提案を取り下げる姿勢を見せていたものの、本日になってオーケー側は総会の投票集計に疑義があると判断し明日にも差し止め請求する方針を固めたとの報が舞い込んでいる。

本日でこそ6日ぶりに小反発となったものの、先週はTOB取り下げの報を受け関西スーパーマーケットの株価は週明けから株価上昇期待が無くなった事への嫌気から終日ストップ安に張り付き比例配分で辛うじて商いが成立、以降も連日の続落の憂き目に遭い週末にはついに両者が経営統合と最初に発表した前日の終値水準をも下回った。

以前当欄で東芝機械を例に出した際には、TOB価格を軸にして防衛側が描く将来の株価像との比較機会が阻害されてしまうのは否めないところで同社は当時ファンド側が提示したTOB価格から800円以上安い値位置に甘んじていると書いたが、この関西スーパーマーケットの株価も見事?な往って来いを描きTOB表明で付けた9月8日の2200円台から1000円安の水準にまで売られている。

ここ注目されたTOB案件のうち取り下げの報と共に株価も往って来いで結論が出たと思われたこの一件、このまま司法に委ねられる事になると先行きは混沌としてきた。SBIによるTOBに対する新生銀行の買収防衛策についても直近で米議決権行使助言会社のグラスルイスがこれに賛成するよう推奨している事が明らかになり、注目の臨時株主総会という事になるが何れも引き続き目の離せない展開になってきた。


家族の一員

さて、先週は家電量販店などでもよく見かける世界最大手の清掃機器メーカー、ケルヒャーから初めての家庭用スチームモップの発売が開始されている。コロナ禍の外出制限等でペットに癒しを求めて飼う向きが増えている事などから家庭内で洗剤や化学製品の使用をなるべく避けた除菌への意識の高まりなどを捉えたモノで、高温スチームで床の汚れを落とし除菌する事が可能という。

ペットを飼い始める比率は経済活動正常化と共に鈍化するとみられるものの、ペットの絶対数が既に増加している事で大手の参入も見られ、NECではLINEを介しペットと会話出来るサービス「waneco talk」をマクアケで販売中。ペットの首輪に活動データを記録するセンサーが付いていてそれをAIで解析しメッセージに変換、蓄積される活動データを動物病院と共有し健康管理も出来るようになっている。

我々人間の方は先行して遺伝子検査から腸内細菌、血糖値等々の在宅健康モニタリングサービスが充実して来てきるが、上記のwaneco talk以外でも海外ではペットフードの米ノムノムナウがペットの唾液や排泄物のサンプルから体内細菌を調べ食事についてアドバイスするサービスを提供し、お隣韓国のフィットペットも尿のサンプルからペットの健康状態をチェック出来る生検キットで特許申請している。

このコロナ禍でペットを新規で飼い始められた数として、20年は前年比で犬が14%増、猫は16%の増加を見せ過去5年間で伸び率は最も高いという。ペット消費はその命が続く限り無くなる事はない究極のサブスク?とも言え、ペットが高齢になり愛着も湧く為にその消費金額も自ずと増える特殊性から関連市場の拡大も想像に難くないが、やはり大切なのはその最後まで飼育放棄無く終生飼育が如何に徹底されるかどうかというところだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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