84ページ目   雑記

悲喜交交

さて前号の末尾でも注目したいとした第49回衆院選は昨日投開票が行われ、自民党は公示前の276議席から減らしたものの追加公認含め261議席を獲得し単独で絶対安定多数を確保、一先ず国民は現状維持を選択した格好になった。一方で立憲民主党と共産党は野党共闘で闘い野党第一党の地位は維持したものの、共に公示前の議席を下回り不発に終る結果となった。

ところで今回目立ったのは小選挙区での大物候補の敗北か。先ず自民からは甘利幹事長の敗北から比例代表でヤレヤレの復活も総裁に幹事長辞任の意向を伝えるなどのドタバタ劇はじめ、同じ現職組からは若宮万博相、また前デジタル相の平井氏、元自治相の野田氏、レジ袋廃止論で再度の注目を浴びたばかりの元五輪相の桜田氏も敗北、国土交通大臣を務めた元幹事長の石原氏に至っては比例の復活さえ叶わなかった。

現職の幹事長や閣僚が次々敗れるのは前代未聞だが、野党も辻本氏が維新の会に敗北し比例でも復活は叶わず、また重鎮格の小沢氏も敗北と衝撃だったが、立憲民主は選挙直前にもともと非課税制度を謳っているNISAに対してまで課税をにおわすなどトンチンカンな失言をしていた事も相俟って議席が減ったのは当然な流れだったか。
   
ともあれこれを受けて本日の日経平均は政局不透明感の後退から個人投資家心理の改善に寄与、諸々の脅威もあったものの当面の政権運営に関しては強い信任を得た格好で700円を超える大幅続伸となり、個別の方も重点政策とした子育て世帯支援関連株が軒並み大幅高となっていたが、今回の選挙を切っ掛けに各所で再編の動きがあるや否や今後出て来る政策に対し市場が好意的な反応を示すかどうかとも併せ注目したい。


2021ハロウィ-ン

さて今年も恒例のハロウィーンを日曜日に控えるが、昨年は「集まらない」が掛け声だったハロウィーンも今年は新型コロナ感染拡大一服とあってその光景は各所で分かれている。もはや代名詞格の渋谷は昨年に続いて今年も「HOME HALLOWEEN」を謳いバーチャル渋谷を昨年に続いて開催、装飾グッズを揃えるドンキ等も特設コーナーはおうちハロウィーンをコンセプトに売り場を昨年の2倍規模にするなど自粛モード継続路線を取っている。

一方で国内最大級といわれる池袋ハロウィーンコスプレフェスは昨年こそオンライン開催となったが、今年は参加者数を例年の6割に絞り撮影会とステージイベント限定で開催。またディズニーランドも今週から昨年は中止になった期間限定のハロウィーンイベントを今年は2年ぶりに開催、通常チケットより割高な1万円超のチケットながら完売人気となっている。 

ちなみに同チケットを購入した客は通常開園時間より2時間早く園内に入場出来て、このパスポートでパレードを鑑賞する事が出来る。一般客が入るまで人気アトラクションも流れが早く待たずに乗る事が出来て写真も撮り易いという構図。約1000億円といわれるハロウィーンの市場規模はやはり取りこぼせない商機なだけにウィズコロナを見据えた戦略が各所で工夫されている。

ところでもう一つ、ハロウィーンといえば株式市場のアノマリーにハロウィーンに株を買えというものがある。成る程ここ20年での勝率はなかなかのものだが、奇しくも今年はダブルウィッチングよろしくハロウィーンと衆院選投票日が重なる。第一党が単独過半数を取るか否かで日経平均は上下15%ほどの差が生じたデータがあるが、さて今回はアノマリーが適うや否や先ずは選挙結果に注目したいところ。


教訓

さて、先月末に米調査会社CBインサイツは世界のユニコーン企業数がこれまでに800社以上に達したとするレポートを公表している。新型コロナ禍においても世界のスタートアップ企業の資金調達は増加傾向にあり今年だけでも354社のユニコーンが誕生しており、このペースが維持されるならば世界のユニコーン企業数は2022年内にも1000社の大台を超える見込みという。

この中でもガリバー的存在を誇っているのがあのTikTokを運営する中国のバイトダンスで、その企業価値は実に1400億ドルといわれ世界で唯一のヘクトコーン規模となっている。国別で見てみると米国がトップで全体の約半分を占めており、次いで中国の19%、3位につけるのが5%のインドとなっているが此処も近年ユニコーン企業がハイペースで続出しているという。

そんな中、依然として上記のベストスリーに引き離されている感が否めない本邦勢だが、この要因として研究者を政府が育てる仕組みが未整備な点が指摘されている。今年のノーベル物理学賞受賞が決まった米プリンストン大の真鍋氏は日米両方での勤務経験があるものの、記者会見で語った自身には米国が合っており日本には戻らぬ旨の発言はまさにこの辺が表れており、真鍋氏の発言を教訓に改めて仕組みが再考されるべきだろう。


地銀の選択

さて、東京証券取引所による2022年4月の市場再編に向けた新市場の選択申請が先月よりスタートしているが、初日は10社強が基準の最も厳しい「プライム市場」を申請している。これに伴い東証再編のコンサルティングを手掛ける信託銀行の中には、株式処分などの相談件数が5倍に増加した向きもあるなど俄かな特需も発生している模様だ。

この初日の申請の中には地銀中位の大分銀行などもあったようだが、地銀といえばその後も日経紙の地方経済面などには千葉銀行、京葉銀行、群馬銀行、東和銀行などの地銀勢が相次いで取締役会でこのプライム市場を選択し申請すると発表した旨の記事を見掛け、その何れも理由として高いガバナンスを備えた企業を目指し持続的成長と中期的企業価値をコミットする云々で共通している。

地銀を巡っては長引く超低金利で厳しい経営環境が続いているのは言わずもがなだが、そんな背景においてプライムの求めるところの高度な情報開示や企業統治が限られたマンパワーではたして成し得るのかという疑問符が度々論じられている。本日の日経紙には全国の地銀と日本M&Aセンターがコラボしたオンラインイベント「地銀カンファレンス」の全面広告が一際目を惹いたが、地域の中核企業としての看板の意義がこの選択を巡って改めて問われるか。


史上最高値のやきもき

さて、先週も触れた通り米で初のビットコイン(先物)連動型のETFがはれて上場の運びとなったが、注目の初日は2400万口座以上の取引で10億ドルの売買額を集め基準価格から約5%高で取引を終えた。投資家の裾野が拡大するとの期待から当のビットコイン価格も上昇しとうとう20日は66000ドル超(約750万円)と約半年ぶりに過去最高値を更新している。

ところでビットコインといえば今から7年前のマウントゴックス事件が記憶に新しいが、折しもこの暴騰の最中にこの債権者集会が先週に行われていた。4年前の当欄でも触れているがこの4年前の当時でも同価格の暴騰で破綻当時の残余財産が約120億円程度しかなかったモノが当時約2500億円程度まで大化けした事で、破産手続きより民事再生移行気運一色になっていたが果たしてこの再生計画案は賛成多数で可決された模様。

あれから時は更に流れ約120億円から約2500億円に大化けした残余財産は、今やなんと1兆4600億円と更に大化けしている計算だ。複雑な権利が絡み合っていて今後の調整もいろいろあるだろうが、仮に弁済率が僅か1割でも当初の軽く100倍以上になっているワケだから今後の返済作業がどうなるのか興味深い。

さて話が逸れてしまったが、悲願であったこのビットコイン先物連動型のETFの上場が叶い空かさず2番手も上場、他のイーサリアムなどの暗号資産価格に連動したETF上場の期待も高まっているという。既に複数の申請が行われているというが、ここ話題になっているNFTなどプラットフォームとしてこのイーサリアムが代表格でもあり今後の展開には目が離せない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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