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コロナ便乗?

さて、ドラッグストア等では品薄だった商品も漸く棚に並ぶようになって来たが過日の日経紙総合面には「コロナ対策商品 違法表示横行」と題し、ネット通販でコロナウイルス対策を謳う商品の15〜20%がその根拠を欠く効能を表示するなど違法の疑いのある状態で大量に売られている旨の記事を見掛けた。

コロナ禍に商機を見出そうとする輩が居なくなる事は無くこの手はいたちごっこだが、一頃のマスクや消毒ジェルの高額転売のような露骨なモノは論外として、上記以外でも最近雨後の筍のように増殖しているファッションマスクの一部など明らかに非末防止という本来の目的から外れた素材や作りに対してその販売価格があまりにも不釣り合いな高額なモノが多く目に付く。

またソーシャルディスタンスに便乗した商品もまた然りだが、こういった光景を目にするに、以前にも当欄で書いたイタリアやフランスの有名ラクジュアリーファッションブランド勢による機に乗じて商売にすることなく医療関係へ無償提供した飾り気の無いマスクや防護服などの品々は本当に美しく見えて来るものだ。


戦々恐々の再始動

さてステップ2に進んだ途端に昨晩は初の東京アラートが発動されてしまったが、緊急事態宣言が解除されて初の週末はゴーストタウンと化したようだった銀座にも人出が戻っていた。とは言ってもデパートのコスメ売り場などまるで閉店後の如く透明なシートがかけられ、各ブースにはソーシャルディスタンスを順守した長蛇の列が出来る異様な光景が広がっていた。

長蛇の列といえば銀座もハイブランド各社が続々と店舗を再開させているが、こちらもまた各店が取り決めた入場制限の影響なのか、人気がピークだった一頃の温度管理を謳って入場制限をかけていたチョコレート専門店の如く店の外には入店待ちの人の長い行列が出来ていたのが印象的であった。

他にもエスカレーターやエレベーターなど物々しい案内が張られていたのも目立ったが、GINNZA SIXなどアルコール消毒液の隣に手荒れに配慮してかハンドローションを置く心遣いも。いずれにせよ自粛の先月から再始動の今月へ、感染第2派に戦々恐々とするなか各所の知恵が問われる時か。


コロナの歪み

本日の日経紙商品面には「貴金属、広がるゆがみ」と題し宝飾品や産業用に使用するプラチナや銀などの貴金属の国際市場間でも、ニューヨークの先物価格と現物を取引するロンドンやチューリッヒ等の欧州スポット価格との差がプラチナで2000年以降で最大となるなど目立って来た旨が出ていた。

通常この手のケースでは裁定が効いて価格差が縮まるものだが、このコロナ禍を背景とした国境閉鎖や商業航空の大幅な減便など物流リスクの影響で現物デリバリー前提の裁定取引が難しい事で冒頭の現象が起きており、英銀行大手HSBCなど先駆けとなった金のこうした誤算で大幅な評価損を出した旨も書いてあった。

銀行の金取引といえば株式等のバスケット取引などで機関投資家と証券会社間で遣り取りされる事も多いEFP取引が主流だが、ニューヨークとロンドンのオンス当たりの差がロックダウンによる影響で数十ドルに拡大した事が直撃した格好か。マイナス金利然り、先のWTIマイナス価格も然りでコロナが引き起こした未曾有の現象が今後各所にどう影響してくるのか引き続き目が離せない。


マザーズ指数の大台回復

さて、先月に当欄ではコロナ物色と題し末尾では「〜モデルナのようなバイオものは不動の本命、同社以外でも世界中で100超の企業・機関が躍起になってその開発に取り組んでおり今後も折に触れこの手の報道による局地戦が指数へのカンフル剤となる素地は残っている。」と書いたが、先週の日経夕刊にも最近の株式相場はワクチン開発を巡る話題に左右されているとの一文があった。

そんなワケで、国内ではタカラバイオが先週に年初来高値を更新していたが、同社といえば先週の日経紙企業面に「国産ワクチン開発の黒子」と題し存在感が高まっている旨も載っており、その株価は3月の安値からほぼ2倍に化けている。また彼らが取り組むDNAワクチンでは同社と共にアンジェスも挙がっていたが、こちらは2月の安値から実に6倍以上に大化けしている。

同社の場合タカラバイオより小粒ながら先週はコロナワクチンの臨床試験前倒し報道ではその売買代金が全市場トップとなった事などからマザーズ市場の売買代金が今年1の大商いとなった事に寄与、月替りの本日も同指数は2018年12月以来、約1年半ぶりに1000ポイント大台を回復しているが、相対的に良好な信用評価損率も背景にリスク選好がコロナ禍を餌とし好循環する構図はまだ続こうか。


特別な高3の夏

さて、週明けに開催された臨時12球団代表者会議でプロ野球は緊急事態宣言解除を受け6月に開幕の運びとなったが、野球といえば一方では日本高野連が春の選抜大会に続き夏の甲子園大会も中止とすることを先週に決定している。1915年に同大会が始まって以降中止といえば18年の米騒動や戦局悪化を受けた41年までさかのぼり戦後では初の事である。

中止といえば同じく夏に全国から30競技に約3万人規模の選手が参加するインターハイ(全国高校総合体育大会)も先月には全国高等学校体育連盟がこれまた1963年に始まって以降史上初となる中止の決定をしているが、ただでさえ部活動自粛で休止を余儀なくされるなか自主練習で一縷の望みにかけて来た面々の心中察するに余りあるか。

例年高3時の部活動での活躍で進路を決める生徒が多いなか、大学推薦枠もその条件に大会戦果等が前提となっているだけにこうした本命大会の中止が将来に与える影響は計り知れないだろう。既に全国高等学校体育連盟が代替大会開催を各都道府県高体連に要望、個々も動画投稿で進路アピールの動きも出て来ているが、関係各所は新たな推薦基準なりの道標を早急に策定するなどで進学を巡るセーフティーネット構築が焦眉の急だろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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