249ページ目

楽観支配の咎め

本日の日経平均は米中貿易摩擦と世界景気への影響を懸念して4日大幅続落となり約1か月半ぶりの安値圏に沈んだが、本日の日経紙にも「米中不安市場揺らす」と題しVIが日米欧で揃って上昇、一昨日の所謂恐怖指数であるVIX指数は一時3か月ぶりに節目の20を上回った旨が書いてあった。

このVIXといえばやはり思い出されるのがこれに振り回され大荒れ模様となった昨年2月が鮮明に思い出されるが、先月末時点でヘッジファンドなど投機筋によるVIX先物の売越残高は18万359枚と実に統計を遡れる2004年以降で最大となっていた旨も一昨日の同紙に載っていた。

東日本大震災の時に先物オプション市場に溜まっていたセルボラが大パニックになった時も然り、リスク・パリティ型ファンドが増殖している近年昨年2月以降でも10月の乱高下なども記憶に新しいところで、低金利と低インフレを支えに変動の小さい相場が続くと「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の如く楽観がまん延していた証左の最大の売りに逆回転がまたも牙を剥いた格好になったか。


ブランド化の仕掛け

昨日のテレ東系ガイヤの夜明けでは「大人気、高級食パンなぜ?」と題し、今話題の仕掛け人を中心とし老舗惣菜店などとコラボして新しいパンを作ろうと試みるなど食パン市場の知られざる戦いの現場が放映されていた。この高級食パンといえば当欄でも昨年11月頃に一度これに触れている。

その時は高級食パンブームの先駆けとなった店のパンが自宅で作れるという触れ込みでホームベーカリーまで登場した人気ベーカリーの「乃が美」が麻布十番の店を開店させるなどいよいよ東京進出のはこびとなった旨を書いていたが、同放映で登場したのはいずれも奇抜?な店名と完成度の高いパンのギャップが特徴的な店舗であった。

その完成度の高さも添加物を一切使用していない生クリームなど素材の拘りがあってこそだが、生クリームも最近ではこれに特化した専門店まで出来ている。型に嵌めたロジックではないがしっかりと計算された作り込みが集客のキーとなっているが、特化したブランド化の成功の背景にあるのはつくづくマーケティングの重要性だと再認識した。


平成から令和へ

皇位継承の都合で史上初となった大型連休が終わったが、周知の通りこの間に平成から令和へと元号が変わるという歴史的イベントがあった。平成の時のように御崩御に因るもので無い事で各所では歓喜のカウントダウンが行われ、一部では婚姻届けの専用ブースが用意されるなど列島は大興奮のうちに令和のスタートを切った。

果たしてというかTV等では毎度定番となった渋谷スクランブル交差点の様子が放映されていたが、日常で元号との接点が見出し辛い若年層にも30年ぶりの改元は改めて平成を意識し特別感を感じられるイベントとなったか?また商戦の方も一生で一度を謳い文句にマーケティングにはうってつけの環境を背景に便乗組含めこれに賭ける様が彼方此方で見られた。

想えばバブル崩壊と再生で日本経済の存在感が低下したあっという間の30年であったが、この間に米英の名目GDPが約4倍になったのに対して本邦のそれはデフレを背景にその半分にも満たない状況にとどまっている。一生に一度モノで見る平成やミレニアムでは1-3月期でGDPが前期比2%前後の伸びだったが、はたして今回の改元ではどうなるか興味深いところ。


史上初大型連休

さて、いよいよゴールデンウイークが目前に迫ったが、今年の場合は皇位継承の都合もあって10連休と過去に例を見ない事例となる。世の働き方改革の掛け声もむなしく実際には休日取得が難しいサラリーマン諸氏には有休を取る必要の無いこの連休は感覚的に嬉しく錯覚する向きもいるかもしれない。

ところで一方では、一昨日の日経紙にて「証券会社とお取引のある皆様にお知らせです」と題し10連休中の休業についての告知が全五段で出ていた通り、株式市場も初の長期休場となり一部先物で商い機会は提供されるものの為替など他のマーケットと併せこの初の長期休場はいろいろな意味で試金石となろうか。

各経済シンクタンクではその経済効果を試算しており、その各所での消費効果でGDPを0.1%ほど押し上げる効果があるとの試算も一部に出ており既にこれを囃してOLCやANA、HISからJR東海まで株価はそんなテーマ物色で堅調推移してきたが、サマーバケーション前にガッツリ消費を刈り取る構図は需要の先食いをしている部分も無いワケではない。

また上記の相場モノも連休明けにはその間の重要イベントやらが織り込まれ一気に反映されるケースもあるかどうかだろうが、各機関の事務方もこの超大型連休明けに滞っていた皺寄せが一気に襲い掛かる構図も想定される。またぞろ働き方改革と逆行云々の論議も出そうだが兎も角それぞれの未体験ゾーンに突入である。


時代と対面需要

本日の日経紙・真相深層には「中小証券「対面販売」に限界」と題し、旧来型の営業攻勢一辺倒で次々と商品を買ってもらうようなビジネスモデルに依存してきた準大手・中堅証券会社が、デジタル化の波に乗り遅れた結果として業績悪化が止まらずなかなか先行きが厳しい旨が出ていた。

旧来型の営業攻勢といえば当欄では今年の1月に「慣行の呪縛」と題して、株式の手数料稼ぎで某中堅証券による顧客への回転売買が問題視され証券取引等監視委員会の立ち入り検査強化の旨を書いていたが、その対面のスタイルも少子高齢化の波と併せ需要とのマッチングで歪が出ていた感は否めない。

上記の件を鑑み岩井コスモ証券など金融商品の乗り換えに関わる営業では報奨金を得られなくするなど対面営業の過剰営業防止策とも言える措置を講じているが、おもえば笛吹で場立が殺気立つ光景が消えたあとはアローヘッドが稼働する無機質な光景に変り、兜町も東証から続く中小証券が犇めき合っていたその街並みもガラリと変わり果てたものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

12

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31