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IPO終盤戦

本日は保険クリニックブランドのアイリックコーポレーションが東証マザーズ市場へ新規上場の運びとなり、仮条件が目論見書記載の想定発行価格を大きく上回る水準に設定された案件だったわりには注目された初値は公開価格を25.8%上回る2,226円とそこそこという感じであった。

今月のIPOといえば上旬に上場した子供服のナルミヤ・インターナショナルの公開価格割れで3月から続いていた連勝記録が37でストップとなったが、新興株市場の牽引役と期待された先に公開のメルカリなどの大型案件も先週は年初来安値を更新しほぼ公開価格まで往って来いとなるなど冴えない展開となっている。

メルカリと同じマザーズ市場では先週に遊休不動産活用の駐車場サービス業であるアズームも新規上場の運びとなり、注目の初値は公開価格の2.1倍となりその後ストップ高まで急騰する場面もあったが、以降連日の続落となっており上記の件も含め個人も早々に利確する動きが顕著になってきている感も否めないか。

こうしたマザーズなどの新興市場はIPOを起点にした資金の回転が要となるが、短期志向が強くなりIPOインデックスも低迷となると資金の好循環も生まれにくくなる。今週も週末には上記のナルミヤ同様の再上場組ワールドのIPOがあるが、引き続き個人の資金を惹き付け続けるのかどうか今後の後半戦も注目したい。


雪・(月)・花

昨日から六本木のサントリー美術館では「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙」が開催され国宝や重要文化財に指定された仏像や仏画が堪能出来るが、此処で出展されている空海像や足利家所縁の書などと同じ室町時代の重要文化財が出展された「金剛宗家の能面と能装束」を観に今月は三井記念美術館に行って来た。

同展ではなんといっても同館が所蔵する重要文化財である孫次郎作の「ヲモカゲ」を見る事が出来るのが要だが、私がこの能面と再会するのは2011年以来約7年ぶりのこと。久し振りに再会し7年前初めてこの能面を直に観た時の感動が再度蘇ったが今回はもう一つ、豊臣秀吉が愛蔵したという龍右衛門作の小面が揃って展示されているのも目玉だ。

上記の孫次郎作「ヲモカゲ」と共に三井記念美術館は重要文化財である龍右衛門作「花の小面」も所蔵しており、ここに金剛宗家が所蔵する龍右衛門作「雪の小面」が特別出品されるという夢のような展示はやはり圧巻で大満足であったが、時空を超えてこれらもまた久方ぶりに静謐な空間で再会を果たしたということになるか。


あれから10年とこれからの金

約1週間前に束の間の1,200ドル大台を回復した金が週を跨いで再度の大台割れとなっているが、昨日の日経産業紙には「有事の金輝き失わず」と題し国際市場に不透明要素が充満するなかでも低迷している金も、一方で実質金利が上昇しても下げ渋るなど新たなリスクを背景に色褪せていない旨が書かれていた。

ちょうど一週間前にも当欄ではリーマン危機から10年目という中での金を取り上げたばかりだが、このリーマン危機時も換金売り一辺倒からS&P500等を凌ぐ急回復にスポットが当たったものだがその後も回復のキーとなったのは危機後から低下を続けた米実質金利にあっただろうか。

冒頭の通り地政学リスク含む新たな不確定リスクが蔓延しているなかで当の実質金利は昨年末あたりから上昇場面も見られ微妙な均衡となっているが、コモディティーから金融商品の側面が色濃くなりその変動要因もより多層化してきている事もまた現状の膠着の背景とも言えるか。


脱プラスチック気運

さて、スーパー等で買い物をする際に今ではレジ袋不要か否か何所でも会計時に聞かれるのが普通になったが、近年のプラスチックごみによる海洋汚染が世界的に関心を集めつつあるのを反映してか、先週末の日経紙には豪の食品スーパー双璧の大手2社が相次いでレジ袋の廃止を打ち出した旨の記事があった。

他に米でも食品スーパー大手では先月にクローガがプラスチック製のレジ袋を2025年までに全店で廃止する方針を発表、またスタバは2020年までにプラスチック製スロトーを全世界で廃止することを発表し、マックも英国とアイルランド全店舗で今月からプラスチック製ストローを順次紙製に切替えるという。

この波は日本もまた然りですかいらーくグループはジョナサンなどで使用のタピオカ用のストローは継続予定としながらも、ドリンクバーで使用するプラスチックストローの廃止を検討している。紙製品大手の尚美堂には2ヵ月の間に1,000件近くの問い合わせがあった模様で脱プラスチックに商機ありの片鱗がのぞく。

とはいえ一部製品では約5倍にもなるコスト面などでまだ問題は残るものの、中小限らず大手でも推進室を設け開発が進む。斯様にプラスチックごみが海洋汚染で世界規模の問題となっているが、海洋経由で巡り巡って再度我々の食卓に返って来る恐れも十分考えられるだけに、上記の通りの企業努力に加え我々消費者の理解も求められるところ。


ふるさとへの想いと商標権

さて本日はコーチのセールの案内がメールで来ていたが、コーチといえばこの「COACH」ならぬ「高知」の財布がSNS発で最近話題になっていたなと思い出した。お笑い芸人がCOACHと勘違いした高知の財布をツイートにあげたのが事の発端だが、なるほどこのデフォルメ具合が絶妙である。

デフォルメというとちょっと気になるのが商標問題だが、このパターンでは少し前のフランク三浦を思い出す。結局は外見や概念が大きく違うと最高裁でフランク三浦側が無事?勝訴という結果となったが、こちらもアルファベット表記と漢字表記という具合等々明らかに外見的に違うもので商標権侵害云々の可能性は低いだろうか。

そもそもこれは高知出身のアーティストが高知を盛り上げて恩返しをしたいマトモな想いを込めて作ったものだが、販売を始めた当初3日に1個売れるかどうかというペースだったのが、このツイートを切っ掛けに全国から注文が殺到し先月末段階で約6千個の注文が殺到し入荷待ちの状態、今なお完売状態が続き予約を停止しているというから今更ながらインフルエンサーの影響の大きさを感じざるを得ない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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