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異例の三度目

さて、先週末に大阪堂島商品取引所は総会を開き農林水産省にコメ先物取引の試験上場延長を申請していたが、2回目の延長期限が終了となる昨日農林水産省はこの試験上場について2年の延長を認可することとなった。

これで最後とも言えた本上場申請後の自民党プロジェクトチームの会合では、果たしてというか農林族政治家等の守旧派の反対が強く本上場認められずとの結論に至った背景があったのだが、しかし試験上場なる仮免許ともいえる期間が8年にも及ぶモノはそうそう無いがまさかの3回戦に突入である。

大阪堂島商品取引所としても市場の継続性を担保したいとの判断からの再延長申請となったのだろうが、守旧派の壁を崩せるに足る会員の顔ぶれや充分な取引高実績はやはり焦眉の急となっておりともあれ今後2年でどうそれらを積み上げてゆくかが本上場のキーとなってくるか。


AI考

本日の日経紙には「AI普及仕事どうなる」と題して、2045年にはAIが人間の能力を超えるとされる「シンギュラリティ」が起きると言われるほか、人間の仕事の多くがAIに奪われるとの予測も出ているなか、将来人間との関係はどうなっているのか拡張人間というテーマに取り組む東京大学教授へのインタビューが載っていた。

文中には話題性があっただけにアルファ碁なども出てきたが、これは他とは一寸毛色を異にすると思うものの、実際に金融分野等ではAIによるビッグデータ解析等で決算結果と予想値乖離をアナリスト以上に高精度で絞り込むモデルも開発されアナリストカバーの無い中小型銘柄リポートもAIに投げられ、医療画像解析技術や自動運転技術にしてもほぼほぼ指呼の間だ。

こうなるとやはり多くの仕事が奪われてしまうという懸念はもっともなところだが、上記の東大教授の他にAIに関してはMITの教授も人間の創造性と欲望という二つの原理がかかわりAI発達でも仕事は無くならないとしている。氏の見解はAIの本領である知識や暗記など従前のテストで測り出世させてきたこれまでの体制を根本的に見直し創造性豊かな人間を如何に創るのが重要かを改めて考えさせられるところである。


大都市の憂鬱

さて本日はふるさと納税感謝祭の案内が来ていたが、このふるさと納税といえば先週末の日経紙には「ふるさと納税846億円減収」と題し、直近で総務省が発表した調査結果で2017年度の首都圏1都3県では減収額が16年度比8割増の846億円に達し、全国の減収総額に占める割合は5割近くに上った旨が載っていた。

ポストには自治体から立派なカタログが時折届くように活況を呈するふるさと納税ではあるが、その陰では財源の流出に歯止めがかからない自治体の苦悩は続いている。そんな事を憂いてか総務省は所謂三割規制なるおふれを出したワケだが、その影響で駆け込み需要から3月下旬にはふるさとチョイス利用者が去年の1.8倍になったという。

そういった反動でこれまで上位ランクの常連だった自治体の一部では寄付額激減という憂き目に遭っているようだが、好調な返礼品の受注で設備投資や雇用を増やしてきた関連企業こそこうした返礼品激減で心中穏やかではないだろう。また総務省の一括りの通達から自治体の対応も大きく二分されてきているのが現状で全体の均衡化にはまだ紆余曲折がありそうだ。


BBC登場

さて月が替わってからは新聞等何所もビットコインの分裂に関するニュースが喧しい。1日の取引停止に先駆けて前倒しで入出金停止措置を取る企業もあり再開から再度の停止など各社の警戒感が依然燻る展開であったが、2日未明にビットコインは分裂し新通貨であるビットコインキャッシュが誕生の運びとなった。

国内各取引所としてはビットコインの保有量に合せて原則利用者にこのBBCを無償で付与するということになったようだが、実際のところ現在は黎明期でリアルな現場の方はまだまだ利用実績自体がほとんど無い事もあって、こんなドタバタ劇が起きても特に話題になるような現場の混乱は無かったようだ。

斯様にこの分裂で2つの規格が併存という事になり、情報収集に奔走していた上場企業の関連各社や各取引所は順次ビットコインの入出金を再開予定という事で騒動は収束か否かというところだが、民主的仕組みの善し悪しが色濃く出るだけに今後も承認手法等を巡り騒動再燃の恐れも燻り続けるか。


現代版PKO

本日の日経平均は米株式の5日続伸等を受け3日ぶりに反発となったが、依然として2万円大台を挟んで総じて小動きといった印象。小動きといえば本日の日経紙総合面には「日経平均が膠着」と題し、先月の日経平均は上下に270円しか動かず前月末の株価に対する変動率は1.3%と、第2次石油危機後の1980年以来、36年8ヶ月ぶりの低さであった旨が書いてある。

積極的な売買を主導する海外勢が日本株の売買を手控えているのも一因だが、かといって下値では日銀によるETF買いが要所で入りこちらも堅くなっている構図が続く。日銀としては買いの大義名分が立っているが、一方ではこれまで取り上げてきたように不動玉の吸い上げから歪な株価指標まで各所での弊害が日に日に色濃くなっている。

斯様に膠着が続いている日経平均だが、週末の東証上場銘柄に占める株の空売り比率は昨日で40.77と4月20日以来、約3ヶ月ぶりの高さとなっており、米株式も5日続伸し連日の過去最高値を更新し続けるも先週は逆にVIXが週間で+10%上昇しており両市場の警戒感の高まりをにじませているか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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