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三度目の正直

さて、今週は週明けから上野動物園のパンダ出産というめでたいニュースが飛び込んできた。リーリーとシンシンとの間には12年にオスを授かったものの残念な結果となり、翌年13年にも妊娠の期待がかかるも結局は偽妊娠に終わったという過去があっただけに関係者の喜びも一入だろうか。

パンダ懐妊報道の度に一喜一憂していたのは関係者だけにとどまらず関連株もまた然りであったが、さすがに本当に生まれとなると値上がりランキングには上野銘柄双璧の東天紅と精養軒が仲良く並び、報道直後の後場には中華の東天紅がストップ高まで買われ2007年7月以来約10年ぶりの高値圏に躍り出る急騰を演じた。

上記の精養軒や東天紅は早速パンダプレートやパンダグッズを販売するなどの対応を見せたが、他にもアメ横各店では報道とほぼ同時にセールに踏み切るところが多数あった。関西大の試算によればその経済効果は実に約267億円と弾き出しているが、今後は成長と共に相乗効果でその辺も確固たるものになってくる事から大いに期待したいところである。


マック復活?

さて、本日からマクドナルドは東海地方限定でメニューに100円追加すると肉などの主な具材が倍になる「夜マック」を売り出す。この地域は夕食にボリュームの多いハンバーガーを利用する顧客が多く、地域限定で新サービスを導入する運びといった感じだが全国展開は未定という。

ところでこの株価の方といえば2017年12月期の業績見通しを大幅上方修正した事で、先月末から今月にかけて9営業日続伸し先週には年初来高値を更新となっていたが、マクドナルド総選挙などのイベント企画等も奏功して業績は新たな成長局面に入ったとの一部指摘もある。

斯様な株価の順調な上昇で上場直後の高値圏に躍り出て、新興市場でよく比較されるマザーズ上場のミクシィを約2か月半ぶりに逆転し株式時価総額で首位になった旨が昨日の日経紙に出ていたが、米社の売却凍結表明と併せ株価の下方硬直性も優待を背景にしたものから解放され内需セクターの新たな牽引役となってゆくかどうか注目される。


鉄火場通貨

本日の日経紙金融経済面には「ビットコイン3000ドル突破」と題して、短期間に大台を次々と塗り替えはや3000ドルを超えて来たビットコインなど仮想通貨に投資する米ブライアン・ケリー・キャピタル・マネジメント創業者と、英グローバル・アドバイザーズ最高投資責任者の二氏のインタビューが載っていた。

直近の当欄で仮想通貨を取り上げたのが先月末であったが、ビットコインなど取り上げる度にその大台が変わっているからまさに投機熱も破竹の勢いで、ブライアン・ケリー氏は文中で金を買っている5%の資金が流れ込むと24,000ドルまで上昇すると大胆な予測を述べている。

ちなみに他の通貨も先月末の当欄では時価総額2位のイーサリアムの急騰も取り上げたが、時価総額3位のリップルも3月には1円もしなかったものが、約2か月後には約45円まで急騰と実に50倍近くにも大化けしているのを見るに大胆予測も大胆には感じなくなってくるある一種の麻痺感のようなものがある。

他の金融商品等と違って投資尺度も無いだけに上記のような予測もどう捉えてよいのかわからないが、高的中率をマークしている感情値から将来の出来事を予測するプログラム「ウェブボット」の最新リポートでも来年2月には13,800ドルという予測を出している。果たして来年のその時期に何ドルになっているだろうか。


株先30周年

先週末の日経紙マーケット面には、日本で株先物市場が創設されてから9日でちょうど30周年を迎えた旨が載っていた。大阪取引所の前身である大阪証券取引所が1987年6月に日経平均株価と連動し易い「株先50」を導入、翌年9月に登場した日経平均先物がその後の牽引役となりはや30年である。

昨年の日経平均先物の売買高は2076万枚で創設当時の88年から14倍の規模に膨らんだというから飛躍的な伸びだが、思えば実施当初の口座開設制限等の壁は高く当時は街金の取次紛いが一寸した流行りの時期もあったものの、ネット証券の台頭等からこれが各段に低くなったのもこうした伸びに一役買ってきたのは想像に難くない。

斯様にラージと共にミニも相場急変時などヘッジニーズの高さから個人投資家の取り込み等で大きく伸びたとはいえ、デリバティブ全体としては当欄で4月に「デリバティブ市場混戦模様」と題し書いたように売買高ランキングは17位にとどまっている。引き続き世界標準を見据えて監督官庁の壁を見直し、悲願の総合取引所実現が焦眉の急だろうか。


統治の意義

さて、今年も多くの企業から定時株主総会案内やら議決権行使書が届く時期になったが、この株主総会も来週以降本格化してくる。株主総会といえば今年からは特に資産運用会社が議案賛否を個別開示し、その提案に厳しく臨むものとみられコーポレートガバナンスの質向上が一段と問われる。

資産運用会社といえばおおかた金融大手のグループという事になるが、これまで系列の投資先企業の議案賛否に対し今すっかり流行りになった所謂「忖度」があるのではとの疑念が付き纏っていたものだが、上記の個別開示でこの辺の透明性はグンと高まるということになる。

個別では予てより多くに議論されてきたものに複数の社外取締役選任があるがこれまで容認してきた基準を厳格化したり、また買収防衛策などにも反対意見が増えるなどこれまで以上に厳密に精査する姿勢が。6月以降の総会分については11月末迄に個別開示する必要があるが、いずれにしても株主と企業の対話がどう変貌し高水準な統治を目指す契機となるのか注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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