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規制の匙加減

本日の日経平均は円安・原油高から続伸し終値で年初来高値更新となったが、前場高値からは大きく値を削る場面から連れて一部個別もボラタイルな展開が見られた。こうした乱高下の背景には依然として高速取引の軌跡も一部見られるが、先月にはこうした高速取引を手掛ける業者に金融庁が登録制を導入する旨が報じられていた。

一昨日の日経紙マーケット面でも「アナリスト不在の不幸」と題し、規制の動きからアナリストがいなくなった市場で栄えるのはコンピューターによる短期取引とパッシブ運用云々の一文が見られたが、日本取引所グループは上記の登録制導入に合せ各業者のIDを基にどの業者がどういう注文を出しているのか自ら把握出来るよう直接監視に乗り出すとも同紙で報じられていた。

これによって複数にバラして出していた者が同一か否か可也ガラス張りになって来ようが、現状で東証の全取引のうち超高速取引は発注件数で7割程度、約定件数で4〜5割を占めるまでになっているだけにこの動きも自然な流れだろう。とはいえ一方で市場が成り立つ要のリクイデティ提供というバランスもあり、市場構成において規制も今後の匙加減が重要になって来ようか。


懐疑の中に育つ

本日の日経紙マーケット面では「個人、逆張り姿勢鮮明」と題して、信用取引の売り注文が増えると発生する「逆日歩」が付いた銘柄数が、25日に679銘柄と2009年3月以来7年8ヵ月ぶりの高水準に達し、また信用売り残高も前の週に比べて668億円多い9,323億円と7年ぶりの規模に膨らんでいる旨が載っていた。

逆日歩増加に絡んでは3月決算企業の権利落ち日あたりから言われていたものの、その後も依然高水準が続いている事で配当や優待取を狙うクロスからの特殊要因だけではない事が言われ始めなかなか売り方もコストが高く付く割にはケツが入り辛い状況の露見パターンも多くなっている。

もう一つ信用取引に絡んでは過日回転日数の10日割れが続いている旨が報じられるなど短期志向もいわれていたが、総じてマーケットに対しての疑心暗鬼の表れか。相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つというが今後この逆日歩や回転日数等々ショートに傾斜している構図の恒常化に変化が出てくるかどうか注目される。


本末転倒

本日の日経紙マーケット面には、「高ROE銘柄に資金流入」として、昨日日経平均が反落するなかROEなどを基準に選ぶ株価指数であるJPX日経インデックス400が12営業日続伸となり、2015年2月以来の記録と並んだ旨が載っていた。円安や金利等外部要因に反応する相場が一巡し、ROE等の個別の指標に目が向けられている模様だ。

このROEだが今年の夏にも当欄で書いた通り、企業利益の陰りが見られるなかでこの部分を手っ取り早く達成域に持ってゆく為に彼方此方で自社株買いが盛んになってきている。今年もあと僅かだが、今年度も昨年に続いて自社株買いは過去最高水準を超えてくるのはほぼ確実な状況となっている。

ROEといえば近年8%等の数字が頻繁に登場するようになったが、前にも書いたように元々が低ROEのところなど自社株買いに勤しんだところで生産性が低下し、ひいては低成長の原因になってしまうパターンも多くあるワケで効果的な自社株買いが出来ている企業が如何ほどあるのかこの辺が次の課題として挙がって来ようか。


挙げられ続けるサイダー

本日の日経平均は8営業日ぶりに漸くというか小反落となったが、先週末までストップ高を交えて上場来高値を更新していたカルソニックカンセイも本日は漸く一服となっていた。周知の通り同社はKKRが傘下ファンドを通じてTOBするとの報で、同価格にサヤ寄せする格好から買いが殺到していたもの。

斯様にTOB価格が発表時時価より上方乖離しているケースなど事前に情報を掴めればサヤ寄せで濡れ手に粟の如くリスク無しで儲けられるワケだが、先週末にはかつてジャスダック上場の卑弥呼株式のTOBを巡って同社関係者の男性3人がインサイダー取引の疑いがあるとし証券取引監視委員会が金商法違反で強制捜査した事が報じられていた。

またその二日後にもあのライザップグループの子会社元社長について証券取引等監視委員会が資本業務提携におけるインサイダー取引疑いで強制捜査していた旨も明らかになっている。インサイダー取引に関しては当欄で約1か月前に取り上げていたばかりだが相変わらず新興ポスト中心に摘発のネタは尽きない。

今後これらの具体的な処分も明らかになって来ようが、この手のサイダー情報の「漏れ具合」は一昔とほぼ変わらないものの、その摘発率は諸々の要因から前にも書いたように各段に高くなっている事を関係者は念頭に置いておくべきだろうか。


ラストカード

さて、昨日の日経紙商品面には、39年ぶりの豊作で2016年産の新潟産一般コシヒカリの卸間取引価格が下落した旨が載っていたが、新潟コシヒカリといえばこうした需給の緩みから転作思惑が意識され先物相場の方は取引を開始した約1ヵ月前から1割高と上昇している旨も先週末の同紙に載っていた。

この「新潟コシヒカリ」、業務米対象の「東京コメ」と一般コシヒカリを指標化した「大阪コメ」に次ぐ新たな銘柄として取引が始まったものだが、特定産地に的を絞り現物決済時に産地倉庫で受け渡しを可能にしたほか売買単位も既存上場商品に比べ小口化するなど利便性を狙い米では初モノで登場していた。

これらから解る通りピンポイントで生産者を呼び込もうとしている様が窺えるが、それもそのはず農水省は前回の試験上場延長時に生産者等の幅広い参加を得ているかどうかを本上場申請時には検証すると明言しているからに他ならない。

ともあれこれも含め農産物先物の試験上場はかつて3回以上延長された事は無いだけに今回はラストチャンスともいえる。18年度をメドに国はコメの減反政策を廃止するが、生産者等の側もリスクヘッジの重要性がますます高まるのは必至。それだけに本上場をクリヤ出来るか否か今後の動向は要注目となってくる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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