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師走の乱高下

週明けの日経平均は続落と冴えない展開であったが、ザラバでは先週金曜日高値から1,200円以上安い場面もあった。2営業日でそんな実感はないが先週末の後場の動きがあまりにもジェットコースターのような展開に他ならなかった為で、日銀金融政策決定会合の結果発表直後のマイナス圏から続報で一気に500円以上も急騰したのも束の間、補完措置がネガティブ視されるやそこから900円近くの急落を演じた。

もともと前日の日経紙夕刊の「日銀ウォッチ」でも取り上げられていた通り、今年の日銀によるETF買い入れが3兆円を上回った事による買い入れ鈍化の憶測が飛び交い、満期償還の国債と違っていずれ市場売却の憶測の素地があったところへ今回の補完措置の読みでは日銀は売り手との連想が喚起されてしまったということころか。

追記をどう捉えるかにも懸かって来るが、消化難ながらも投資家にとっては総じてクリスマスプレゼントとしては肩透かしの印象と映ったというところだろうが、はたして切るカードはまだ残されているや否や年明けもまた注目されるところ。


33年の歴史

さて、本日は所用で有楽町界隈を歩いていたのだが、通りに面したプランタンを見た時にそういえば来年いっぱいで百貨店「プランタン」を持つフランスのプランタン社との商号・商標契約を終了する旨の報道があり、このプランタン銀座の名称もこれによって消えてゆくのだなとふと思い出した。

契約解消となった背景にはフランス本国同様の高級感を追求する同社と、一方では客層の幅広さを求めてゆく姿勢を鮮明にしてきた銀座店とで経営方針に食い違いが生じたというところが主因となっているようだが、確かに近年のプランタンは今や売り場で最大面積を誇るユニクロを誘致、またその階下にはニトリも店舗を構えるなどテナントのカラーは可也変わってきているのは事実だ。

有楽町といえば西武有楽町店が消えたちょうど5年前の時の当欄では、「フォーエバー21」、「うふふガールズ」から「ラオックス」まで導入した松坂屋を書いた事があったが、差し詰めこんなテイストに近いものがあるか。

ビゴやイリナなど都内では二子玉あたりにしかないような店も入る洒落たビルの割に、パーキングのリフトなどレトロ感たっぷりでダイエー時代からの歴史も感じられたものだったが、これを機に大規模改装にも着手との報もあり新生店舗がどんなコンセプトになるのか興味深い。


今回もまた

日経紙の投資情報面に「わかる証券税制」がシリーズで毎日掲載されているが、本日は損益の通算が株と債券で可能として来年から公社債と公社債投信が新たに加わる旨も説明されていた。当然ながらこれら特定口座へ入れることが出来るようになるワケだが、そうした事で投資家にとっては損益通算の広がりがプラスになる。

さてもう一つ我々として関心が高いのはやはりデリバティブ系だろうか?こちらは残念なことに上記と違って2016年の税制改正では株などと課税を一体にして損益相殺は認められない結果となった。一頃のコモディティーの両建でジャンプするようなスキームが懸念されての事だろうがやはり壁は相当に厚い。

この辺は当欄でも先月末に取り上げ「総合取引所創設にも絡んで長年の悲願は叶うのかどうか実現の可否には注視しておきたい。」としていたがまたしてもという感じか。金融庁もさることながら個人が先のネット証券のアンケートで93%の賛成結果を弾いており証券界含め悲願となっているが、こうした部分で欧米主要国と並ぶ標準化の道のりは遠くその是正は急務だろう。


老舗のざわつき

本日の日経紙企業総合面には「社長解任劇 法廷闘争へ」と題し、先週末で社長を解職されたセーラー万年筆の元社長がその決議が無効であるとし、今週は東京地裁に決議無効の仮処分を申し立てるなど一連の解職を巡る騒動が起きている旨が書いてあった。

解任無効を巡っての法廷論争では先週に当欄で書いたロッテなどもまさにそうだが、セーラー万年筆といえば創業100年を超える老舗で万年筆を使っていなくともその名は誰もが知っているところなものの、業績の方は8期連続赤字で無配が続き市場では低位の習性で近年では仕手色が強く忘れた頃に突飛高を演じる事もあった。

こんな低位の仕手系といえば先月にサハダイヤモンドも新社長人事を絡めて突如として寄り付きの19円からザラバでなんと1円まで暴落するも、翌日には15円と実に半日で株価15倍化というなかなか見られない珍事が起きたのが記憶に新しいが、継続企業前提の注記組とはいえ現代の名工に選出された職人を抱え同社モデルの根強いファンも多いだけに何とか立ち直ってほしいものだ。


賛否両論紆余曲折

週明けの日経平均は下げ止まらない原油を嫌気した世界的な株安を受けてザラバでは600円以上もの大幅続落となり、安値からは戻りを入たものの11月4日以来約1か月半ぶりに引けで19,000円大台を割り込んでいる。

さて先週から連日の株安が続くと気になって来るのが先にGPIFが2015年7〜9月期の運用損益が7兆8,899億円の赤字に転落したとの発表か。赤字は6四半期ぶりで四半期の赤字額としては過去最大となったが、GPIFに絡んでは先週に厚労省が株式に直接投資する事を解禁する検討に入った旨を報じている。

来年1月にも報告書を纏め早ければ16年中にも直接株式投資できる体制が整うと日経紙には出ていたが、パッシブ運用限定とはいえ当然市場変動リスクを受けるワケでゆくゆくこの辺もスマートベータ等も絡めていろいろ議論されるのだろうか?またそれ以前に論点になりそうなのは議決権への政治介入絡めやはりガバナンスの確立というところだろうが、厚労省絡みなだけに紆余曲折も予想されるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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