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サミット物色

さて、昨日はストップ高に張り付いたデータセクション株に触れたが、同社以外で同じこの日ストップ高に張り付いたモノに三重交通グループHDがある。これは勿論のこと2016年サミットが三重県志摩市で開催されることが決定し、その関連株の一角として物色されたもの。

他にも志摩観光ホテルを擁する近鉄グループHDや三重銀行や第三銀行など地銀、また同地域にリゾートホテルを展開している絵画販売のアールビバンも急騰から一時ストップ高まで買われ、同様にホテル進出が予定されているフレンチレストランのひらまつまでも物色対象になっていた。

このサミットといえば洞爺湖サミットが思い出されるが、大和証券ではサミットの開催で知名度が向上、その観光消費はサミット開催後5年間で累計1,750億円になる可能性を指摘し、推計で122億円とされた2008年の洞爺湖サミットの10倍以上に上る試算をしている。

とはいえ知名度向上で如何ほどの経済効果をもたらすのか実際のところ未知数なものの、成長戦略の中でも観光立国戦略はまさに柱の一つであり、この辺がどう相乗効果を齎してくるのか期待しつつ注目しておきたい。


ビッグデータファンド

本日の日経平均は方向感ないまま小幅続落で引けたが、そんな中の値上がり率上位で先週の地合い継続ということでもなく突如として高寄りからストップ高まで買い上げられたモノにビッグデータ処理のデータセクションがあった。

これは同社がファイブスター投信投資顧問と共同で株価予測システムを開発した事に反応してのものだが、ツィッターやブログなどネット上の書き込みを解析し株価が変動しそうなタイミングを予測、システムをもとにファイブスターはこれを活用した日本株公募ファンド「FS・DSビッグデータ活用型ロングショート・ファンド」を8月から開始運用開始予定という。

日本初のビッグデータファンドとなる事でその運用動向が注目されるが、これで思い出したのが昨年の3月だったかNTTデータが、ミニブログ「ツィッター」の日本語のつぶやきから株価予測に利用できる「ツィッターセンチメント」なる指標を提供するサービスを始める旨の報道か。

これが日経平均VIと相関性が高い事が判明し、国内で類似のサービスは無いと鳴り物入りの登場で3年後に100億円規模の事業に育てるとの事であったが、あれはその後どうなったのだろう?ともあれ今後も似たようなサービスが出てくる事が予想されるがこの手の新技術が投資のあり方を変えてくるのかどうか今後の成り行きに注目である。


続く値上げ

さて、今週は某タレントがベビーシッターに高級ブランド品の数々を盗まれたニュースが話題になっていたが、高級ブランドといえば一昨日の日経紙、企業・消費面の「高級ブランド、値上げ続く」と題した記事が思い浮かんだ。今週はまた12年半ぶりの円安水準が話題になったが、これと原材料高騰、それに訪日客爆買いも背景にしてハイブランドの日本での強気の値上げに繋がっているらしい。

おりしも一昨日の日経夕刊一面には賃上げが広がった事を背景に「実質賃金2年ぶり上昇」の見出しが躍り、また株高も追い風に高島屋等では若い富裕層を取り込む狙いで美術品のネット通販を始める旨も報じられている。斯様に景気の良い話だが、ハイブランドの類は今年3月の当欄でも書いたように不変な購買層を擁しているだけに唯我独尊な商売は止まらないのである。

まあ、こういった出来事は一部のブルジョワの話で自分とは無縁という向きも居るだろうが、この冒頭の記事の隣には、カゴメが原料高騰により家庭用等のソースを値上げする旨が載っており、また更にその下にはコクヨが全商品のほぼ半数を値上げする旨の記事もあった。これ以外でも衣料から食品まで個別で挙げればキリがないくらい多数控えている。

日経平均の27年ぶりの続伸とか21年ぶり上げ幅とか騒いでいる裏で、ヤクルトのジョアは23年ぶり、永谷園の広範囲の値上げは25年ぶりとこんなところでも数十年ぶりの出来事が進行している。これからも粛々と続く値上げの影響をカバーできるだけの賃金改善が未だ実感無き層まで裾野が広がるのかどうか、この辺が個人消費の今後のキーとなってこようか。


性善説

さて、昨日の日経紙一面を飾ったのは、職員の端末がサイバー攻撃を受けた事に因って約125万件の年金情報が外部に流出したと発表した日本年金機構のニュースであった。うち一部は生年月日や住所も流出したといい、国内の公的機関としてはもちろん過去最大規模の情報流出である。

日本年金機構といえば前身が杜撰な年金記録管理の失態を晒した社会保険庁だけにヤレヤレという感も強いが、日経紙では「日本の対策、危うい性善説」とも題してあった。確かにこの手の件が出る度に性善説が前提になっているところがまさに特異点ともいえ、各所では攻撃対応力の世界最高水準を自負する記事を目にするものの、ほぼ一年前に起きたベネッセ事件は内部の人間の犯行であったのは記憶に新しい。

現代の社会でIT分野は世の中を支える重要な基盤となっているのは誰もが認めるところ。性善説ありきの背景には世界から絶賛される日本人の美徳があり、それは解らなくもないが折しもマイナンバーの導入を控え、企業然りこの年金機構といった公的機関然りあらゆる組織が情報管理の在り方の再考が要求される時ではないか。


ガバナンス効果

昨日からコーポレートガバナンス・コード(企業統治)の適用が始まり、本日の日経紙マーケット面でも「ガバナンス相場の号砲」と題して、企業が資本効率を意識してROE引き上げに励めば企業統治改革を牽引役とするガバナンス相場の息が長くなりそうだとの旨の記事も目にした。

既にこのガバナンスを買う動きは彼方此方で出てきており、前々から注目されてはいたものの今一つ物色の流れに乗らなかったものも最近はこの波に乗り、メガバンク等も当初言われておいた総資金利ザヤ云々から目線がすっかりこちらへ移り直近の賑わいは周知の通りである。

もっとも資源系などは枝葉が広がりいささかこじ付けの感も強いものの、低位で其れなりに配当が出ている物はNISAでも物色人気が強いだけに機関投資家ならずともそのキャピタルゲイン部分の恩恵も高く、その相乗効果も期待できるといえようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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