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リスクオンもまた

本日の日経紙マネー&インベストメントでは「商品市況でリスク先読み」として海外情勢に敏感な商品市場の動きに目を光らせれば、商品投資だけではなく株式や外国通貨への投資でもリスク回避などに役立つ情報が多い旨が載っていた。

この辺に絡んでは今月1日に「本当にそうなの?」として、ウクライナ情勢に絡んだロシアの経済混乱でパラジウム等の供給が細る事で末端までいろいろ影響が出ている旨を書いたが、本日は商品面にも「ニッケル5割高」としてこのロシアの供給不安等でLMEの地金価格が2年3か月ぶりの高値を付けている旨も載っていた。

これらの材料を基に上記のようにリスクオフもいいが、非鉄の低迷相場が一変したような時こそ関連株を拾わない手はない。代表格の大平洋金属なんぞは2月の安値から実に6割近くも上昇し週明けは年初来高値を更新、ほか別子も3月安値から4割近くも上昇し年明けからの低迷相場の中で異彩を放っている。

アベノミクス相場で総かさ上げの時は市況敏感株も今一つ連動性に欠けたものであったが、年明けから往って来いの全般低迷相場期には水を得た魚の如く動く習性もまた健在である。


多角化

本日の日経平均は急反発、堅調だった大手不動産中心に業種別では不動産が上昇率トップとなっていたが、不動産といえば中国国家統計局が発表した1-4月の不動産投資は前年同月比16.4%となった旨のロイターの記事を見かけた。

シャドーバンキング等も絡め成長減速感も言われて久しいが、上記の不動産絡みでは欧州の有名ブランドが足元ではけっこう進出している。例えばブルガリは地元大手と組み上海で40階建てビルの上層階にホテルを開業する計画があり、アルマーニも地元大手と組んで四川省成都で高級マンションを建設中である。

各社共に事業多角化の一環で、同国でしか購入・利用できない分野を開拓し新たな収入源を探ろうというものだが、果たして成功するか否か不動産以外でもブランド系はアンテナの類も多数ありそれらと併せて興味深い。


アジア彼是

週末の日経紙夕刊には東南アジアの証券取引所が海外の投資マネーを呼び込み、経済成長を後押しする狙いでイスラム・ファンドやインフラ・ファンドなど独自色を出した商品の多様化など投資商品の品ぞろえを競っている旨が載っていた。

当欄ではつい先月も地銀などが出資する「ハラルファンド」について取り上げたが、やはり世界で約163兆円超とされるイスラム系金融資産の取り込みには他国も余念がない。上記のイスラム・ファンドはフィリピンが年内にも47社で構成する「イスラム株価指数」をつくり、指数に連動するETFを導入する模様だ。

ところで東南アジアの証券取引所といえば、かねてより大和証券グループがミャンマーの証券取引所に協力体制をとっていたが、日本取引所グループと同社はこのほど取引所の運営会社に出資する方針を決めている。ミャンマーといえば最近も経済開放で度々メディアなど取り上げる機会が多くなったが、訪問客の急増に対応する為に国外からホテルの進出が相次いでいる旨も書かれていた。

投資マネー争奪やらホテル戦争やらと、所謂ラストリゾートに対する期待はこうした過程で大きく今後も目が離せない。


集団心理

本日の日経平均は反発となったが、高値から上げ幅を削るなど昨日の急落からするとなんとも心もとない動きであった。しかし市場関係者の間では欧米諸国と比較しても下げのきつい昨日の急落を見るにやはりといった感じで思い出してしまうのが「Sell in May」か。

アノマリーというより米から格言扱いできたのでアノマリー云々で取り上げてきた「ジブリの法則」等とはまた違うものの、それでもここ4年のあいだ続き昨年の今年は外れと騒ぎユーフォリアに満ちていた最中での暴落や、連休明けの昨日の急落を見るになるほどこれも健在といった感もある。

格言やアノマリーは夫々もっともらしい理由がついているがどれも主因特定ができないアノマリーはいつ途切れるかわからないのがわかってはいるものの、連休前のプットが軒並み2倍から4倍に化けたのを目の当たりにしたりするとまたイベント感覚でエントリーしたくなってしまう投資家も多く、こういった集団心理がまたその連勝記録?を助長させているのかもしれない。


働きかけ

昨日の日経紙には「貯蓄から投資 出足まずまず」として、NISA口座開設数が制度開始時点で政府が2020年の目標とする三分の一近くに達し、同紙が大手証券5社とネット系大手証券5社に利用状況を聞き取り調査したところ同口座を通じて3月末時点で5,000億円規模の資金が流入とまずまずの出足となっている旨が載っていた。

実際に投資した金額平均は投資枠の6割といったところだが、先月も当欄で取り上げたように東証など最終的には単元を100株に一元化するような方向や、REITも続々と分割を実施するなどNISAに合せた動きであるのかのように小口化が相次ぎ企業側も投資家への働きかけが顕著である。

そういえば今年に入って突如としてストップ高するような銘柄には株主優待再開というようなモノも含まれていたが、この優待にしても導入済みの上場企業が3月末時点で過去最高の1,114社に達するということ。また従来より少ない投資額でも受けられるような制度改定をしたところも出てくるなど上記と併せ特徴的である。

しかし気になるのは、企業側こそこういった動きがあるもNISAそのものはこれ以上歩み寄りの余地は無いのだろうか?100万という枠に限定された非課税期間、損益通算の問題、マル信も不可、その担保にもならない等々挙げだしたらキリがないほど使い辛さ満載、いい加減NISA側も真剣に改善を考えるときだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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