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百貨店ストラテジー

さて、巷の百貨店などついこの間までお歳暮商戦酣であったが矢継ぎ早に今や御節商戦が酣となっている。ミシュランガイド発売後とあって例年通りその関連店舗から出すモノには強気な値段が並ぶ光景は例年通りだが、今年は三代が楽しめる「家族型」と逆に少量ニーズを取り込んだ「個食型」の二極化もいわれている。

こうした商戦ではあの手この手で各店舗共に個性を競い合うが、お歳暮、御節の師走が過ぎると今度は早々に冬物セールのイベントが待ち構えている。ところでセールといえば今年は夏物のセールで大手各社が例年より遅らせる形を取った為に混乱をきたし、結果的に各社軒並み減収が顕著となり見事に空振りとなった経緯があるのは周知の通り。

そんなことからもう横並びで追随は懲り懲りとばかりに、夏の反省から大手どころは先送りの先陣を切ったところを除き冬物セール開始は例年通りという向きが大半を占めるが、百貨店側と共に夏物のセール先送りを仕掛けたとされている大手アパレルも冬物では年初からと平常通りの動きになる見込みで、やはり前にも書いたところである麻薬の如きセールの扱いは難しい。

デフレ長期化のなかでのアパレルの位置付け、家電と共に回復期でのホテル等との違いを前にも書いたが、冬の時代はまだ続くのか否か顧客利益と自己利益の天秤での試行錯誤はまだ終りそうにもない。


建前論と核心

昨日の日経紙、風速計では「大手主導の日証協に反旗?」としてネット系および中小証券が日証協の中に立ち上げた「個人投資家応援証券評議会」なるものが、大手の意向を反映した日証協運営体制への反旗ではないかと業界で波紋を呼んでいる旨が書かれていた。

同評議会の議長はマネックス証券社長だが、同評議会参加については「主たる顧客基盤を個人投資家とする証券会社という評議会の性格付けに適った証券会社に集まってもらいたく、参加証券会社を一定の基準で絞り込むことも大事なことだと考えている。」としている。

となれば大手・銀行系は事実上参加が難しい狭き門?となってくるが、その議題にしてもファイナンスの実施に絡む問題点など大手のプライマリービジネス等の核心に触れる部分が多く真っ向から論議ということになると仮に大手と議論の場を設けても個人投資家の視点からすれば当然の如く大手には分が悪い。

他にもアップティック・ルールの是正まで含めた議論まで範囲は広いが、相場も年内に年初来高値を抜くかどうかまでにわかに熱くなってきているおり、市場活性化の使命を背負う日証協が均衡点を見出せるかその采配が今後注目されるところ。


在庫豊富の調達難?

政権交代を囃してこのところ円安・ドル高が進んでいることもあって、国内の商品先物全体の値動きを示す日経・東工取商品指数は昨日には4月中旬以来約8ヶ月ぶりの高水準となった。本日も続騰となっており商品高の好感から商社株や別子こと住友鉱も高いがこれを含む非鉄系もこのところ堅調が目立つポスト。

この非鉄といえばLMEで決める地金価格にメーカーなどが運賃や手数料を加味するプレミアムが高水準になっている旨を日経産業紙で見掛けた。アルミ地金等の国際在庫は過去最高水準ながらLME指定倉庫からの引出予定量昨年末の10倍以上に増加し、地金を取り出しの煩雑さと相俟って出回りが品不足になっているという。

LMEといえば当欄でも度々取り上げた通りけっこう驚きな値で香港取引所が買収手続きを終えたところであるが、参加する多くの金融機関は地金購入と併せ先物に絡めて利鞘を稼ぎ系列の所有倉庫に保管というパターンが定番、彼ら主力勢は買収前の大株主であった向きが多く買収後も尚影響力があるところなど先ずは円滑さを狙う香港側の目先の試練となってくるか。


オセロ衆院選

第46回衆院選が16日投票、即日開票されたが果たしてというか自公合せ320越えで圧勝し3年一寸で自民党が政権奪回ということになる。民主は公示前の約四分の一に落ち込む歴史的な惨敗ということだが、想定された通知表としてはこんなものだろう。

ところで今回の投票率だが、日経の推計では59.26%前後と1996年の小選挙区比例代表並立制導入後の最低だった96年の56.65%を下回る最低水準見通しという。もともと今回は衆目の一致するところで所謂熱狂型でなかったのは当然なところだが、やはり以前書いたこの手の先物創設などの動き等あればこんな時代こそ非関心層に対する効果がけっこうあるのではないかと思う。

さてそんなマーケットに絡みでは、民主バブルの時には株式市場では子育て関連株が軒並み急騰したのが記憶に新しいが、今回も自民圧勝を織り込む形で不動産やら建設、電力株が急騰してきたものだが、90年以降の歴代首相の株価パフォーマンスでは安倍氏がトップということもあり開票結果が出ても尚週明けの市場で東電が更にストップ高となるあたりにこの辺の人気を再認識させられる。

ただ、何れこんな個別でもバブルがはじけ期待プレミアム分がカラ売り筋の恰好のターゲットになってくるのは想像に難くないが、これは政策も同様なこと。どの程度が現実的に可能になってくるのか株価と共にその舵取りを一喜一憂で見てゆくことになろう。


City of Gold

さて、昨日の日経CNBCでは「知られざる黄金の都 ドバイ・中東から2013年金市場を展望する」として中東の金融センターとして、様々な分野でその存在感を増しているドバイの金を絡めた金融事情が放映されていた。

冒頭では私の知人もCAをしている「エミレーツ航空」などの紹介と共に、今のところ世界一の超高層ビルであのアルマーニホテルが入る「ブルイジュハリーファ」等が出てきたが、思わず昨年の映画、ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルなどが思い出される映像である。

その辺は兎も角も中盤、中東で金が売れる理由としてイスラム金融は金利を禁止とか、豊島氏談では嫌米債なる商品まで存在するという伝統的な米国嫌いというのがあったが、そういえば上記のような理由で、かつてトヨタが発行したスクーク等も思い出される。またもう一つ、女性に認められるアセットは宝飾品のみというのもあったが、この宝飾といえば年に一度開催されるという「ドバイ・インターナショナル・ジュエリーウィーク」の様子も初めて見たが、さしずめ「バーゼルワールド」の中東版といったところか。

他にもドバイ商品取引所やDMCC系のドバイ金商品取引所なども出てきたが、あのドバイ・ショックからはや3年、こうした金や原油のようなコモディティー始め今後も金融センターとしてその存在感がどの程度影響してくるのか目が離せない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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