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輸出国健在

さて、先週のFOMC後の会見でFRB議長が量的緩和縮小に言及、具体的見通しが嫌気され今年最大の下げ幅を記録した株式相場と共に急落しているのが周知の通り金相場。昨晩も力なく反落し、この3日間でざっと100ドルの下落を演じている。

まあ下落は別に直近で始まったワケではなく、年初から見れば随分と値位置も変わってきたものだが、こんな状況下でも依然変わっていないなと思ったのは金の輸出傾向で、この間つまり今年1月から4月の金輸出入量は実に約56トンの輸出超過になっている。

ちょうど一週間前の火曜日の当欄では「粛々と積み増し」として、新興国を中心とした世界の中央銀行の金買い意欲が依然として衰えていない旨を書いたが、本邦勢はこれらとは対照的に依然我が道をゆくといったところか。2年ほど前に金は歴史的に国力のある国に動くと書いたが、さて今後どういった構図になりますか。


結局はお上次第

先週末の日経平均はザラバ安値から大引まで500円以上もの値上がり、週明けの本日も寄付から大引まで350円以上値を下げるなどここ依然として株式相場の変動が大きい状態が続いている。そうしたなかでNISA口座に絡んだ話題のなかには中長期視点での投資の重要性を謳う記事も多く目にするようになった。

確かに今の市場、足の早い資金構成という構図から先物で主導権を握れば上記の通り指数を乱高下させるのは比較的容易な状態。中長期でじっくり腰を据えた投資家不在も一因との指摘も多いが、NISA等預金に偏った個人の資産が株式市場に流れるということで短期の値幅取りではない中長期の投資が広がる呼び水になるのではとの期待も高い。

しかしどうだろう?HFTがインフラと共にこれだけ蔓延っている現在、構造変化云々というのは些か期待が大き過ぎるというのは否めないところだろうが、中長期系を誘致したければ先ずNISAのようなチマチマしたものでなくこれらによる売買益や配当課税のドラスティックな優遇改革が第一だろう。NISAは切欠というところで新たな改革の機運が望まれる。


その違いが判りますか?

さて、昨日のマックに続いてもう一つ今週は食の話題として港区内の4つのプリンスホテルが、チリ産牛肉のローストビーフを国産としたり、ハンガリー産のフォワグラをフランス産と表示するなどの実際の食材とは異なるメニュー表示をしていたと発表していた件があった。

この手では直近でもディズニーシーのミラコスタでブラックタイガーを車海老とし、またアンバサダーホテルでは国産鳥を地鶏としていた問題が発覚したばかり。こう立て続けに出てくると直ぐに記憶が蘇るのが2007年に続出した食の偽装ラッシュか。幾つも出た中で大阪の船場吉兆など九州産牛肉を但馬牛と謳って販売したり、地鶏が実はブロイラーだったりと名門なだけに話題になったものだ。

これと前後して秋田の比内鶏や名古屋の名古屋コーチン、また魚沼産コシヒカリまでいろいろな表示偽装が発覚してきたが、思うにどれだけの消費者が明らかに味の違いを感じ疑問を呈しただろうか?あのミシュランガイドでさえ二つ星を与えたヒルトンのトゥエンティ・ワンも山形産牛を前沢牛としていた産地偽造が発覚して結果店は消滅に至っている。

偽装自体決していい事ではなく、現場との間で情報が共有されていない意思疎通の無さに因んだ問題は他企業も反面教師にすべきだが、つまるところこういった件が特に取り沙汰されるのはやはり繊細な日本人の特異なブランド志向という背景がベースにあるからだろうなとつくづく。


デフレでは勝組も

さて週初はアベノミクスで消費好調という旨を書いたが、当然ながらその辺は末端まで幅広い範囲にわたりファストフードなんぞもこれにあやかろうとの動きで今週は日本マクドナルドが少し贅沢な路線で業績テコ入れしようとの思惑からこれまで発売した中で最も高価格のハンバーガーを夏限定で新発売すると発表している。

マックといえば先月の1-3月期決算でも売上が前年同期比14.6%減の659億円、純利益は54.8%減の19億円と冴えなかったが、ビックマックの安売りを止めて新商品を減らしたことが主因とか。最近は回転率を狙ってかメニューを撤去したり、60秒企画?なるモノもやっていたがどれもこれも迷走という指摘が多い。

で、今回の贅沢路線だがプチ贅沢して美味しいハンバーガーを食べたい向きが、ハンバーガー専門店が山ほど犇めき合う中でこんなワンコインに近い物を選ぶかかどうか?ウチの近所で流行っているハンバーガー店など一番安いシンプルなハンバーガーでも今回マックが打ち出す値段のほぼ2倍の1,000円だが、昼時など列が絶えない。

同じファストフ−ドで他業態では値下げ競争が激化して久しい牛丼があるが、これは専門を謳っている店も少なくこうしたところこそブランドが浸透しているところは高価格帯のプチ贅沢路線は選択の一つと思うが流行店を超えるサプライズ、例えば復活したウェンディーズのロブスターとかキャビアを使ったバーガー並のインパクトに欠ける今回の新商品がヒットするかどうかその行方を一寸注目しておきたい。


粛々と積増し

本日の日経紙商品面には「中央銀、なお金買い高水準」として、4月の買越量が7ヶ月連続で節目の30トン以上となるなど新興国を中心とした世界の中央銀行の金買い意欲が依然として衰えていない旨が載っていた。

同記事では4月の金輸入国はロシア、カザフスタン、トルコ、それにアゼルバイジャンの4カ国で経済成長から外貨準備が増えている国との指摘があったが、中国からも目が離せないとしていた。かつて中国は金準備を大幅に拡大し、いずれ米国と同水準まで引き上げるべきとの見方をした経緯があったが、3月の香港からの金純輸入量は前月の2.2倍に膨らむ等この辺は肅々と進行している感がある。

先週放映された日経チャンネル「アベノミクスと世界経済そして金」でも新興国の公的金保有を示したパネルのトップになっていたが、金融政策をめぐっては相異なる二つのリスクを擁していると長らく言われてきた同国、今後もそのバイアス如何ではこの金と絡めてさまざまな思惑もまた出てこようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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