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拡大解釈なる便乗

例年この時期になると会計検査院による決算検査報告書が出るが、昨年度の税金無駄遣い等の経理処理が不適切と指摘したのは513件、計約5,296億円となり前年度比で1.2倍、過去最高であった21年度に次いで実に2番目の規模となった模様だ。

今の民主党政権といえば事業仕分けなんぞで歳出抑制が強調されていたものだったが、果たしてというか無駄使い放題といったところだろう。この中でもやはり酷いと思うのは昨年の大震災絡みの案件で、復興予算が被災地と関係の薄い事業に流用されていたのが次々と明らかにされたり、先月末の日経「春秋」には復興予算が東京スカイツリーの開業イベントに流用されていた旨も書いてあった。

また防災に絡んでは90億円以上を注ぎ込んだJ-ALERTが有効活用されていなかったというのもあったが、上記の復興予算など日経紙によれば「拡大解釈」という抜け道の便乗要求があるという。解釈といえば2006年のちょうど今頃の記事でも「解り合えない解釈」の題で、社会保険庁が売却予定美術品のデューデリにおいて美術品に有るまじき一律算定をした事がこの検査院から問題視されたことを書いたことがあったのを思い出す。

しかし、復興増税と消費税増税の負担を一般に求める一方でこんな杜撰な割り振りはほんとうに呆れる。飄々と所信表明をのたまうのもいいが、例えば直近のネット証券4社による証券優遇税制の延長要望など速やかに対応する姿勢こそ先ず持ってもらいたいものだが、今の政権にその辺を求めるのは無理というものか。


仕分けされるもの残されるもの

さて、過日は馴染みの店が銀座から青山に移転し、リニューアルオープンしたとかで友人夫婦の招待を受けてそちらで楽しい食事会のひと時を過ごした。其処に向かう際に久し振りに「こどもの城」前を通り過ぎたのだが、そういえば此処は老朽化が進んだとかで厚労省が2015年3月末で施設を閉館することを決めたとの件をふと思い出した。

最近はいつまでもあるようなイメージのものが突然というかあえなく閉館が決定されることが多いが、「ホテル西洋銀座」なんぞもその類か。そういえば上記のこどもの城は「青山劇場」や「青山円形劇場」を擁するが、このホテル西洋銀座擁する「ル テアトル銀座」もまた青山劇場、青山円形劇場同様に共に閉館が決定している。

何れも改修費等の折り合いが付かずに事業継続断念とのことだが、例えば青山劇場等は今まで子供のミュージカルブームを主導したり演劇人の登竜門となってきた経緯がある旨が日経に出ていた。そうそう、子供関連といえばこの手に限らず市民プールなんぞの公営施設も一気に全廃などという動きも近年目立ってきたが、これもまた大規模修繕の都合が付かない為なのだろう。

何れも高稼働率に単体黒字を弾き出すというが、構造上や更新費の壁があり切り売り事業化は無理とか。それでも閉館決定の動きに対してはまだ間に合うと見直しを求める意見書の動きも出ているというが、政府では少子化対策なんぞと喧しいものの、行政の都合で何でも機械的な処理に走る前に少しでもこうした動きに耳を傾ける姿勢を持たなければそれこそ掛け声倒れではないだろうか。

「こどもの城」のシンボル的なモニュメントであった岡本太郎氏の野外彫刻も静かに終りを待つ佇まいがどことなく荒涼とした感だが、これも一体何処にゆくことになるのだろうか。


何が出るか

本日はご存知「ハロウィーン」である。街のフラワーショップは本日に合せて暫く前からにわかにカボチャの登場頻度が増し、また近所のレストランもハロウィーンラリーの為にいろいろ趣向を凝らしたりとお祭り気分も盛り上がり、仲間内では国際色豊かなパーティーが開催される例年の光景である。

ところで昨日の日銀金融政策決定会合の内容は通常?の時間に発表されず、さんざん時間が長引いただけいったい何が出てくるのか?とハロウィーンサプライズの如く関係者をヤキモキさせたものだがまさに大山鳴動して鼠一匹といったところで円は急速に買われ引け際の株は売られることとなった。

このハロウィーン週間には突如として予想外の時間にビックリするお化けが出てくるが、先にホンダがフライング気味にやってしまった業績下方修正発表もまたその部類。これで後場から一気に市場ムードも変わってしまったが、枯れている時ほどブレも大きい。それでも昨日は1ヵ月半ぶりに売買代金が高水準となり米休場のなか本日は往って来いの反発、そろそろ日銀離れも近いのかどうか行方を見守りたい。


変貌する構図

さて、本日の日経紙総合面には「電力、値上げ機運広がる」として関西電力が東電に次いで電気料金の値上げに踏み切る方針を明らかにしている旨が載っていた。ご存知原発再稼動が進まず他の燃料調達費等の上昇で今回の方針となった模様だが、今後は他電力が追随するかどうかが焦点となってくるようだ。

斯様な状況に絡んでは二酸化炭素排出量も何れ問題になってこようが、他にも大口ユーザーも値段によっては越境云々の話が出てくるかもしれないところ。そうなるとそれはそれでまた各社競争というか鎬を削るということになるが、各社それぞれ今後の舵取りが注目される。

このユーザーも財務改善が急務となっている中の値上げで負担は増えるばかりであるが、そんなところから株主まで皺寄せが及び配当の方も先に無配表明した東電に次いで実に61年振りに無配方針としているこの関西電力や北海道電力などもある。他に九州や東北、四国もこれらに追随するか検討中とも伝わっておりその価格と共にいよいよ長年君臨してきたディフェンシブの地位も終焉を迎えることになるか。


懐かしの食事処

本日の日経紙金融面には平和不動産が兜町の「東京証券会館」を買収する方針を固めたとの記事が出ていた。なんでも三菱地所と共同で取り組む兜町・茅場町周辺の再開発事業の基盤を固める狙いがあるとのことで買収総額は60億円という。

ところでこの東京証券会館といえば、ここの一階にあった「JASDAQ-OSEプラザ」が東証と大証が来年1月に統合することから12月末を以って閉鎖する報道もあった。日頃から証券関係者や投資家の図書館?となっていた他、JASDAQへの新規上場企業が式典等を開くなどこの界隈でも馴染みがあったところでまたもこうした場所が消えてゆくのは寂しいが東証にそのまま移るのだろうか?

もう一つ余談ながら、この証券会館といえばまだ市場も人も活気があって派手な仕手戦が堂々と横行していた良き?時代には上のレストランにて頻繁にビジネスランチを食していたのが思い出される。いろいろな紳士?が鉢合わせになったものの此処では暫し休戦、夫々が此処で一時の休息を楽しんでいたものだ。

今年の6月には「兜町もまた」と題してこの界隈の風景が急速に変わってきている旨を書いたことがあったが、一つ消え二つ消えでこの証券会館もゆくゆくは建て替えなどでこんな市場の数々の戦を見てきた思い出のレストランも上記のJASDAQ-OSEプラザ同様無くなってしまうのであろうか?


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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