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西洋銀座閉館

さて、もう一年経ったのかと思うほどお知らせから「その時」が来るのが早かった感じであったが、「ホテル西洋銀座」が先週末で閉館し26年の歴史に幕を閉じた。此処はセゾングループの旗艦ホテルとして銀座テアトルビル内に開業したが、切って移動出来るワケもなく同所の銀座テアトルシネマとルテアトル銀座も同時に閉館のはこびとなった。

このホテル、もともと複雑な背景でプリンスホテルに対抗してオープンしただけあって、日本で所謂「コンシエルジュサービス」を初めて導入、空間は西洋スタイルの割にそのもてなし方は日本旅館のきめ細かさがあり、少なめの客室数に当時としてはバスルームも広く、その空間はそのまま欧州のホテルに居るような錯覚さえ覚えた。そんな事もあってお忍び有名人とも何度かすれ違ったものだった。

また食の方もこのホテルはマカロンが一般的には有名だが、個人的にはやはり此処のクリスマスシーズンの手の込んだチキンや、エッグベネディクトが忘れられなく一押し。これは他のホテルでも食べられるところは幾つかあるが、此処のは他の追随を許さない美味しさだったかなと。

斯様に今後もう姿を消すかもという事態になると、赤プリのフォアグラサンドやオムライス、パシフィックホテルのチーズケーキ同様にいろいろ頭に浮かんでくるが、せめて名品は何らかの形で存続して欲しいものだ。いずれにせよ日本の都市文化の象徴的な拠点がまた一つ姿を消すことになるのは残念な限りである。


変り種多数

あっという間に今月ももう終わりであるが、今月は毎年恒例の「池坊展」を観てきた。この皐月の展ではエントランスから「ジャパニーズモダン」、「アジアン」、「ヨーロピアン」と構成され「悠久の流れ」を経て家元の大作へと進んでゆくのだが、初夏ならではの花が多用され今回もまたいいひと時を過ごせた。

先生方のは相変わらず藤に擬宝珠、無花果に白覇王樹など絶妙な組合せが光り、また所謂釣り花、横掛け、向掛け等の作品も空間の美しさを感じたが、「私のとっておき」では飲料のボトルに一輪挿した花をフィルムで包んだ作品や、アジア民芸品を取り入れた作品など若手も縦横無尽な発想が光る物が多く見られ、またここでは各々の色へ対するこだわりも強く現れていて新鮮であった。

しかし毎度思うのだが、やはり使っている花々は貴重なマスデバリア等からアンスリウムや蘭などまでどの花一つ取っても普通のフラワーショップでは見たこともないような珍しい種を多く見ることが出来るあたり、なんとも懐の深さを感じた展であった。


浮動玉

本日の日経紙には「NY金、ファンドが売り」としてNY金の売り建玉が過去最高水準になった旨が載っていたが、4月の暴落以降は早々に100ドルほど戻し1,400ドルの大台を回復したこの金も、今月に入ってからは再度1,300ドル台へとまたまた先の安値圏に沈み往って来いの様相を呈している。

金市場から過剰流動性が退出する勢いが旺盛とされているが、この連休明けの米株式などDOWが4営業日ぶりに終値ベースで市場最高値を更新しているのに見るにこの辺は否めないところ。先月の暴落時では中長期的な運用資金がメインとされるETFからも資金流出が取り沙汰されていたが、結局は所謂浮動玉の部分が足の速い資金で包まれていたということだろうか。

目下、株の方はFRBの量的金融緩和早期縮小を睨んでの思惑でザラバ高下しているが、金融商品化しているコモディティーもこの金を始めこれら複合的に消化しながら今後のトレンドが作られてゆくといったところだろうか。


こちらもにも恩恵

本日の日経紙にも詳細が出ていたが、昨日は衆院議員資産公開があった。それによれば衆院全体の480人の約35%にあたる自民党を中心とした議員が上場株式を保有しているが、その時価総額は朝日紙の報道によれば約190億円にのぼった模様。

この時価総額だが、昨年12月の任期開始時から「アベノミクス」の恩恵を受けそれ以降の株価の上昇でその含みは約74億円ほどになっているという。しかし、上記タームの日経平均の上昇率は約50%、これをベンチマークにするなら彼等の保有株のパフォーマンスは約64%であるからなかなかといえようか。

まあその辺はともかくも保有株は売買するものではないという声の一方で、衆院一年生組の中には選挙資金捻出の為にやむなく売却した銘柄が3倍にも化けたりした例もありこの辺は悲哀交交。しかしセンセイ方の他にもけっこう上場企業の大株主に近い方のなかには有名どころも居て彼等もまたニンマリといったところか。


クラブ狩り激化?

さて、昨日は六本木で最後の砦とまでいわれていた大箱のクラブ「VANITY RESTAURANT TOKYO」が摘発され風営法違反でその経営者らが逮捕されたという、まさに夜遊び人にとってはショッキングなニュースが飛び込んできた。

今年の1月の当欄では「時勢と解釈」として、クラブのようなところの規制は風営法を持ち出され昨年あたりから西麻布や六本木界隈の名店摘発などに見られるように締め付け加速の旨を書いておいたが、全盛を誇ったあの「alife」やさらにその前にはTSK CCCにあった「Vanilla」等の名店が斯様に閉鎖を余儀なくされた事でこちらへ活路を求め流れる向きも多かったのだがそれもこんな事態になっている。

余談だがココが入っていたロアの最上階といえば、かつてのバブル世代ではたしかXENON系?だったか、リージェンシーなる店が入っていたのが懐かしい。当時はやはりスクエアビル勢が全盛でその陰に隠れた存在でひとつ表舞台には出てこなかったが、時を経ても当時のあの夜景はそのままな面影を残す大箱に変身した様が感慨深かったものだ。

報道されているところでは実態と乖離した届出が偽装工作との事であったが、既にかれこれ今からもう7年前くらいのあのヴェルファーレが閉店を決めた当時の当欄で、既にこの辺に関しては「〜風営法上の都合で今やもう第二号というよりは手軽に第五号というような企画系にカルチャーは流れているといった感はある〜」とコメントしていたあたりが脈々と継続されていたという感じなのかどうか、諸々な背景があるにせよ一つの文化を創ったスポットが次々にこうした事態になってゆくのは寂しい限りである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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