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変化する決済

さて、米株式を映して週明けも堅調持続の日経平均であったが信用残が拗れているものはやはり今ひとつ重い。ところで信用といえば週末の各紙には松井証券が10月からマル信において取引成立の翌日以降でないと同じ担保を使えない現状を改め、1日に何度も株を売買できるようにするサービスを始めると発表している。現物なら兎も角もマル信というところの目新しさが光る。

現行では約定確定しても実際に受け渡しまでのタイムラグがある為に、約定日の翌日以降でないと担保を新たな取引に使えない仕組みになっているが、大証のシステムを活用し約定と決済を同時完了する仕組みを構築したという。どういったカラクリか気になったが、店内発注を立会外のJ-NETの当日取引として取次ぐというものらしい。

同取引での注文は株価に全く影響を及ぼさないということで見せ玉等の相場操縦も利かないメリットもあるとの事だが、マル信は個人の株売買の約6割を占めるというだけに当初対象銘柄は主要50銘柄ながらどの程度の売買増効果があるか注目されるところ。

しかし、一昔前では街金などが挙って即金サービスや担保貸しなどやっていたものだが、こんな仕様も今では当たり前になってきたというのはやはり時代の流れを感じるもの。


ETN第一号

先週は円高やら乱高下著しい金相場やらが話題をさらったおかげでヒッソリと目立たなかったが、8/23には東証にETN第一号が初めて上場している。先に東証が株式と同様に売買できるようにDR(預託証券)にして上場するという手順で、ETN(上場投資証券)と呼ばれる新しい証券上場を4月をメドに解禁するとしていたがこれが実現した格好になる。

第一弾としては「商品指数連動型」と「VIX中期先物指数連動型」というまさに今が旬なモノを持ってきたなという感じだがこのETN、投資家にとってはETFと然程変りが無いようにも見えるが、現存するもので例えれば東証の「SPDRゴールド・シェア」と大証の「金価格連動型上場投資信託」の違いといったところか。

ETNはETFのように現物の裏付けとなる資産で運用しなくてもよい分、上記の金などと違ってリクイディティに問題があるコモディティーや指数などファンドの構成資産を現物拠出可能とする形に構成出来ない物も金融商品に出来るというワケだ。ただ一方で償還や買い取り等を保証する点が異なり、同時にリンク発行体のカウンターパーティーリスクを負うことになるわけで、当然発行する金融機関には格付けや自己資本比率など厳しい条件を付ける方針という。

これが軌道に乗れば投資家には投資の選択肢が可也面白い具合に広がってゆくが、1993年に誕生したETFの市場規模に対して2006年に誕生したETNのそれは未だ約1%。こうした折投資家サイドも今回の新規モノなど上記の通り最低限カウンターパーティーの信用力において資産を購入しているという認識くらいは持って臨みたいもの。


国力

「山高ければ谷深し」でここ金相場が暴落である。それにしてもこの金、8月に入ってから毎週毎週大台替りを果たし、今週も市場最高値の1,900ドルを突破するなど依然として破竹の勢いである。TOCOM等も大荒れだが、これだけ騒がれる相場もそうそう見られるものではない。

ところで金といえば最近目に留まったのは先の日経紙夕刊一面にあった「金輸出が最高水準」というタイトルだろうか。今や新興国中心とした需要や公的部門も中央銀行の手当てなど世界規模で買い増しの動きがあり、ベネズエラなど金準備を国内に引揚げる動きさえ見せている中で日本は「純輸出国」と今や特異な存在になっている。

ちなみにゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ社によれば、2006年から2010年まで5年連続で金地金の売却量が購入量を上回っているそうだ。連日に亘るマスコミ報道が金製品探しに人々を奔走させ、それを売却して思わぬ小遣いが手に入ったとその代金でショッピングに出掛ける様は、昨日記のように芸能ネタの盛り上がりで平和ボケ?している日本を表しているのかどうかだが、本質的なキャラなのか個人レベルでも内側からの思考を最優先させているからに他ならないからではないか?

高くなれば我先に手放しに動く個人、40年も金の輸入実績が無い日銀、日経紙には「金は歴史的に国力のある国に動くといわれる」とも書いてあったが、いろいろ勘案するに危機感を覚える。


気が支配

昨晩の米株式が300ドルを超える大幅続伸となったわりに、朝方から個別の気配からして怪しかった日経平均はムーディーズ・インベスターズ・サービスの日本国債格付け引き下げも心理的重しになってかやはり前場で失速、結局安値圏で反落して引けることとなった。

昨日の日経紙「まちかど」では収まらぬ弱気ムードとして株式市場の弱気が収まらない旨が書いてあったが、直近でも所謂アナリストとされる連中を対象にしたアンケートなども一瞥するに横並びの株価見通し引下げで一致している。所謂マスコミ指数なる言葉も一部あるように通常この手の活字が連日紙面を賑わせばその辺が転機というパターンが多いのだが、最近は金相場にしても順張りが利く相場になっている点が雰囲気の違いを感じる。

まあ冷静に見れば株式反発とはいえ、金相場も同時に史上初の1,900ドル超となりまたVIX関連など見ても堅調持続しているだけに自然といえば自然だが、ディフェンシブの超代表格東電があのような事態になりトリプルAを誇っていた米国債のデフォルト騒ぎ等あらゆるものに疑問符が付くようになった昨今は一時的に逃げ先が無くなってもこの手の受け皿が暫くは使い勝手がいいのだろうか。

しかしリビアなど世界情勢も変化を遂げつつあり、リセッションの波がヒタヒタと押し寄せようかというこんなパラダイムシフトの中でも、メディア関係といえば目新しい芸能ネタを押し出してくるあたりやはりこの国は平和なのかとつい錯覚してしまいそうになる。


出資証券事情

本日も日経紙の一面は「円高で海外シフト・4割」等と相変わらず為替関係の記事には連日事欠かない状況が続いている。直近でも先物買越残高が前週比で増加してきており、投機筋側もなお円買い余力があるといわれているが関係者には戦々恐々の状態だ。

財務大臣も金太郎飴のように「動向を注視しあらゆる手段を排除せず断固たる措置を取る」と繰り返すばかりだが、よく考えなくても動向を注視する仕事だけにわざわざ言葉に出すまでも無いだろうし、FRB議長講演を前にはたして落ちてくるナイフを掴めるのかそう考えるとあらゆる手段も万策尽きた感さえ漂う。

前回はこのナイフを掴んだ途端にFOMCがゼロ金利政策維持を打ち出し怪我をしてしまった経緯から、介入は出来ればFRB議長講演まで温存しておきたいところがみえみえだが、その間に市場に虐められないだろうか?日銀総裁も充分な金融緩和を実行したとは言ってみたものの相場を見ればそうだったのか一目瞭然、このまま小出しな金融緩和に終始すれば在任中の金利上げなどとても実現せずに終る可能性が濃厚だ。

ところで日銀といえば株式(出資証券)も低迷、本日も300円安の40,500円と先の年初来安値近辺まであり約10年ぶり近くの安値を付けている。この円高や米国債の格下げで外貨建資産の目減りが懸念されているほか、過日の日経紙「まちかど」ではリスク資産であるETFの買い入れが中央銀行の信用力低下に繋がりかねないとも書いてあったが、出資証券価格と共にその手腕が問われようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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