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節分

街中の商店などにはこのところ柊や豆などが店頭に並んでいるのを見るにつけ季を感じていたものだが、本日はご存知の通り「節分」である。元来、季節を分ける事から由来し立春、立夏、立秋、立冬の前日はいずれも節分なのであるが、やはり通常は立春の前日のみを指すのが普通か。

一般的によく見られる光景では年の数プラス一個の炒った豆(中には魔滅と書いてある処もあってなるほどと感心)を食べて無病息災を願うものだが、小さいうちはともかくいい加減年をとってくるとこの食べ方にも一苦労となかなか笑えない。

さて、相場関係では昔から「彼岸底」と共に「節分天井」なる格言があるが、米相場の頃なら兎も角、もう現代となってはマジメに株式のデータなんぞを拾ってみても殆どと言っていいほど相関性は無く、むしろいつも年初に書いているような十二支の年間展望の方が当たっているかのように見えてくるから面白い。

そういえば年初の相場予測では節分天井で11,000円以上を指摘する向きが一部大手証券始め幾つかあったが、理論的な根拠が無くても相場に携わる者としては自信のない相場観に色を添える意味合いも何処かにあって、使いたくなってしまうのもまた致し方ないところでもあるか。


機動性と主導権

本日は異業界の連中と話をしている折にレアメタルの話題が出たのだが、先月末の日経紙夕刊一面でも「レアメタル価格急伸」との見出しで、電子機器やエコカーの生産に欠かせないレアメタル国際価格が相次いで急伸している旨が載っていたのを思い出した。好調を維持する中国の家電消費に加えて、日本で自動車や家電の生産回復を受けて需要が上向いたのが主因との事。

そんな記事が出てから数日後には、同じ日経紙の一面に東証がこのレアメタルに投資するETF第一号の上場を年内にも目指す方針である旨の記事が載った。信託銀行が管理全般を出来るようになるという規則改正からこうした物も実現可能になったわけだが、このレアメタル、当欄でも何度か触れ昨年にはこれ絡みで脱税発覚などというのもあったなと思い出すが、注目度の高い旬モノだけにその機動性は評価出来る。

そういえば5年近く前だったか、NYMEXが時流に乗った商品の機動的な上場を行っている模様を書いた時、せいぜい同レベルな機動性を持ったモノは国内ではワラントくらいしか見当たらずこの辺が今後の課題云々とコメントした事があったが、漸くETF等の一般レベルなステージまでこうした機動的な行動の部分は本当に進化が感じられるようになって来た。

ただ原資産としてはこうしたコモディティーというところが目新しいわけだが、矢継ぎ早な機動性を見せているのは何れも証券系というところがまた考えさせられる部分でもある。


放置期間と大義名分

さて、FUTURES PRESSでも既報の通り、先月末には中部大阪商品取引所が、鶏卵・ゴム・アルミニウム・天然ゴム指数の先物市場を3月以降、順次廃止すると発表している。

この鶏卵といえば、昨年の夏だったか鶏卵市場の活性化を目的とした委員会を設置し初会合が開かれた折には、一日の出来高もゼロで取組が僅か2枚の商品は取引所研究報告書提言であるところの、「流動性が低下し発展が見込めない市場について、ニーズのある新規商品への集約を図る方向でその上場を廃止する」という部分に合致しないのか?と当欄では疑問を呈しておいたが果たしてかなという感じか。

いずれも出来高がピーク時からわずか数%にとどまり、「市場としての役目は終った」と今更ながら判断したらしいが、ともあれこれで残る上場商品はオイルと昨年に上場させた金のみとなる。

小出しにするよりまだマシともいえるが、吸収合併した大阪商品取引所時代の3市場もやっと廃止対象というところで、この辺は東穀取が吸収合併した横浜商品取引所の引継ぎ上場商品も大義名分で一定保有期間?を経た後に廃棄処分へというお約束の構図であるか。

さて、同所は08年に関西商品取引所と共に大証とMOUを締結しており、その具体的な協力の一環として新商品に関する共同研究を開始すると同時に発表しているが、これより先にMOUを交わしているTOCOMなどは既に上場している金と白金に連動型のETFを上場意向と発表しており、この辺は金先物などと同様に二番煎じにならぬ目新しいモノが望まれるところである。


「碍務員」?

さて、今月は常用漢字の見直しを進める文化審議会の漢字小委員会などの報道もあって追加を望む漢字等について、日経紙の春秋欄等でもしばしば記事を見掛ける機会が多かった。特に希望が多い中でも長いこと議論されてきた、「障碍」などと使えるような「碍」等は確かに導入が急務だとも思われる。

ところで、漢字絡みでは先に住友生命保険が毎年の世相を表す「創作四字熟語」20周年を記念し、各年を最も象徴する優秀作品を発表しているが、ちなみに昨年のは千円高速で渋滞した現象に絡んで「遠奔千走」。過去の作品で面白いものには93年の低金利時の「利息三文」や94年の「株式凍死」等があったが、昨今からすれば当時はまだ今より夫々マシであったとなかなか笑えない。

こんな四字熟語ではないが、金融系では昔からある不名誉な創作モノに「害務員」等というのがある。証券業界なんぞは「シキリ」が朝から普通にあった時期でもありこれが多用されたものだが、それでもまだ新発のオイシイCBやら、IPOモノ等のアンコが補填用に割当られていた部分もあり或る程度はアメとムチで蓋をして来れたが、こと商品先物業界には一般的にこうした玉を扱う機会も無かった訳だから、かつてはムチばかりでそのまま「害務員」がイメージとして定着してしまった経緯もあろうか。

まあ、一部には自己のハナ替えでこうした玉も無かったわけではないが公に出来る玉でもなく、こんな末端でも考えてみればプライマリービジネス然りアンコ玉然りでインフラの部分こそ遜色のない時代になったとはいえ、こうした営業では箍をはめられていたというのは否めないか。

そうした意味では現場サイドからいえば「碍務員」だったか?ともあれ選択肢多様化に伴って多少は箍が緩むのか、はたまた融合の名の下にオイシイ部分を持っていかれてしまうだけなのかが注目されるところ。


まだまだ「ざる法」多数

さて、週初の日経紙などをパラパラと捲って見ていたら月曜日の法務欄には、未公表の重要な企業情報を使って株式を売買するインサイダー取引の摘発が相次いでいる旨の記事が大きく出ていたが、摘発で最も多いのはTOB絡みで09年は21事案のうち10事案を占めた模様。

まあ「相場に絶対は無い」などといわれる中で、確実に上がるのはこのTOBで逆に確実に下がるのは破綻とも言えるが、昨今はTOBも急増し10年前の10倍になっているのに加えて破綻から上場廃止になる数も急増しているという背景もあって、素地としてはオイシイこの双方に触れる機会が急増した分だけ好環境?になっている訳だ。

そうそう、インサイダー取引といえば直近では年末にジャスダック上場株を巡って一億円以上もの利益をあげた外資系生保の外務員が居た。余談だが、同外務員の上席にあたる人物と先日会った際にこの話題で盛り上がったのだが、彼は会社でこそ仲間は少なかったものの、ネットワークを駆使した営業で頭角を現していったらしく、これを犯罪までフルに活用し切ったパターンか。

それはさておき、証券取引等監視委員会は起訴された4,500万円の事例とは別に開設した口座で儲けた一億円以上の利益に関しては、所謂「2次情報受領者」扱いになる為に規制対象外から告発を断念した旨がいわれている。フィルターを挟んで抜けるなんとも単純な構図だが、政治資金規正法然りまだまだザル法の課題は多いなと。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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