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過剰流動性復活?

昨日も触れた原油だが先物はまたも大幅続伸、これで6営業日連続で急伸と破竹の勢いとなっている。

石油製品中心に需要期入り云々取り沙汰されているが、材料云々よりは以前にも書いたように単なるコモディティーというより金融市場としての性格に強く変遷しつつあり、懸念される国債あたりからの逃避マネーがこうした実物資産へとシフトしてきているのは間違いのないところだろうか。

これらコモディティーが倍化しているとなれば足元でのこれら関連株の方も推して知るべしだが、連想される代表的な商社モノからエネルギー比率の高い三菱商事などは本日前場で年初来高値更新、対象コモディティーとはきれいにリンクしているがこれも含めてモノによっては一足先に底入れしており今回もその指標性を発揮していたといえる。

ところで上記の通り材料が辛うじて後から付いているとはいっても、依然として相対的に在庫は多くまた足元の需要はお世辞にも旺盛とは言えないままである。こうしたマネー率いるヘッジファンドも、数年前のような投資余力というわけにはいかないだろうなど考慮するにいずれ現実を見る相場もあるだろうが、その辺の見極めもまた各種指標がいろいろヒントを出してくれようか。


原油投信

週末の原油市況は5営業日続伸し昨年11/5以来の高値へと躍り出たが、さてこの旬な原油を使った投資の新しいところとしては先に大証のETFを挙げたが、週末の日経紙経済面には大和が原油先物に投資する初の国内投資信託の販売を開始する旨が載っていた。

同商品、WTIリンクのロング・ショート選択型となるが、その運用は投資信託委託会社の伊藤忠系ITCインベストメントによりアストマックスが投資顧問会社として採用された模様。同社はご存知ジャスダック上場企業で、これが好感されたのかどうか本日は序盤以降はストップ高まで買い進まれていた。

これまでAMCI(商品INDEX)運用などを手掛けその辺の実績が高く評価された結果としているが、やはり幹事関係、株主構成やら2年ほど前だったかの第三者割当増資然りで役員絡めた系図の方が機械的に先ず最初に思い浮かぶものだ。

そういえばここも一寸前にはあのグローバリーが握っていた時期もあり、他の消えていった上場企業も絡めて株主構成の変遷もいろいろチェックすると面白い時がある。


感染した相場

今週も引続き新型インフルエンザの情報が各所交錯していたが、この規模の話題ともなるとその関連モノの景色もつくづく相場というものを感じる。

いままで「無いもの強請り」というウイルス?が蔓延した際に無くなったモノには古くはトイレットペーパー、最近ではバナナや納豆等の食品から始まって昨年末にはドルやユーロ等の外貨までが姿を消した事があったが、さしずめ今はマスクがそれでネットオークションでは数倍から果ては10倍の値で落札があった等も聞こえてくるから呆れる。

むろんその形態から買おうとする向きが出て来る以上は法外だろうが値が付くのは相場の常だが、展開する側も出展店舗への品の無い表現での仕入れ推奨サポートメールが問題視されるような煽りも一役買っているか。

さて物品相場の他はどうだろう、今週の日経平均は200日移動平均線突破云々が取り沙汰されていたようだが、そんな動きの中で週初からどうにも冴えなかったのがインフルエンザ関連株。上記のマスク関連などこれら数年前から何度も使い回されてきたが、今は逆に巻き戻しの動きも一部には出てきている。

今後起こるや否や第二波は更に深刻等々の見方も出てきているが、三度目、四度目の各相場を迎えるにあたり今後どのように各々学習効果が発揮出来るのであろうか。


国際標準には遠い全体像

さて、他の決算ラッシュに埋もれて商品業界でも上場企業の決算が先に出揃っているが、果たして商品先物受託業務を行っている企業は軒並み赤字計上となっていた。

思えば株価も昔は未収の加味等もあって万年低PBRといわれていたものだが、今や別な要因でPBRも物差しで無くなってきているという意見もある。今回ざっと見ると各社共に市場規模縮小が進む中で収益寄与というか緩衝材の役目となっていた物にディーリングがあったが、今後も収益の多様化という課題の部分で各社試行錯誤が続くか。

ところで昨日の日経紙経済面には東証の取引参加者が減少し、売買高も細って東京市場の地盤沈下が懸念される旨が載っていたが、まさに商品取引所も同様の状況に置かれているのは直近に始まった事ではない。同じ会員数の減少で地盤沈下を謳っていても証券と商品ではその影響度も全く違う物となってくる。

世界標準を目指しそこそこ纏まった投資を足元ではしていたとしても、世界標準で起きている巨大取引所の再編という構図は今の縦割り行政も複雑に絡みまだ当該取引所にとっては他人事で、各取引所サイドと会員組織との間の温度差が縮むのは何時の事になるのだろうか。


楽観論と実態

本日の日経平均株価は米市場がメモリアルデー祝日で休場であった事などもあって手掛り材料難から小動きに終始したが、そんな中を直近で増資発表していたテイクアンドギブ・ニーズなどがストップ安まで叩かれていたのが目立っていた。

むろん新株発行によっての株主価値の希薄化、株式需給悪化が嫌気されたのは明らかであるが多くの企業はそんな目先?の事よりバランスシートの問題が重く圧し掛かり背に腹は変えられないといったところだろう。

先週末の日経紙には資金調達が最悪期を脱するとの旨が載り、日銀総裁も記者会見では「緊張感が後退している」ともしているが、一方でここからは決算が過ぎた後の格付け動向が気になるところ。昨年からの不動産業界を見るまでもなく格付けなど一寸の信用低下で市場からの資金調達の景色はガラリと変る。

資金調達が最悪期を脱したとした同紙にはまた三菱UFJの劣後債が個人マネーに人気で完売した様子も書いてあったが、こうした一部個人マネー回復期の恩恵を享受出来るのもこうした一部のみ。こうして起債出来る向きはいいが、一通り嵩上げしてきた株式相場同様にここからは格付け絡めて今後もこの雰囲気が維持されるかどうか注視しておこう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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