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取引員決算

昨日はオリエンタルランドの決算など一寸触れてみたりしたが、業界ではFUTURES PRESSでも既報の通り上場商品取引員7社の09年4-9月期決算も先週末に出揃っている。果たして全社が減収となり、うち5社で最終損益が赤字に転落か赤字幅が拡大という結果になっていた。

日経紙では自己資金による運用益は伸び悩み、FX事業も手数料の引き下げ競争が激化としているが、これらも委託から次のこうしたステージを経てつい最近がピークであったかのようなネット系証券の如く今後はそうしたものから別のステージに移行する構図となってゆくのだろうか。

同紙にはまた個人投資家を仲介し手数料を得る事業モデルからの転換も図っているが、成果は十分に挙がっていないとしているが、先週「双方に旨み?」で書いたようにプライマリービジネスの類一つ取っても証券とはその規模が雲泥の差なのは明らかで、こうした部分で限界があるのは否めないところ。

そうした事で上記のネット系証券よろしくパイの奪い合いから今後としてはJCCHの絡みからみてもシステム関連費用等の増加懸念もあり、互いに利害一致な向きの合従連衡も次のステージへ移行しないとも限らないが、或る意味それが出来るのはまだ前向きな方で水面下は不透明感漂う向きも依然多いのが現状か。


上海ディズニーは杞憂か

さて、昨日バリサファリなどに触れたが斯様にバリ島では次々に新しいテーマパークがオープンし楽しみの幅も広がってきているが、一方で日本のテーマパークの雄、オリエンタルランドが直近で発表した9月中間連結決算はアニバーサリーの反動もあって4期ぶりの減収減益となっていた。

ところでディズニーランドといえば、今度はいよいよ上海ディズニーランドが中国政府から正式認可されている。アジアでは日本、香港に次いで三箇所目となるわけだがアトラクションの少なさなどそのショボさが喧伝される香港ディズニーランドの関係者は戦々恐々、もう一つ、入堺許可やパスポートも不要ということで大半を中国国内からの観光客が占める構図では関係者の懸念も自然なところだろうか。

そう考えるとTDLも外国人入園者のうち中国人が占める割合が相当数なだけにちょっと気になるところだが、余談ながら同じ構図のマカオのカジノも中国の渡航規制強化で不透明感が強く、香港上場のマカオのカジノ関連株は軒並み調整を強いられているとか。そんなわけで盛り上がっている建設地周辺とは対照的にこれらは暗雲漂うが、ホスピタリティー面などで課題もあり、そうした観点からはTDLはまだ強みがあるか。

一方で経済的な視点からすればこれも内需拡大に大きく寄与して来よう、不動産や関連株のバブル化から始まって、空港もある意味ハブ空港としてクローズアップされてくるのは想像に難くない。この辺は逆にハブ空港が育つ環境にない日本としても重要な問題として捉えるべきではないかとも思うが。


ガムランの音色

さて、さすがに朝晩はもうそろそろコートの類が欲しくなる頃になってきたが、心地よい陽とその神秘的な自然が発するマイナスイオンが恋しくなり、先週から日本を脱出してちょっとバリ島に来ている。

このバリ、訪れるのは本当に久々で以前に滞在先だったホテルもまだリッツカールトンの冠を掲げていたが、あのブルガリが途轍もなく夕焼けが綺麗なウルワツ近辺にホテルを建てた事から水面下では両者がヤヤコシイ事態となって、今ではアヤナリゾートへと冠が変っていた。

まあ、その辺は兎も角として上記のブルガリホテルなどと共に前回無かったバリサファリ等の施設も積極的に視察。エントランスを過ぎると視界に飛び込んで来る巨大なガネーシャ像がなんともいい感じ、過去シンガポールではオランウータンと食事したり等あったが、此処では目の前に落ち着きのない虎を二匹並べて記念撮影。そういえば数年前に東欧の古城近辺で熊を立ち上がらせて(本当に大きい)一緒に写真を撮った事もあったが、一寸それに似た興奮を覚える。

もう一つ楽しみにしていたのが昔から好きなプンゴセカンスタイルの絵画、アジアと欧州でロケーションは違うもののこの花鳥風月テイスト満載な芸術はエミール・ガレやドームに通じるものがある。前回一目惚れして手に入れた大作がいまだリビングを飾っているが、今回メインで滞在しているのはウブドという事もあって、知人のギャラリー巡りではまたリビングを飾ってくれる絵が手に入った。

その他、スパなども大手プロデュースの新しいものが多数、斯様にいろいろとあるがやはりバリはバランス良く欲を満たしてくれるものが揃い過ぎである。


跡地に見られる優勝劣敗

さて、いつもの通り道である三越を通り掛かった時にはや巨大なクリスマスツリーが中央ホールを飾っていたが、今週はこの三越伊勢丹HDが09年4-9月期の連結決算を発表している。果たして中身はこの三越が苦戦し大手百貨店では唯一、上期に営業赤字に転落していた。

まあ此処もJALではないが高コスト体質なのは否めず、最近では池袋店も閉鎖させたがそういえばこの跡地には昨年の今頃既報の通りヤマダ電機が日本総本店と呼ぶ大店を直近オープンさせた。この出店で激戦区池袋が家電の聖地と化す、この店を見ずして家電は語れない等その名に恥じる事なくコピーも斯様に強気だが、ポイントなど地域ぐるみでカバーするなどその包囲網というか正に市場を席巻する姿勢は凌駕そのもので恐ろしさすら覚える。

さて三越はそうとしてもう一つの伊勢丹も来年は吉祥寺店を撤退させるが、この跡地にはあのH&Mが出店する方向で話が進んでいる。ヤマダ電機しかりH&Mしかりで、コレだけ見ても販売不振で苦しむ百貨店と勝ち組の動きはまさに対照的である。

しかし跡地でなくともこんな光景探せば都内でも幾つもある。当欄で昨年のクリスマス頃にはルイ・ヴィトンが世界最大級の店舗計画を撤回した旨について触れたが、例えば予定していたこの銀座の新築ビルにはGAPが入居する予定。このGAP、上記のH&Mなどファストファッション激戦区の原宿においても直近で旗艦店をオープンさせているが、勝ち組の競合から外れた者との格差はますます広がってゆく。


在り得ない事も在り得る

そういえば今月アタマの日経紙家計面では「FX=投機商品・意識に変化の芽」としてリスク管理の整備進む等と特集が組まれていたが、そんな折に直近で話題になったのがカウボーイも一寸触れている通りFX市場の「くりっく365」で起きた南アランド・円が僅か1分間そこそこで30%も暴落してしまった事件か。

某マーケットメ−カーがボラティリティーリスクを踏まえてワイドなスプレッドを提示(ということになっている)していたところにヒットしてしまったという一連の流れであったが、当初システム障害によるものではなく正常な取引を謳っていた取引所側の動向が注目されていた折、果たして希望する顧客対象に特別救済措置を取るまでに至り一見収まったかのようにも見えるが公設市場だけにいろいろと注目度も高くなる。

さて、バクレートと一言で安易に使われているがこうしたケースは個別株オプションからワラント、一般個人が瞬時に数億円の利益を弾き出して話題にもなったあのジェイコム事件や、商品先物からはTOCOMの石油製品でとんでもない値段が付いた事もあったりと過去いろいろなケースが幾つも浮かぶ。

在り得ない値段あり、在り得ない株数もありのケースでは古くは仕手株に絡んで受け渡しをキャッシュなどでというパターンがあったが、近年のジェイコムなどでも在り得ない株数の約定からこのケースとなり、そう考えるとこうした部分は当時からあまり克服出来ていない課題とつくづく。何れも多くが共通してシステム問題が論議されるのだが、ケースバイケースでそのマーケットの線引きというか裁量ほど難解なものはないとも感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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