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発想縦横無尽

所用で丸の内へ出掛けた折に最近オープンしたばかりの丸の内ブリックスクエア近辺を通ったが、一階にはあのクロードカンコーとコラボしたという「HANAHIRO CQ」があり斬新的なアレンジに暫し立ち止まる。

さて花モノといえば先週末に所用で横浜のクイーンズスクエアに行った際に、その芳香に誘き寄せられ偶然見かけたのがクイーンズカップなるフラワーデザインコンテストであった。こんなものがあるのは知らなかったが、なんでも所属団体、グループの垣根を越えて開催される神奈川最大のフラワーデザインコンテストだとか。

会場はアレンジメントやアート部門、ウェディングブーケ部門などに分けられていたがフリーものだけにこれがなかなか面白かった。最近話題の青い薔薇を木の板から咲かせているものあり、また主役の花と組み合わせる素材にしても毛糸球や羽毛など実に縦横無尽。

中でも個人的に気に入ったのは最近ブーム?な大人婚をイメージして作ったという、たしか「Luxury and Cute」とタイトルされた作品、蝶を配したデンファレを中心にして周りをブラックに近い孔雀の羽で囲んでありこれは実に印象的であった。当欄既報の通り、春先には「池坊展」に行ってきたが、それとはまったく違う個性を見る機会を得て発想の深さを認識した楽しい一時であった。


不況下でのドル箱

当欄でも一寸触れた事のあるレアメタルなるものだが、昨日大手紙で見かけた記事には輸入したこのレアメタルの販売益を脱税したとして、東京国税局が貿易会社社長を東京地検に告発していた件が載っていた。

脱税なんぞは世相を反映してそこから近年の旬なものが解ろうというものだが、風俗モノなどを除けばこれ以外で直近明らかになっている国税当局から申告漏れや所得隠しを指摘されていたのは、やはりというか当欄で以前から「ドル箱」と称していた消費者金融の過払い金請求の代理業務を行った弁護士や司法書士の面々。

恰好の案件なだけに積極的に電車内では一頃この手の広告だらけという時もあったが、最近ではこれまた世の状況を反映して「もうじき請求が難しくなることが予想されるので、今のうちに早く問い合わせを」等というプッシュ系のPRもある。物事過熱してくればインチキもまた増えてくるが、司法書士の中には弁護士領域の高額案件まで口巧みに圧縮して自分の案件にしてしまうなどどう見ても顧客寄りとは思えない輩も多くなっているとか。

さてその裏返しで産経紙によると今週に貸金業協会が纏めた業者の経営実態調査では、貸金業者の一割が廃業を予定し、事業継続に疑問を持つ業者も約二割に上ることが明らかになっている。何かこう法改正の度に日経紙商品面などでもこうした経営実態調査を見る事がありダブってしまう部分もあるが、以前から先物など次期候補として一部囁かれているだけに悪戯に不当案件が増えない事を願うばかりである。


追随と価値

昨日の日経紙視点面では、「価格競争、衣料品で突出」として1,000円切るジーンズがなぜ登場したかなど載っていた。確かに一部ネット証券の手数料引き下げ競争ではないが、今年に入ってからユニクロがこの1,000円を切るジーンズを打ち出してから、イオン、ダイエーが800円台を打ち出し、次に西友がそれ以下を、そして直近ではドン・キホーテが600円台を売り出し完売状態だとか。

衣料品でも日常性の高いカジュアルものだから別段値段が安かろうが特に違和感があるというものではないが、一方では人気の高いDIESELなど10万円程度の品もあるし、ドルガバの派手にクラッシュ加工させ彼方此方リペアだらけのジーンズなんぞは一本20万円近くするから、それこそこんな着潰しの一本といっても様々である。

まあこの辺はこんな不景気でもフェラーリなど今だ受注を多く抱え、過去最高の販売台数なのと一緒で其れなりの顧客層を抱えているから他人事だろうが、キツイのは今迄の定番クラスか。産経紙で見かけたがリーバイ・ストラウス・ジャパンは大きく売り上げが落ち込み、ジーンズメイトも黒字から赤字に下方修正、ボブソンがブランドを企業再生会社に譲渡するとか。

今迄当欄では様々な値下げ競争のシーンに触れてきたが今回はジーンズ、しかし先鞭をつけたユニクロ柳井氏の「追随企業は自分の首を絞める事になるのではないか。みんなが低価格に集中すると価値はなくなり、価値がないものは売れなくなる」との一言が実に印象的である。


バブル創造過程の体質転換?

さて、今週一番気になったニュースといえばFUTURES PRESSでも既報の通り、東証とTOCOMが二酸化炭素の排出量取引市場の設立を目指し、来年春にも共同出資会社を設立する方針を固めたという件か。

民主党のマニフェストも追い風になってこの排出量取引でアジアにおける中心市場の地位を確立したいとの意図だが、当欄でも夏に投信を例に「環境バブル」としたようにこれが政策なら、一連の流れというか順序からはこれは間違いなく避けて通れない道か。

当然バブル醸造の過程として先ず市場創設だが、そこはデリバティブの存在が不可欠なのはいうまでもない。そうした意味合いにおいて一応のリスペクトなのか、TOCOMさんも共同出資でという格好になったのだろうがさて何処まで握れるのか。

しかしこの取引、EUが先行しているが実態の無いものに如何ほど透明度を持って来れるかだが、逆にそれが無いものほどバブルには好都合か。日本ではカーボンオフセットなどというのがようやく聞き慣れてきたものの、こうした点踏まえて内輪で盛り上がっているうちに外から包囲網がしっかり出来上がっていた等というのもあり得ない話ではない。

その辺はともかくTOCOMに話は戻るが、政策的なバブル創造ならたとえお零れでも可也おいしいビジネスになるのは想像に難くないが上手くそれに与れるのか、ひょっとしたら一般商品脱却を視野に入れたトンデモない体質転換を秘めているのかもしれないが現段階ではちょっと飛躍し過ぎな発想か。


小物から大物まで

昨日は元社員がインサイダー取引を行った事に対する措置でガブドットコム証券に対して日本証券業協会が過怠金2,000万円を課す処分を発表していたが、他にも直近では当時から確信犯と喧伝されていたオリエンタル白石に関しても、うっかりメールから社員連中がインサイダーやり放題であった件も判明するなど彼方此方でこの手が挙げられている。

このオリエンタル白石などどう見ても怪しかったので覚えているが、約定分布累計など見ていると寄付からイケイケで売りに行った向きと、慎重に裏?を取ってから売りに行った向き等分かれていて面白い商いであったが、自社がつぶれてしまうのを前にせめてこれを利用して退職金代わりに小銭を稼ごうとする光景は昔のヤオハンや山一證券破綻の時も当然あった。

商品業界なんぞも破綻や行政処分ありでそういったネタにも事欠かないが、やはり絶対はないといわれる相場の世界で破綻モノは株価下落というのは概ね絶対なだけに逆日歩を除けばそのリスクのなさから誘惑に乗る向きは多いが、総じてメジャーな物ほどいまだ表面化しないなど意図的なものを感じるケースが多い。

ところでインサイダーといえば社員の小遣い稼ぎではなく、もっと規模の大きいものでは先週末に米ヘッジファンド大手のガリオン・グループ創設者他数名が米司法当局にインサイダー容疑で起訴されている。その不正利益とされるのも16兆円以上とサプライズな数字だが、スケールが大きいだけにその成り行きが注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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