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投資の障壁

さて11/29にも触れたように今や世界を席巻しているSWF(政府系投資ファンド)であるが、日本でも自民党が月初に設立総会を開くなど来年度中の国営ファンド設立を視野に入れる動きが出ている。

現在日本の外貨準備は世界二位となっているが、米国の貿易赤字等をい背景に新興国始めとしてドル資産に偏重したリスクを減らす為に運用多様化が進む動きの中を遅ればせながらそうした機運が出て来たものか。

ただ、縦横無尽な中東系オイルマネーなどとは毛色も違い、為替介入時の副産物?から続いてやはり米国債が絡んでいるだけにこの辺は国の事情もあって慎重論も出ている模様、昨日もサブプライム対策基金の融資要請等されていたようだが目的そのものである投資に集中できない複雑な事情を抱えてまだ紆余曲折か。


今年の漢字

本日は平成7年に日本漢字能力検定協会が制定した「漢字の日」であったわけだが、この日本漢字能力検定協会が全国から公募した今年の漢字は全体の18%を占めた(偽)が選ばれた模様。

先月初めの当欄でも「偽装ラッシュ」というタイトルでいまだに騒がれている吉兆始めとして幾つか触れた事があったが、食の存在は身近なだけに末端ともいえる一般に発覚した時のショックも大きいだろう。

大手各紙によればこの漢字が発表された清水寺では貫主が「こういう字が選ばれるのは、誠に恥ずかしく悲憤に堪えない。己の利のためには人をだましてもいい、という嘆かわしい社会だ。分を知り、神様が見ているのだと自分の心を律してほしい」と語ったそうだが、食以外でも政治関係やら来年3月までに問題を解決するといった年金の年度内解決が早々と撤回される等、偽り漬けの世の中に貫主の言葉が深く沁みる。


やり得?

本日は昼に元証券関係役員と会っていたのだが、金商法その他いろいろ話していた中でインサイダー系の課徴金制度の話題も出た。

一部にご存知の通り先週、金融審議会のワーキンググループは課徴金制度に対してその金額水準や対象範囲を拡充する事で合意、金融庁は同取引に対して現行の2倍超への引き上げを検討する模様とか。

関係者の間では前々から言われていた事だが、運悪く?見つかってしまった場合でも現行は利益が残るのがほとんどで所謂やり得状態が実際のところ、欧米ではその何十倍も取られるケースが大半で漸くこの辺にも見直しが入る事になるか。

ただ今迄のケースを見るに魔女狩り的なものか対照的に雑魚がほとんど、中間層では悪銭をつかんだ経緯があっても現在表舞台で普通に活躍している面々も多数で、まだまだ掏りぬけられる輩は続くとか。


未知なる株主

週末には各紙で生保二位の第一生命保険が、平成10年度をメドに会社の形態を現在の相互会社から株式会社に転換した上で証券取引所への株式上場を目指す方針である事を明らかにしていた。

当の第一生命はこれらの報道を「方針を決定したものではない」としているが、いずれにしても同社はベトナム生保の買収やこの報道と同じくして来春はインドへ進出等の決定しており、内外の事業拡大には財務面での競争力を付けなくてはならないのが課題という事で思惑充分である。

ところで生命保険各社の保険金不払に関する調査結果も明らかになっているが37社で964億円とか、上場すれば厳しい経営監視のもとでこの辺もキチンとディスクロされるのかどうかだが同時にTOBリスクも出てくる。

「仮に弊社が株式会社化を行った場合でも、お客さまとのご契約に基づく保障内容に変更はございません」としているが、ファンド系の対策やらいろいろとややこしそうでもある。


Paradigm

さて早いもので今月でもう今年も終るが師走入りと同時に世間は値上げラッシュの様相、食パンや菓子を始めとしてガソリン・灯油も月初からアップ、挙句に週初からは10年ぶりにタクシー運賃も上がった。

このタクシー、先に禁煙化も進んでおり愛煙家にとってはダブルパンチだが値上げは原油高と共に労働条件改善も理由のひとつになっていると聞くが、ただ当の運転手側は何も変らないよと諦め顔、規制緩和や需給調整とやらで振り回されているのは結局一般人か。

兎も角、最近でも書いた事があったが、来年もまだまだ続く値上げラッシュにデフレに浸かった日本人はパラダイムシフトが求められよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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