205ページ目

新興勢も模索

昨日の各紙報道では、2005年創業の私設電子取引所運営のBATSグローバル・マーケッツが同業の1998年設立のダイレクト・エッジと合併するとの件があった。これまでの米国株での市場シェアは両社共に約10%強なものの、合併の暁には20%強に高まり、長らく米国株で2位の座にあったナスダックを抜く見通しという。

そういえばナスダックといえば先の上海事件に続きちょうど1週間前には同市場の全上場銘柄が約3時間のも間取引停止に陥った一件があった。株価データを送るシステムの障害ということであったが、他の会員の誤発注も然りで近年の超高速化に伴い副産物?の不具合も増加という構図になっている。

これらの障害と付き合い大手どころも国益の壁こそあるもののしのぎを削りつつ統合模索の展開が近年続いているが未公開の新興勢も事情は同じ、最先端の取引システムや安い手数料で既存勢力を切り崩す構図も次第に鮮明になってきたといったところか。


ガラスの華

さて、昨日はワールドウォッチフェアについて触れたが、この催しのほんの少し前にはすぐ下のフロアで「ガラスの華 アールヌーヴォーからアールデコの世界 ガレ・ドーム・ラリック展」が開催されていた。今年のは三者が一堂に展観ということでこれも作品の確認に行ってきたがここ数年で出ていなかった珍しい品もありなかなか楽しめた。

このガレといえば思い出したのが日経紙の一番最後の頁にある文化面に先月これについて触れてあったことか。「ガレ作品下絵でたどる」と題した北澤美術主席学芸員の記事であったが、名門としのぎを削りコピー商品に悩まされながら次々と独創的な作品を世に送り出す様や、憶測が下絵の記述で改めて真実が明らかになった点等々興味深い文章であった。

アール・ヌーヴォーの一時期、活動していた期間はそう長くはなかったものの現代でもガラス器においては他の一流といわれるブランドとは今でもその扱われ方が違うこのブランド、昨日記のブランド構築の重要性があらためて感じられる。


ブランド構築の重要性

ちょうど今の時期は毎年恒例で大手百貨店ではワールドウォッチフェアを開催しているが、週末は例年通りというかちょっとこれを覗いてきた。ブースの入れ替わりはあるものの今年は雑誌でしか見たこともない新しいモデルも幾つか投入され昨年とはまた違う光景という感じであった。

今年のトークショーでは「何故今MEDE IN JAPANなのか」と題し、セイコーのなかなか見る機会の無い歴代モデル等も並べられたりしていたが、それを横目に当のブースの状況は欧州勢の集客とは対照的に国産勢の閑散が目立っていた。

この光景で思い出したのが、数週間前の日経紙社説か。「世界に羽ばたくブランドを増やそう」と題して冒頭に時計の話が出ていたが、同市場の金額シェアはこの足元の日本でも国産勢の23%に対してスイス勢は66%と、技術で勝る日本勢の影は薄くやはりスイス勢が圧倒的な地位を確立している旨が書いてあったが、この辺を如実に表す光景である。

この辺は時計に限ったものでもなく自動車あたりもそうした範疇に入るだろうが、技術力こそ他の追随を許さない素晴らしいものではあるが所謂世界ブランドの構築が日本勢の場合未だに課題でこの辺がなかなか確立出来ない。欧米勢がそれらどう構築していったのか、もう一度原点に帰って再考の余地があるのはいうまでもない。


システムの影響力

さて、お盆休みが終われば取引参加者も市場に復帰し商いも増えるだろうかという淡い期待に反し、概ね今週も株式市場は薄商いの日々が続いている。というワケで依然先物が主導する展開が続いているが、先週末の株式市場ではランチタイムの225先物が急速に下げ幅を縮小する場面があった。

これは上海総合指数が一時約6%の急騰となったことに反応したものであるが、報道されているようにこれは光大証券なる会員が引き起こした誤発注によるもの。当然売買再開後には同社はストップ安となっているが、つい最近にもジェイコム株誤発注事件で東京高裁の判決を不服とし最高裁に上告したみずほ証券を彷彿させるような出来事である。

しかし一会員の誤発注とはいえ時価総額がトップの企業群が軒並みストップ高まで値を付けてしまうあたりもまた凄い。もともと個人比率が日本の倍くらいある新興市場のようなマーケットとはいえこうした点含めてA株市場の特異な構造をあらためて感じる。

ともあれ報道では人為的な操作ミスは見当たらなかったとしているが、この事件後に同社は更に国債でも誤発注を起こしておりやはりシステム管理の問題が浮き彫りにされた格好。システムトラブルは何処でも起こり得る問題ながら今や一会員が国際市場をも動かす影響力がありこの辺は対岸の火事というわけにはいかないだろう。


何方付かず

昨日はコメ先物について触れたが、コモディティー絡みでは引続き本日の日経紙「迫真」にてCMEグループと東京商品取引所の話が載っていた。このシステム更新に関しては今月の上旬にもJPX絡めて触れた事があったが、これらを巡っての各所の思惑が交錯している模様である。

報道された単純な時系列で見ると、CMEの最高経営責任者と東商取社長とのトップ会談が為されたのちにJPXが具体的な仮条件金額の提案をしたような感触だが、国の方向性が掴みきれないだけに東商取側も思惑が交錯し未だ天秤が続いているような感触である。

斯様に未だに総合取引所構想をどう構築してゆくのか明確な枠が定まらないが、海外とてこの辺は同じで本邦の青写真が今ひとつ読めないというのが正直なところだろう。CMEとてアジア事業の強化を掲げているだけに本邦も天秤にかけている一方でマーケットのアジア含めた国際競争力への影響も考慮すべきだろうか。


再挑戦

本日の日経紙社説には原子力機構ともう一つ、「コメ先物は農家にも役立つ」としてコメ先物についても触れてあった。2011年8月に上場したこのコメ先物、ご存知政府は試験的な上場期間を2015年8月まであと2年延ばすことを先に正式発表している。

この商品だけ移管した大阪堂島商品取引所はもともと本上場を目指していたものの、ここでも指摘されているように取引が少なく試験期間の延長を申請するのがやっとというところであった。取引を増やすしなかいと同紙でも謳っているが、主力の金やエネルギーを除いてはどれも大商いとは言い難い状況で相対的に同商品をどう捉えるかというところか。

またその構図だが当初から一貫して反対姿勢の全中含めた関係各所の抵抗は今回も想像に難くないが思えばこのコメ先物、初回のボツから民主時代の産物で上場したようなものだったが、自民党返り咲きの今所謂外側からの政策も併せどういった行方になるのかこの辺もまた見守りたいところ。


8/19付でクイック入金サービス開始

岡地は、8月19日(月)午前8時30分よりクイック入金サービスを開始。対応金融機関は三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行の4行。

▼【オアシス】クイック入金開始のお知らせ
▼岡地 取引システム『OASIS』にてクイック入金サービス実装(フラクタルS)


「オアシス」ではお客様の利便性向上のため、8月19日(月)午前8時30分よりクイック入金サービスを
開始いたしました。

クイック入金は弊社提携金融機関でインターネットバンキング等の契約をされているお客様がご利用
いただけるサービスで、以下のような特徴があります。

●金融機関の営業時間外でも入金が即時に反映される(※)
●振込手数料が無料
※金融機関のメンテナンス等により一部ご利用いただけない時間があります。


クイック入金をご利用いただける金融機関は以下の通りです。

●三菱東京UFJ銀行 利用可能時間:24時間
●三井住友銀行 利用可能時間:月曜午前7時〜日曜午後9時
●ジャパンネット銀行 利用可能時間:24時間
●住信SBIネット銀行 利用可能時間:24時間

続きを読む

資本増強無き資金還流

本日の日経紙朝刊法務面では「第三者割当増資 6割減」と題して、上場企業の第三者割当増資が金融商品取引法を使って不公正ファイナンスの排除を強化した結果、2012年までの3年間で約6割減少した旨が載っていた。

ここでは初めて偽計容疑適用となったかつてジャスダックに上場していたペイントハウスが一例として取り上げてあったが、これ以降でもその典型で記憶に新しいやはり同市場にあったトランスデジタルやら、東証二部にあった旧ユニオン光学等含め新興市場中心にその手の事例は山ほどあった。

ちょうどこの時はこの手のビジネス?が一番盛んな時で、ドロップアウトした外務員等がにわかアレンジャーとなってまるでその辺のアナリストの如く足繁く次期(箱)候補の企業に訪問を繰り返していた光景が思い出される。

種明かしをすれば単純な錬金術なのだが、投資事業組合から新株発行スキーム、東証のTDnetまでフルに活用しさっさと仕上げてしまう様は怪しいファイナンスに慣れていない旧経営陣から嵌められた投資家まで格好の受け皿にされ真の被害者だったと察するが、上場企業でなくとも今は消えてしまった未上場の某取引員まで箱にされた事例があった。

冒頭の通りこの手が減少してきたのもこれまた時代の流れだろうが、錬金で抜かれた資金は明るみになっているより遥かに膨大と推測される。


肌感覚

さて、今週はTOCOMの金先物が概ね週明けから堅調推移となっている。エネルギー系など他も総じてしっかりとなっているが先週の中国7月貿易統計が予想を上回る等、経済指標が景気回復を示すものとの見方もあってサマーバケーションで参加者が限られ板の薄いところへ散発的に買いが入っている模様だ。

コモディティーといえばこのところ米国の量的緩和縮小観測でマネーが市場から流出しているとの観測が燻り、一人気を吐く原油を除いては金を中心にヘッジファンドもめっきりロングの手が鳴りを潜めていたものだが、株式等を横睨みしながらこの辺が織り込まれてきたか否か今暫らく方向感を確認といったところだろうか。

ところで、この金の低迷期でもあった4−6月の輸出量は財務省貿易統計によれば29.8トンとなり、1−3月のそれに比べて4割減ったという。輸出から輸入を差し引いた流出量も4−6月は前期比で6割減少し価格の下落で国内消費者の金購入意欲が強まったとの見方があるが、金購入意欲といえばちなみに中国では今年上半期の金の消費量が前年同期比53.7%増の706トンに拡大したことが明らかにされている。

上半期だけで昨年通年の消費量に匹敵しており、世界的に売りが優勢となった金の受け皿としてやはり存在感を示した感じだ。金市場に沸く中国を特集した日経CNBCの放映を見たのは確か3年前だったと思うが、中銀と共に個人レベルでも肌感覚で食指を動かしている行動形態は当時から些かの変化もないようだ。


連勝続くIPO

さて、本日の日経紙には「新規上場株の人気続く」として、上場時の初値が公開価格を上回る状態が昨年末に上場したミドリムシ培養のユーグレナ以降29社連続となり、今迄の最長であった2003年9月から2004年3月の6ヶ月間を抜いて約8ヶ月と過去最長を更新した旨が載っていた。

同じ年末からのIPO連勝を前回書いたのが4月末で、この時は18社連続であったから更なる快進撃を続けていることになるが、やはり人気投信などスタート時から目をつけるところもありこの辺もIPOインデックスを盛り上げスパイラルにIPOを後押ししている状態を創造しているともいえるか。

ところで直近では昨日に福証に上場したホテルチェーンのアメイズなど本日も大幅続伸となっていたが、同紙によればこれまでの上記29銘柄中19社が昨日大引比較で初値を下回っており、先月上場したネクステージ含む6社などは公開価格も下回っているという。直近はこの夏枯れでこうした動きも助長されているのは否めないが、投資家の本格復帰後の動きに期待というところか。


猛暑列島

連日茹だるような暑さが続いているが、昨日は高知県四万十市で国内の史上最高気温となる41.0度を観測したとの報が話題になっていた。しかし今年の場合はどれも記録ずくめで日経紙によれば11日には全国927観測地点のうち過去最多となる297地点が35度を超える猛暑日となり、東京都心の同日の最低気温は統計の残る過去138年間で最も高い30.4度であったという。

2つの高気圧が重なるように列島を広く覆っているのが原因だそうだが、都心などはヒートアイランドも相俟って思いついたような打ち水のイベントもまさに焼け石に水という様相。こうなってくると日本も熱帯地方に仲間入りする勢いだが、こんな傾向は下旬まで続く模様で熱中症やら諸々影響が出ている。

また、経済への影響も無視出来ないワケで、野菜や鶏卵など生産の一部滞りから入荷減もあって既に卸値も上がってきており先行しているガソリン高に続く勢い。エアコン関連は伸びるがアパレル等は秋物が懸念される等々あるが、リスクヘッジの為にはたして如何程の企業が天候デリバティブなどに取り組んでいるのだろうか一寸気になるところ。


東京湾大華火祭・2013

さて、先週末は第25回東京湾大華火祭が開催された。この日に併せて近隣ホテルのレストランなどで絶好の鑑賞スポットとなる特別席とメニューを用意しました云々の仰々しい誘いが届いていたが、このゲリラ豪雨が頻発しているおり先の隅田川花火大会もコレで中止になったのが頭を過り結局豪雨に見舞われても大丈夫なところからの鑑賞と今年も落ち着く。

昨年は花火大会の類は2年ぶりに復活するところが多く、そのテーマも追悼や復興といったものが殆どであったが、今年はやはりというかオリンピック誘致モノが目立ち発色の一段の工夫も見られてなかなか楽しめた。しかし東京湾の場合、約1時間ちょっとを6部構成で成しその其々が10タイトル以上もあるが、隅田川ではあげることの出来ない尺五寸玉など見せ場のタイトルには印が付けられておりこれで十分、1万2千発が夜空を飾る様は圧巻であった。

昨年もこの東京湾大華火祭の経済効果は約70億円規模と書いたことがあったが、開催費用の概算を考慮するにやはり費用対効果は大きく地域貢献性も可也高いというのは明白、アベノミクス効果も手伝って益々の活性化が期待されるところである。