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こちらも外人台頭

本日のTOCOMでは、NY市場の金急伸を受けて期先が約1ヶ月ぶりの高値まで買われた。目下のところNY市場ではファンドによる売り建玉が過去最高水準になっている旨の発表がCFTC(米商品先物取引委員会)からあったが、FOMC前のショートカバー期待も一部この上昇に加勢している模様だ。

低迷しているだけに反発の兆しが出るとざわつかれる金だが、供給不安に加えて景気回復期待で白金も強調展開を維持し金との差は約2年ぶりの大きさまで戻ってきている。初期に中途半端なところで裁定組んだ向きは更なる拡大やら鞘滑りで苦労させられたろうが、こういったところはやはり無限月モノが有利か。

ところで日経紙によると先月のTOOCMの外国人投資家売買比率は実に40.9%になり初の売買比率4割超えとか。先の4月の暴落時にはHF絡みのトレードによって短時間に大量の注文が殺到した経緯があったが、これらを駆使する外国勢の今後の台頭でまた場も違った構図になってゆくのかどうかこの辺も気になるところではある。


値段もうなぎ上り

さて本日はご存知のとおり土用の丑の日、今年は二回あるが先ず本日は一の丑で何処も老舗どころは朝から慌ただしさが感じられた。周知の通り近年稚魚の不良が深刻化し、今漁期のシラス池入れ量は前年の75%にとどまっているという。

ということでシラス・親共に価格はまさにウナギ上り、昨年実績は一昨年の2.5倍だったというがなんだかんだでここ10年では約10倍に跳ね上がっている。こんな原資産のデリバティブが個人向けにでもあったらさぞや面白いなとも思うのだが、兎も角そんな事情で一昨年と同じ価格の重なんぞ頼もうものなら肝心の鰻が可也残念な姿になってしまうのは火を見るより明らか。

とはいえ今年は春先にアベノミクス効果で兜町の鰻屋で特上が品薄になるなど話題を振り撒いたこともあった。うなぎのぼりという証券関係者の験担ぎなのだが、証券といえば実際機関投資家のなかには個人消費にどの程度増大余地があるかこのうなぎの売上をウォッチしている向きも居る。

ただそんな一方でコスト高から経営も限界に達し老舗の中にもこの丑の日を前にして暖簾を下ろす店が今年は多数、この近所でも注文してから鰻を捌いてくれる素晴らしく美味しい老舗があったのだが此処も今月店を閉めることになりこんな明暗を目の当たりにし寂しい限りである。


出来高の少ない4銘柄の新規取引を停止へ

ドットコモディティは、2013年7月31日(水)の日中立会終了後に、流動性が乏しく出来高が少ない「東京粗糖・東京軽油・中京ガソリン・中京灯油」の4銘柄について新規の取引を停止へ。尚、決済注文に関しては、2013年7月31日(水)日中立会終了後以降も発注は可能。

▼【国内先物】出来高の少ない銘柄の新規のお取引停止について


商品先物ネット取引徹底比較からランキングまで


大黄金展

さて、今週15日まで近所の三越本店で大黄金展が開催されており過日これを一寸見に行って来た。外商と一般に別れ、エントランスの金箔を貼った等身大のオグリキャップが人目を惹いていたが、やはり総額100億円、総重量1トンとやらの品々が一堂に会しているだけあってなかなか圧巻であった。

上記のオグリキャップも売り物であったが、その他装飾モノや仏具など幅広い品が売られているなかで売れ筋をスタッフに聞いたところやはりというか仏具が一番出ているとのことであった。この辺は当然ながら相続絡みというのも後押ししていようが、そんな話をしている間にも成約組が次々と別室へ通されていった。

ところでこの仏具、今回展示されていたものは多くの称号を持つ伝統工芸士の作品が並べられてあり、【おりん】などその作者によって音色がそれぞれ全く違ったものが奏でられるのが新鮮であった。そういえば、その大きさ毎にりん棒を変えながらそれぞれの作者の音色を丁寧に聴かせてくれた「SGC信州ゴールデンキャッスル」のスタッフの丁寧な対応が非常に印象的であった。

黄金の茶器で呑むお茶も金箔入りとまさに金尽しであったが、同じ日にはワールドウォッチフェアを前にして本館1階では「フランクミューラー展」も開催されており、中には億超えの札もありで金も時計も各々高額商品の販売が一層熱気を帯びている感満載であった。


脱経験則

先の日曜日付けの日経朝刊一面には、「脱デフレ 生みの苦しみ」として、15年にわたる日本の長期デフレに転機が来た旨が載っていた。それ以降も「物価考」として一面に連載されているが、確かに文中にもあったようにバブル崩壊後の世代はデフレが常態化していた経緯もあり昨今のスポット的な値上がりには釈然としない感もあろう。

当初は大規模な金融緩和にもかかわらず物価の上昇が顕著でなかったことでやはり我が国のデフレの根深さを憂う気運もあったが、例えば本日のキューピーの23年ぶりのジャム価格値上げに見られるようにアベノミクスの影響からここジワジワと忘れられていた物価高の足音が聞こえてきた感もある。

とはいえ賃金の同時上昇も満遍なくという構図でもなく、この辺は防衛の意味でもデフレからインフレ局面での株式有効性を利用しない手はない。物価目標達成の為に中央銀行が何処までその節度を逸脱?できるかが焦点となろうが、個々の投資においては上記過去15年の経験則にとらわれない行動が肝要だろうか。


東証大証統合

いつも通り株式のコードを叩けば本日は何処も彼処も主市場が東証表示となり先週までとは違った光景が展開しているが、周知の通り本日から東京証券取引所と大阪証券取引所が現物市場を統合し、東証の上場企業数は計3,423社とこれまでの世界7位から3位に浮上することになった。

一部懸念されたシステムトラブルもなく上記の通りこれで大証はその現物株取引の134年の歴史に幕を下ろすことになったが、近年経費削減で重複上場を廃止する企業が目立っていたのをみるにきれいな一本化となりこうした部分は朗報だろう。この辺は企業に限った事ではなくこのシステム統合で年約85億円の経費が削減出来る計算になるというが、これを売買システム進化に注ぎ取引所間競争を有利にしたい意向という。

一方で新興企業にとっては1部・2部へ昇格する為の条件など違うままであったり、またこの辺は上場廃止基準など取っても同様で、従前のマザーズとジャクダックではそのハードルにやや違いが出てくるということになるがこの辺は影響が出てくるのかどうか一寸未知数か。

しかし、北浜銘柄の中には優等生に交じって1部も2部も独特の抜群の仕手性を持った銘柄があり上げでも下げでも取らせてくれた思い出深いモノがいくつもあった。東証統合でそんな毒っぽさ?も抜けてしまうのかどうかだが、兎も角次のステップとしてはいよいよ来年のデリバティブ統合がありこれに向けて着々といったところだろう。


コミュニティー・パワー色々

今週はなんといっても連日の猛暑となっているが、この影響で東電始めとした8つの電力会社の管内電力需要は連日の最高更新となっている模様。ところで電力といえば発電ビジネス等に参入する「コミュニティー・パワー」に関する動きがこのところ彼方此方で散見される。

事業資金のうち何割かを、期間5年で目標利回りを1〜2%という市民ファンドで募集したところなどは応募が殺到したというが、そういえば4月には山形のクラゲで有名な水族館が「クラゲドリーム債」なるミニ公募債を募集したところ、募集開始からわずか20分で3億円分が完売となった旨の報道も思い出した。

ところで債券ついでの余談になるが、基金運用の為に為替相場に連動した仕組み債を購入した関西の某市は、その後の相場外れでリスク説明不十分とした訴訟を起こすほど評価損があったものの昨今のアベノミクス効果でこれが解消、訴訟も取り下げたというがこちらは何ともご都合主義な感は否めない。

それはともかく話は戻るが、地元企業や地元市民、自治体のそれぞれの思いが受け皿となるこうしたコミュニティー・パワーの台頭等が、結果として地方経済停滞を打破する切欠になるのならこの手の創造は非常に意義のあるものではないか。


アジア最多

本日の日経平均は、前場の100円以上高い場面から後場は一転200円近くまで下げる場面があって引けは小反落となっていたが、週明けなどは急反落で安値引け、昨日9日は急反発で一転しての高値引けなど依然として先物が市場を振り回している格好である。

こんな乱高下の展開が続き売買代金の減少もいわれているが、そんな中において指数連動型のETFの1〜6月の売買代金は約10兆円と前年同期比の4.3倍に上るなどこちらは売買が急増している。既にアジアでは最多になった旨の報道がされているが、この売買増加を牽引しているのがレバレッジ型やインバース型という点がなかなか面白い。

さてETFといえば既に欧米では桁違いな商いが築かれているが、米の量的金融緩和の縮小観測を背景にした個人投資家等の売却で先月は過去最大の120億ドル弱の資金がETFから流出したという。こちらはいわずもがなコモディティも株式同様に発達しており金など既に大きな影響力を持っているが、本日の日経紙の東証社長インタビューではETF上場を増やし海外機関投資家資金を取り込みたいとしている。

出ては消えとならぬようリクイディティ確保など課題はあろうが、NISAと絡めてのマーケティングも彼方此方言われだしておりコスト論より先ずは普及で今後の進展度合いを注視しておきたい。


補完から表舞台へ

本日の日経紙商品面には「東商取の先物商品 夜間取引が最高に」として先週末の夜間取引が16万1,245枚となり、2009年5月の夜間取引開始以来の最高になった旨の記事が載っていた。売買高は6月の1日平均の3.7倍に達したというが、取引時間中の5日夜に発表された米雇用統計を受けてFXと共に金などの取引も膨らんだ模様。

2年ほど前に、「〜ETNのように取引形態の多様化と併せ、金融取引のグローバル化はジワジワと個人レベルまで浸透しつつある現れか。ところで夜間取引といえば一足先に昨年からスタートしているTOCOMの夜間取引はどんな状況になっているのだろうか?」とコメントしたことがあったが環境変化と共に伸びたというところか。

さて夜間といえば株式等も「PTS取引」が活況である。先にも書いた通り今年の1〜3月の売買代金は7兆円を超えて四半期で過去最高を更新、もう一つ金融取引所の「くりっく株365」も数年前から夜間は活況と聞く。活況とはいえ銘柄によっては板の薄いモノなどはさすがにまだ値が飛んだりもするが、先にも書いたPTS取引の刻み値などはこちらが一歩国際標準化しており、これら含めもはやサブ市場等という一昔前のイメージではなくなっているのはいうまでもない。


環境改善

先週はサントリー食品上場があり、前回ではこの事にも触れたが本日の日経平均の中盤からの急変にもこんな新規モノは然程動じずに比較的しっかり推移であった。オイシックスなんぞもこの類に入るがこれらに見られるように新規上場銘柄が盛り返し、上場1年以内の銘柄の値動きを示すIPOインデックスが先週4日には約1ヶ月ぶりの水準まで上昇した旨が先週末の日経紙にも載っていた。

上記のサントリー食品迄で初値が公開価格を上回るのは実に25社連続であるが、なんといっても初値が公開価格の数倍化が続出するというパフォーマンスの貢献は大きい。今月モノだけ並べてみても11日のぺプチドリームが約3.16倍、13日の横田製作所は約2.36倍、26日のリプロセルに至っては約5.56倍と破竹の勢いである。

5月のあの13年ぶりの暴落以降も不安定な下落で個人投資家が傷んだ云々の記事をよく見かけるが、ある程度腕に覚えのある向きは殆ど傷んでいないのが実情と思う。たとえ暴落相場になっても腕力の大商いでほぼ確実に取らせてくれる仕手系は循環でコンスタントに出て来ているし、IPOのプラチナチケットは上記の通り益々輝きを見せているワケで、買い玉のヤラレ分など可也の部分がカバーできてしまう相場が今の環境ではないか。


いわば折衷案

さて今週のビッグイベントといえば昨日のサントリー食品の上場であっただろうか。注目の初値は公開価格3,100円を20円上回る3,120円と大人しいスタートとなり、本日もそこそこしっかりであったがいずれにせよ時価総額は1兆円に迫り、この規模は以前の大塚HDを彷彿させる今年最大の大型上場となった。

ところでサントリーといえば思い出すのが4年前のキリンとの経営統合案か。強モノ同士の経営統合で当時は大手4社体制が崩れコカ・コーラを抜く大手誕生かと騒がれたものだが、結局両者の思惑違いが重なり破談になってしまった経緯があった。メジャーを睨んでの大型統合話がマルになってしまったケースであったがあれから数年、非公開路線のイメージを破っての上場である。

とはいえ今回の上場は実によく考えたもので、本家のサントリーHDはやはりというか非上場のままこの上場後のサントリー食品の株式はなお約6割握り、同族ならではの自由度は確保という構図か。しかし先の株主総会でもコーポレートガバナンスの重要性が謳われていた折、この辺絡めた市場からの目というか新しい株主と今後どう付き合ってゆくのか暫し注目である。


89年の歴史に幕

所用で銀座に出掛けた際にちょうど前を通って気付いたのだが松坂屋が閉店していた。この松坂屋銀座店、周知の通り複合商業施設に建て替えを行う為に先月いっぱいで89年の歴史に一旦幕を下ろすことになった訳だが、閉店セール期間の4-6月売上高は昨年度売上高の8割を稼ぎ出す盛況ぶりだった模様だ。

銀座という好立地に加えて世間はアベノミクス効果で消費が刺激されている折、タイミングが良かったというのもあるが、日経MJではその企画力を謳う記事もいつだったか目にしたことがある。それは兎も角も今後近隣の大手は、此処に入っていたブランド誘致に乗り出すなど顧客の取り込みに躍起になるのは想像に難くないか。

三年ほど前には、「フォーエバーー21、そしてうふふガールズ、はてはラオックスまで導入するなどルビコン川を渡ってしまった」とこの百貨店を書いたことがあったが、一先ずこういった感じになった。しかし人気があったキッチンスギモトなんぞはどうなるのだろう?この近所では京橋方面に歩くこと数分、あのホテル西洋銀座が閉館後のガランとした佇まいを見せているが、また一つこの界隈にガランとした風景が現れることになる。