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逆さ合併なるか

週明けの本日の日経紙一面を飾っていたのが、「東証・大証 来秋合併」というタイトル。予てよりかれこれ一年近く水面下で模索され折りに触れ当欄でも取り上げてきたが、報じられているところによると上限付のTOBで大証株の過半数を取得、合併新会社を持ち株会社と4子会社に再編という形で合併比率の詰めなどを急いでいる模様だ。

これら報道を受けた当の大証は本日買い気配から反発となっていたが、さすがにこの手の話も数を重ねるごとに当初ほどの関連株反応も鈍くなっている感じがするが、任天堂など大証がマザーのものも再度材料を蒸し返す動きで反発となっていた。

この件を前回8月に触れた際に、株式交換、TOB案、上限付TOB案の三案を挙げたが最終的には一番複雑な最後の案に落ち着いたか。今回は国策が掛かる特殊例とはいえ取引所がこの手の逆さ合併を敢行したことではたして今後一般が似たようなケースを持ってきた場合承認が緩くなるのだろうか?裏上場が緩くなるとまた如何わしいことを考える輩が出てきそうだが先ずは完結が先というところか。

ところで日経紙といえば、あの日立・三菱重工の経営統合と先走ったリーク以来「羹に懲りて膾を吹く」の如くなりを潜めていたが裏が取れたのか久し振りのリークを打ち出してきた。これでまたも前回のようになったらそれこそ萎縮してしまいそうだが、この先には懸案の商品取引所との統合案も控え国内再編は焦眉の急とされているだけに上手く纏まって欲しいところだ。


リーマン型

昨晩の米株式は300ドル近くの急反落となったが、その一因ともなったのが米商品ブローカー大手「MFグローバル」の破綻か。これについては既に先週あたりから身売り話が出て株価も暴落、そろそろカウントダウンとの噂がまん延していたのだが、正式にニューヨーク連邦破産裁判所に米連邦破産法11条を申請、自己資本を大きく上回る身の丈以上の欧州系国債大量保有がトリガーになった模様だ。

さてこの米連邦破産法、日本でいうところの民事再生法というところになるが、今回は「リーマン・ブラザーズ」が破綻したときと同様のケースで、申請後に入札をかけて他へ譲渡というパターンか。ただこの辺はインタラクティブ・ブローカーズの名が挙がっていたものの現時点では不透明。リーマン・ブザラーズ型といえばこのブローカー、その資産規模こそリーマンには敵わないが、それにしてもあの不正会計の「エンロン」や自動車大手「クライスラー」の間くらいに位置し立派?な大型破綻にランクされる。

同社破綻の報で世界各国の関連金融機関はその対応に追われているが、身近なところでは「MF Global FXA証券」が急遽営業休止、建玉の速やかな決済をお願いしているが委託者サイドも今回のように噂になり騒がれていた時間がある程度あった場合など防衛策を早めに取れる行動力は是非身に付けておきたいところ。

一連の欧州危機を引き金としての米金融大手破綻例としては今回のケースが始めてになると思うが、今回は特殊な例としても引続き二番手が出てしまうのかどうかこの辺には注意しておきたいところ。


ハロウィーンに戦後最高値更新

さて、ハロウィーンの本日は周知の通り円相場が早朝のオセアニア外国為替市場で一時1ドル75.32円まで急伸し、戦後最高値を更新した。直近の円高に対してオオカミ少年のように「断固たる措置を取る」と繰り返し判で押したように発言してきた財務相だが、この動きを受けて政府・日銀は8/4以来、約3ヶ月ぶりに単独介入に踏み切った模様。

肝心の円相場はこれを受けて前場半ばに急反落、一時1ドル79円台半ばまで3円以上急落となったが、直近ではこの時を待って鞘を抜こうとドル買いが溜まり「くりっく365」など買越残高が月初の1.5倍まで膨らんでいただけに、今回は絵に描いたような久し振りの美味しいタダ貰いになった計算か。

しかし1〜2日にはFOMC、そして3〜4日にはG20首脳会議と重要日程を間近に控えよく思い切ったものだと思ったりもしたが、これで大量のFXドルロングが手仕舞いに出され、FOMCでは「伝家の宝刀」QE3でも打ち出されたらと思うと折角の介入効果が心配になってくるが、まあこれだけ株価が持ち直している状況下でQE3ナシと見て踏み切ったか。

25日付けの当欄では「協調のハードル」として「〜政府はどう出るかこの辺が引続き注目されよう〜」と末尾に書いたが曲がりなりにも一先ず本気度合いを見せた格好になったものの、口先介入の玉が尽き戦力の逐次投入へ移行した感は当然拭えない。まあタイミング的には上記の通りサプライズで辛うじてこれを書いている時点で3円ほど円安になっているが、日経平均は見事に打ち上げ花火の如くの上ヒゲ陰線で再度9,000円の大台割れの安値引け。当の日銀のデフレ選考構図も続き、今後も予断を許さない状況に変りは無いか。


日本のコーポレートガバナンス問題

今週も株式市場は薄商いが続いているが、それだけに東電とオリンパスの商いがこのところ突出して目立つ。さて、これら何れも問題企業ながらやはり今が旬?なのはオリンパスか。本日は苦し紛れにとりあえず?の新社長が経緯会見を開いていたが、当初からどう見ても一連の買収劇は黒く映る。

大体においてM&AにおけるFAへの報酬として通常の30倍以上もの報酬とか、そもそも報酬で優先株の発行なんぞは聞いた事が無いし、国内3社の買収にしても売上高の数十倍の金額を買収に費やし翌年には減損処理など、漫画に出てくるような粉飾隠蔽紛いの処理は正気の沙汰ではないのは明白だろう。

何れ真相が明らかにされようが、蛇足ながら今回の件で急に思い出したのが上司の非合法行為を内部告発した同社社員を産業医診断を使い葬ろうとして問題になった件。今回の件と併せ内部告発者を暗に葬ろうとする体質と勘繰りたくもなる。それにしても元社長の解任からわずか2週間以内に社長が2度も交代する異例の展開。この辺は今週閉幕した第13回日経フォーラム「世界経営者会議」にて当初登壇予定だった疑惑の社長が欠席した段階である程度予感がしたが、それにしても異常事態である。

外人株主など一連の出来事が奇異に映っただろうが、奇異に映るのは何も企業に限った事でなく総理大臣が面白いようにころころ代わる国そのものもまた然りか。そんな国の企業統治問題が改めて露呈してしまったような気がする。



社会保障考

さて、今週あたまの日経紙一面には厚生労働省が会社員の加入する厚生年金保険料の算定基準を見直し、対象となる月収上限を引き上げる方向で検討に入った旨が載っていた。また直近では、年金財政が逼迫しその年金の支給開始年齢が最大で70歳に引き上げられるという話が出ていたが一昔前の段階的引き上げの話は早くも反故か。

しかしこんな報道が為されると真っ先に試算したくなるのが払い損になるか否かの分岐点で、マトモに通れば中年世代がその辺に位置するが、こんなもので世代間格差が広がるのは当然いい訳がなく、上記の厚生年金月収上限引上げ然りこんな最近の報道を見ていると正直またかといった感じは否めない。

増税にしても先ずは官の無駄の削減こそ前提だろう。そもそも高給取り議員が多過ぎこの給料削減に議員定数の削減、一部公務員も給料共々削減が先だろうと思うのは私だけではない筈。いっそのこと保険も年金も全て一本化との声も出てきそうだが、月収上限引上げひとつ取っても負担増を迫られる高所得者層や企業からの強い反発は必至で、こうした層の部分でも空洞化?が進むと国力の問題にも絡んでくる点も政府はそろそろ気付くべきであろう。


協調のハードル

本日の外国為替市場では、米国が追加金融緩和に踏み切るとの観測が広がった結果円相場が続伸し、東京市場として9/21につけた最高値である76.11円を更新となった。この円相場、先に週末のNY市場で1ドル=75.78円に上昇し市場最高値を更新しているが、マクロファンドのショート説やら仕組み債ノックイン説やらが目下飛び交っている。

しかし要は日銀が円安政策を導入しないことに投資家も業を煮やしてしることだけは間違いなく、昨日は財務相が円売り介入の準備を財務省に支持したことが明らかにされていたがこれも何処と無く虚しい。実際に介入となれば今年8月以来の事であるが、周知の通り先にスイス国立銀がスイスフランの上限目標を掲げ目標達成に向け必要に応じて無制限介入を実施する方針に倣うとの観測も一部出ている模様だ。

しかしどうだろう、そもそもフランと円では世界の通貨売買に占めるシェアが違い過ぎ、これだけ取引量自体が違う中ではたして同様の効果が得られるとは考え難い。結局多額の介入で腕力介入となるも、景気減速に歯止めがかからない米に火消しに躍起になっている欧州等との協調はハードルが高く聳え、その効果にも疑問符が付く中で政府はどう出るかこの辺が引続き注目されよう。


11月実施商品先物ネット取引データアンケート調査について

毎年商品先物ネット取引を取り扱う商品先物取引会社を対象に実施している「商品先物ネット取引データアンケート調査」、12回目となる本年2011年度は10月末時点のデータを対象とし、11月8日(火)〜11月18日(金)の約2週間で実施いたします。

▼2011年度 商品先物ネット取引データアンケート調査概要

11月8日(火)午前中に10月時点で商品先物ネット取引を行っている取引員【13
社】に対してアンケートのメールをお送りし、集計後12月上旬に全データを公開予定です。

尚、アンケート項目などは以下の通り。


【取引データアンケート調査内容(主要項目)】

1. オンライン取引 口座数:口座(2011年10月末現在)
※10月末時点でのオンライン取引総口座数(証拠金の預託されている口座数、否累計口座数)。
2. オンライン取引 実働口座数:口座(2011年10月末時点)
※上記総口座数のうち10月末時点で建玉のある口座数
3. オンライン取引部門 預かり証拠金総額:円(2011年10月末時点)
※10月末時点でのオンライン取引部署預り証拠金総額。
4. オンライン取引部門 月間売買高:枚(2011年10月度)
※10月度のオンライン取引による月間トータルの売買高
5. 一日あたり平均注文件数:件(2011年10月度)
※10月度取消し・不成立なども含む一日当たりの平均オーダー件数
6. 一日あたり平均約定件数:件(2011年10月度)
※10月度一日当たりの平均約定件数(取消し・不成立などは除く)
7. 自社オンライン取引サービス内容の確認・修正など
※自社サービス内容について記入、及び追加・修正ください。

当アンケート後に各項目評価ポイント、及び一目瞭然コーナーを修正・更新いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。


11/30で取引低迷3銘柄の取扱いを休止へ

フジフューチャーズは、長期間にわたり取引が低迷している状況を鑑み「Non-GMO大豆」・「ロブスタコーヒー」・「日経・東工取商品指数(限日)」の3銘柄の2011年12月1日(計算区域)夜間立会分(11月30日17:00〜)より新規建玉の注文を休止へ(取扱休止)。

▼「Non-GMO大豆」・「ロブスタコーヒー」・「日経・東工取商品指数(限日)」取扱休止のお知らせ


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投機マネーの居場所

本日は一寸書店に向かう際に、近所のビルに入っていた某ヘッジファンド会社の看板が消えていることに気付いた。はて移転したのかはたまた?とあれこれ想像していてフト頭に浮かんだのが、週末の日経紙にて「ヘッジファンド1.6兆円流出」として世界の投資マネーがヘッジファンドから資金を引揚げ始めている旨が載っていた件。

ユーリカヘッジによれば9月の資金流出額は210億ドルと前月の6億ドルから急拡大し、約2年半ぶりの大きさになったとしているが、夏以降の相場モノが急激に悪化した影響が大きかった模様だ。この辺は直近でもサブプライム問題に絡んだショートで一躍有名になり、まさに飛ぶ鳥を落す勢いであったジョン・ポールソン氏のヘッジファンドが50%近いマイナスを出しており、その顧客流出に絡んだ思惑が一寸した話題になっていたのは周知の通り。

先週も書いてきたが、国内でも週間を通じて東証一部売買代金が9,000億円にも満たない超薄商いで十分なリクイディティが提供されていた時期がもはや懐かしい。これでは動きようもないが、株の方もファンドの名前が挙がっても株価が反応するのはほとんど一日天下、バリュー系でじっと抱いている向きはあるもののアクティブ系は近年目立った姿を見ていない。

ところでちょうど1年前に当欄では「買収ファンドも順次撤退」として、日本で活躍する外資系企業買収ファンドの撤退が目立つ旨を書いたが、お国事情で弾かれその後も市況環境悪化とこの1年で投機マネーの居場所がますます狭くなった感がある。ここへ来てあのジョージ・ソロス氏やカール・アイカーン氏も顧客資産を返還し表立った活動から隠退?表明をしているが、両者「何が起きるか分からない」としている通り民主化デモ一つ取っても既に激動期、まさにブラックスワン時代である。


11月アンケートに併せネット取引評価ポイントテーブルを改定

11月実施ネット取引データアンケートと同時に各社サービス内容アンケートも行いますが、それに併せて「評価ポイントテーブル」を改定し、一部のポイント配分を変更、トータル188ポイント(前回と変わらず)にてアンケート後に再集計しランキングを行います。



今回の項目・ポイント改定では

1.取扱銘柄>取扱銘柄数
2.独自サービス>独自サービス・オリジナリティ

においてポイント配分を変更しました。詳細につきましては以下項目・ポイントテーブルにてご確認下さい(変更箇所は赤文字で表示)。

▼商品先物ネット取引/一目瞭然:評価ポイントテーブル(10/24改定)

当アンケート後に各項目評価ポイント、及び一目瞭然コーナーを修正・更新いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。


大手にも波

さて、今週は週明けの日経紙一面に「証券大手、人員を削減」として大手証券各社で人員削減の動きが広がっている旨が載っていた。直近では三菱UFJモルガン・スタンレー証券が全社員の約2割の希望退職者を募集するがこれは今年2度目、また野村證券やみずほ証券も数百人規模の人員削減に踏み切り、大和証券も今年4月以降およそ550人の社員を主に営業部門へ配置転換という動きが見られる。

先に東証が超高速システムを導入してからというものその後は中小のディーラーがお手上げで飽和状態から職探しが横行したが、プライマリーまでもが環境悪化してきている昨今はこんな波が大手にも押し寄せ、一寸前なら営業職など投信販売で使い道がある銀行やまた保険関係など引き合いがあったがこれも既に買い手市場になっている。

しかし配置転換と粛々と片付けてはいるが、現場から離れていた次長クラスが無機質な部屋で研修という風景はなんとも荒涼感漂う。取引で例えれば、相場に見切り千両で他へ飛び出すことが出来る向きはまだいいとして、最後まで残る向きはさながら維持率割れで強制決済されるのを待っているパターンも多い。

火曜日にもコメントしたような本日まで売買代金は4日連続で9,000億円割れというこんな薄商いの環境下では個人向けもキツイが、上記の通り大手の旨みで優位にあったプライマリーなど主力のビジネスも環境悪化が表面化して来ており、その上に大手はリーマンショック後にファイナンスで高い株券と引き換えに投資家からガッツリと掻き集めた資金も枯渇しつつあるのが現状。

まあ人員削減は国内に限った事でもなく、海外でも大手中心にこの嵐が吹き荒れゴールドマンなど今年のボーナスは最低でも20%のカットということだが、相場産業ゆえに山高ければ谷深しというところか。