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目指すメジャー

本日の日経紙企業面には、住友金属鉱山が2013年までにニッケル原料の生産能力を09年比で2倍の年7万2千トンに引き上げるなどその生産能力を倍増させる旨が載っていた。

ニッケルもレアメタルの一種だが年末年始の株式市場では、先にLME銅先物が度重なる史上最高値を更新している中でゴールドマン・サックスの出した非鉄や総合商社株にとってポジティブと書かれたレポート等にも刺激され、チタン関連株を始めとしてどれもこれもこの関連が物色され幅広く値を飛ばすものが目立った。

斯様に株価もこうした鉱物資源関連は引っ張りだこだが、今年もこれらの供給不安継続が必至な情勢の中で、昨年春先にも書いたように一部の大手資源メジャーはその価格交渉力において絶大な力を持っているのは周知の通り。そこで非鉄系でも上記の住友鉱など海外鉱山の株式保有比率の引き上げを図り、経営の積極化から非鉄メジャー入りを目指す動きになってくるといわれている。

こうした資源系の動きといえば、一昨年には国内石油元売り最大手の新日本石油と新日鉱HDの経営統合があったのを思い出す。この業界も下流問題からはては国際競争力激化を鑑み上流問題まで睨んでの将来のメジャーを目指す観点からの動きであったが、鉱山などは当然限りがあり何れ閉坑を迎えるときが来る訳でこうした流れも不可欠だろう。今後大手もこうした動きが顕著になり和製メジャーが幾つか出て来る流れになるか。


安定株主構造

さて睦月も終りに差し掛かったところでS&Pが8年9ヶ月ぶりに日本国債の格下げを発表したのも束の間、今度はエジプトで長期独裁政権の退陣を求めるデモが勃発するなどまたも忘れた頃の地政学リスクが再燃、各国の株価下落などの広がりでマーケットには立て続けに厳しい洗礼となった。

ところで上記の国債だが、よく何処其処の国と日本は同格なのかとか或いは格下とかこうした格付け時にはよくそういった話題が出るが、考えるに実質中身ではもっと脆いところもありで見方は十人十色だろう。蓄えという体力が残っている部分でこうした意見が分かれるところだろうが、この部分は良いようにもとれるし逆に怖い部分でもある。

またその特異な構造からあまり影響は無いだろうとのコンセンサスであったが、やはり発表直後のナイトでは20ポイント前後小甘い水準になった程度であった。この辺は一頃の一部企業じゃないが9割以上が国内で持ち合っている構造で、意図的に崩そうとしてもこれ単独で狙うのは構造上無理がある。

但しこの部分をトリガーにして、枝葉の部分で取ろうとの仕掛けの布石というか調査の色彩が濃い場合はやはり先は注意しておいたほうがよいか。ジム・ロジャーズ氏も昨日都内のホテルで開催された講演会で「このままでは5年、10年後に日本株に投資しているかは疑わしい」と述べているように、今はあれこれストラテジーなど考えているうちはいいものの、この問題も「疎い」のかどうなのか遅々として進展しない政府に本質的な部分を問いかけているような気もする。


2/28よりSPAN証拠金制度を導入

フジフューチャーズは2011年2月28日(月)より、スパン型証拠金制度を導入。

▼スパン型証拠金制度導入のお知らせ=フジフューチャーズ

尚、一目瞭然での各社証拠金制度&不足金対処などについては近日中に更新をかけますので、今しばらくお待ち下さい。(メニュー項目は「証拠金・不足対処」として独立させ、個別企業ページでもコスト関連の下に項目を追加予定です)


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1/22よりコモディティ取引総合申込サービス開始

ドットコモディティは、2011年1月22日より「国内商品先物取引」・「CFD取引」・「海外商品先物取引」の3サービスを同時に申込みできる総合申込サービスをインターネット上で開始。

▼ドットコモ:日本初のコモディティ取引 総合申込サービス開始のお知らせ


<ドットコモディティが提供するコモディティ取引>
・国内商品先物取引(金、白金、ガソリン、ゴム、とうもろこし、大豆、コーヒーなど21銘柄)
・CFD取引(NY金、WTI原油、ブレント原油、NY綿花、NY砂糖、CO2排出権など32銘柄)
・海外商品先物取引(NY金、NY銀、WTI原油、シカゴとうもろこし、シカゴ小麦など17銘柄)

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2008年との相違点

さて、今週よく見かけたのは身近な品の原材料高騰の報か。コーヒー最大手のUCCホールディングスが3/10からの値上げを発表したが、既に年末からキーコーヒーやAGFは実質値上げを決めており業界最大手の同社の動向が注目されていた折果たしての値上げ、背景には新興国の需要拡大等でコーヒー豆国際相場は13年ぶりの高値にありコスト圧縮も限界にきているという。

この他にも1/26付け日経紙などは、カカオ豆の有力生産国が禁輸措置を取った為に、ロンドンのカカオ豆先物はおよそ30年ぶりの高値水準近くに達していると報じたほか、上記のコーヒーの件や食用油が軒並み上昇している件、その隣にはNY綿花が最高値更新とも載っていた。

よく値頃など前回の2008年商品バブルと比較されるが、前回の過剰流動性相場一辺倒と違って今回はこれに天候不順や新興国の需要増による逼迫が加わっており、構造的問題になりつつあるのは厄介だ。FAO(国連食糧農業機関)算出の主要食糧価格指数は既に年末に過去最高を更新、そういえば同機関の事務局長が「食料価格高騰が数年にわたり続いたら各国で政情不安を招くことになる」と警鐘を鳴らしているのが1/25付け日経紙一面にも載っていた。

この辺は最近のチュニジア等で既に見られ始めているが、我が国とて目下のところの円高で輸入価格抑制が利くのもあと僅かだろう。デフレの後遺症で製品価格への転嫁は困難を極める一方、各業界での値上げ交渉も難航から進んでいない中で今後も企業や末端の試練は想像に難くない。


小口化促進?

本日は街中を歩いていてふと思ったのだが、昨年から金や関連宝飾の買い取りしますという看板がやたらと目に付くようになっている。近年の金高騰で商機とみたのだろうが、それにしてもこんな事業していたか?というようなところまでこうした旨を謳っている。

買い取りといえば老舗の田中貴金属工業、貴金属ジュエリーリサイクルシステム「RE:TANAKA」の一年間の買い取り実績によれば回収した金の総量は3,646キロ、プラチナは450キロ、銀は1,592キロで取扱総量は5,688キロであった模様。うち最終月では最高の月間買い取り実績を記録したというが、鉱石換算では7万トン相当の貴金属資源を循環させた事になる。

さて、金地金等の買い取りといえば昨日の日経紙に出ていたが、2012年以降は税の申告漏れを防ぐ為に金やプラチナを売却する際に売り主名などを記載した支払い調書の作成がこれら扱い店に義務付けられる見通しという。

ここ近年、地金でも簿価の倍以上になっている向きも多く、これに伴い申告漏れも多額のものが出てきている現状での補足新制度なのだろうが、大手業者と中小では見方が異なり賛否両論。これで小口化の動きにも拍車が掛かろうが、費用対効果の問題もあるので一部は他の派生商品へのシフト等も出て来るのだろうか。


善意

本日の大手紙では新入学シーズンを前に、ランドセルの製造・出荷がピークを迎えている旨が報道されていた。そういえば過日、某百貨店でランドセル売り場を見る機会があったのだが、昔は無かったパステルカラーは言うに及ばずゴールドやシルバー等のメタリック系やらクロムハーツ風の装飾を施した物あり、またメーカーも他業種ブランド等多彩な顔ぶれが揃っていた。

さて、このランドセルといえば周知の通り、漫画「タイガーマスク」の主人公等を名乗って児童擁護施設等へランドセル始めとしてその他プレゼントを寄贈する動きが年末あたりから話題である。ざっとだが47都道府県でその数は約300件近くにもなり、ちなみにランドセルは350個以上にも上ったという。

外国の知人と電話していた時にこの話題になり、何故日本人は匿名ばかりなのか非常に奇異に映ると言われたが、諸外国に比べると各段に遅れている寄付文化、秘するが美徳とか寄付は恥ずかしいとかの風潮もあるのだろうが、一部では最も時代性が出ている表現とする向きも居る。

しかしこういった施設の子どもたちへの支援は本来であれば行政の仕事、ばら撒きと言われた子ども手当てはこういった施設には支給されない。政府も漸く同額の補助金を出すようにするなど重い腰を上げたが、厚生省を動かすパワーがあったということだ。一方では双方向の継続的交流が必要だとする問題提議もあるが、幅広い年代をうかがわせるその内容に善意のうねりはまだ心底の優しさが残っていると安堵感も。実体験が社会で共有されつつ文化も変わると思うし、これら問題も日本の寄付文化を発展させるに必要な議論であろうか。


Moral hazard

さて年末からにわかに出ていた問題であったが、本日の日経紙には急激な円高・ドル安で多額の損失が発生している為替デリバティブを保有する中小企業が約19,000社に上ることが、金融庁が銀行に実施した聞き取り調査で明らかになった旨が載っていた。

この商品、パワー・リバース・デュアル・カレンシー債とフラット為替といわれているが、前者には金融機関の期日前解約権がついており、これは地方自治体や財団まで幅広く販売された。フラット為替は所謂為替先物予約で主に輸入企業等に販売されたが、抱き合わせで売った部分やら横並びの思惑もあったのだろうが想像以上に多くの企業が契約していた。

年末にも一度触れたがこうした影響で破綻するパターンも続出しており、昨年は26件と一昨年の7件から急増、この動きを受けて直近ではメガバンク等は本業は健全だが損失が大きい企業対象に資金繰りを支える為の新規融資を実行する対応策を検討する流れになっている。

現況鑑みるにこうした措置も避けられないなと思う反面、気になったのは当該企業からは世論を味方に融資だけでなく損失負担を求める声が出ているという点。今でこそ契約企業からみれば想定外?の円高になったのだろうが、フラット為替など当初に享受した為替差益を棚に上げて損失分は補填してくれとは虫のいい話だ。

相場の損失に「特例」と称して行政が介入してどうこうしたらこれはもうモラルハザードの世界。この分野は今迄散々日本固有の事情で物議を醸し出してきたが、自己責任のあり方が問われる昨今ラインの引き方には十分注意すべきであろう。


さまざまな教訓

さて、今週はあの痛ましい阪神大震災から16年を迎え、神戸市など各地では恒例の追悼行事が営まれていた。被災地の様子は今でも鮮明に思い出すが、マーケット関係では当日でこそ事情を把握し切れていなかった株式市場は小幅安の模様眺めに終ったものの、翌週は週明けから1,000円以上も暴落、これがあの有名な事件となったベアリングス銀行破たんにおいて止めを刺すことにもなった。

さて、この株式暴落といえばもう一つ今週はまた、あのライブドア・ショックがあった日から5年を迎える。この取引所機能がストップしてしまった事件から新興市場は暴落しマザーズ指数など直前の2,800ポイントからズルズルと長い下げ続け255ポイントの安値にまで急落し、新興市場の不信、不審、不振がその辺からダラダラと長引いたものだ。

ただこれも本日の日経紙マーケット面にて「新興市場、売買代金が増加」と載っているように漸く昨年の秋口くらいから一変してきている。ちなみに昨日のジャスダック、マザーズ主要2市場の売買代金合計は664億円と昨年4月23日以来約9ヶ月ぶりの高水準となった。

これには日経平均の上昇に伴って個人の信用余力が大幅に改善されたり、またJASDAQ-TOP20ETFの承認等も刺激になったりで、それなりに素地が整っていたというのもあるが、出遅れ循環という側面もあり再び主力系に物色の矛先が向かってきた時のその資金離散具合も注視したい。この5年間である意味新陳代謝も進み、今後はその背景となった規制等も絡めてこの復活が第一幕だけで終了してしまうのかどうか真価が問われよう。


商品関連株明暗

本日の日経平均は小幅ながら三日続伸となったが、このところ個人の信用評価損率も大幅な改善を見せ個別の材料株乱舞が止まらない。一方で主力の構成銘柄の方だが、ここ最近はブリヂストンがしばしば日経平均値下がり寄与度のランキングに登場している。

これに関しては本日もTOCOM市場でのゴムの急騰に見られる通り、天然ゴム価格の上昇を受けて今後の営業利益は伸び悩むとして野村がレーティングの引き下げを行ったほか、日興も弱気レポートをリリース等の動きがある。

同様にキューピーも食用油の価格上昇が嫌気されて冴えない動きが続いており、また先週末の1/15付け日経紙マーケット欄の「まちかど」では、バレンタインデーを前にして明治HD・森永・モロゾフ等のチョコレート関連企業の株価が騰落率で日経平均を大きく下回る旨も出ていたが、この背景にあるというのがロンドン市場先物で昨年33年ぶりの高値を付けたココアの高騰に加えて砂糖の高騰も影響しているという。

これらの動きは総じてインフレ懸念や世界的な天候不順による商品価格の上昇が業績を圧迫するとみられているところに起因するが、こんな背景から一方でストップ高まで買われるなどの急騰を見せているのは穀物商品指数のETF。この件はまた後述するがこんな株価の二極化はなんとも不気味である。