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世につれ・・・

本日はコロナ禍で迎える4回目のバレンタインデー。今年は原材料高の高騰で価格が上昇傾向にある事などで自分へのご褒美がトレンドとかだが、これに先駆けて開催されるサロンドュショコラほか大規模なイベントを見るに自分へのご褒美は既に近年定着してきておりテレワークの普及やらで義理チョコなど贈る相手の構図等も変わっている気がする。

義理チョコといえば数年前だったかゴディバの「義理チョコはもうやめよう」と題した新聞の全面広告が記憶に新しいが、コロナ禍のテレワーク普及で義理チョコの減少傾向は止まらず百貨店系の意識調査では義理チョコは全体のわずか3%と過去最低になった模様。また某調査会社では女性の8割が義理チョコをあげたくないと思っているという調査結果もある。

一方で男性側も義理チョコはもらっても嬉しくないという回答が6割超となった模様でいずれ消滅の道を歩むか。そもそも義理チョコやらそれに対するホワイトデーやらの日本独自のイベントはそういったモノ自体が存在しない欧米人らの目には奇異に映っていたワケだが、企業がチョコを売る為のマーケティング戦略の成果として長年定着したイベントも時代の流れに合わせ変ってくるか。

ちなみに当欄ではもう14年前のバレンタインデーに「奇異なる日本のValentine’s Day」と題し、「〜そもそも欧州等でバレンタインデーといえばお互いに思い思いの品を交換したりするのが普通で寧ろこの日本独特の習慣は以前からかなり奇異に見られていたのが事実。さて、次第にこの辺も国際標準の道を歩むのであろうか?」と書いていたが、多様化顕著な今こそ日本が漸く標準化へ向かうチャンスの時なのかもしれない。


次期総裁の重責

先週末の日経紙一面を飾っていたのは「日銀総裁に植田氏」の見出しで、政府は4月に退任する日銀の黒田総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田氏を起用する人事を固めた旨の記事であった。日銀総裁の人事に関しては先週も書いた通り、現副総裁の雨宮氏の名前が挙がっていたが同氏は就任を固辞したとみられる。

事前の民間エコノミストの予想でも雨宮氏と違って同氏の名前は挙がっていなかった事でサプライズ人事だったが、誰がなったとしても異次元緩和が生んだ副産物の諸々の処理が待ち受けている。金利を抑え込むために大量の国債買いを行った結果、今や日銀は発行残高の半分以上を保有する異常事態になっているし、大量買いといえばETFもまた然りで購入を続けた結果今やその保有額は40兆円に迫る勢いだ。

国債に関しては既にYCCによる歪で企業に起債などへの悪影響が懸念されているが、YCCの限界を見込み空売りした投資家が決済日までに国債調達が出来ずフェイルが急増しているのも直近で話題になっている。またETFにしても粛々とした継続購入で既に日銀は上場企業の約4割で上位10位以内に入る大株主となっており、自己資本の数倍に相当する株の変動リスクを自らのバランスシートに抱えるなど弊害を挙げればキリがない。

コーポレート・ガバナンスの重要性が彼方此方で謳われるなか、この空洞化さえ招きかねない問題があるこうしたオペはほかの主要中銀は手掛けない特異な政策だったのは言うまでもない。これまでこれらのイグジットに関しては様々な憶測が飛び交ってきたが、はたして10年にわたって続けた異次元緩和をどう降りてゆくのか次期総裁の重責は計り知れないといえる。


池袋の憂鬱

今週の日経紙・迫真は「そごう・西武・流転の構図」と題し、昨年11月に米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループとの間でそごう・西武売却で基本合意したセブン&アイ・ホールディングスが、今月の売却を来月中に延期した旨含め各所でのオーナーチェンジに係る懸念等の様子がシリーズで書かれていた。

この辺に絡んでもっかのところ一番目に付くのが、やはりこのフォートレス・インベストメント・グループがビジネスパートナーとしている家電量販店大手のヨドバシカメラが池袋の顔?ともいえる西武百貨店に入居するのではという思惑を巡って、豊島区長はじめ商店会など地元勢が猛反対し西武側に嘆願書を送付するなど揉めている一件か。

池袋駅東口周辺といえば今や家電量販店の競争激化では正面にヤマダ電機、となりにはビックカメラが控えている。反対理由の一つにはこうした家電戦争に巻き込まれて地域社会が埋没してしまうことを懸念しもう家電量販店は池袋に要らないとの意見が多い事と、仮に百貨店の低層階にヨドバシが入居した場合今誘致したハイブランド勢が撤退し顧客や富裕層が離れて行ってしまう事も懸念されている。

西武池袋はいち早く現代アートの美術館を設けるなどしてきたが、豊島区も国際アート・カルチャー都市構想と銘打ち池袋を中心として街づくりを行ってきた経緯がある。池袋の顔であり象徴でもある同本店を中心に築き上げてきた文化の街の土壌が喪失してしまうことへの危惧というところだろうが改革に踏み切れなかった西武側と池袋本店を顔とする地元勢、今日は折しも豊島区長が逝去した報があったが今後どういった顛末になるか注目される。


課題に本腰

本日の日経紙総合面では「価格転嫁、日本5割どまり」と題し企業の賃上げ原資の確保に欠かせない価格転嫁に関して、米欧はコスト増の大半を販売価格に反映しているのに対し日本は5割しか転嫁できていなく遅れている旨が書かれていた。資源高のシワ寄せは立場の弱い中小企業に集まり易いが、これに絡んでは経産省が取引先との中小企業との価格交渉や転嫁に後ろ向きな企業を昨日初めて実名で公表している。

下請け振興法に基づき22年9月~11月、15万の中小企業を対象に実施したアンケート調査で10社以上から取引先として名前が挙がった148社が対象だったが、価格転嫁に応じたかの転嫁状況と交渉に応じたかの交渉状況を4段階で評価。このうち価格交渉で最低評価を受けたのは産業機械の不二越でその次は日本郵便、同じく価格転嫁では日本郵便でその次は不二越と両社の低評価が際立つ。

一方でそれぞれの基準で最高評価を得たのは住友化学や日本製鉄など7社だったが、下請けなどの立場の弱い中小企業の価格転嫁が容易でないのはこれまで何度も触れてきた通り。そういえば下請けGメンの調査員も昨年は倍増しているが、この度の実名公表も併せ政府も本腰を入れ始めたか。以前にも書いたように日本の労働者の7割が中小企業に勤めているわけで、価格転嫁の目詰まりを解消し健全な循環が為されるような環境の後押しは引き続き必須の課題か。


対話力

注目された先週のFOMCだったが、周知の通りFRBは0.25%の利上げを決めた。これで利上げ幅は2会合連続で縮小し通常のペースに戻った。一方で欧州も英イングランド銀行が前回同様の0.5%の利上げを決定、更にECBも前回同様0.5%の利上げを決定した。これで3中央銀行の金融政策が出揃ったが、CPIの鈍化の違い等を背景に欧米で違いが出てきた。

さて中央銀行といえば目下のところ本邦では日銀人事が話題になっている。10年間にわたりトップを務めた4月に任期満了を迎える黒田総裁の後任について政府は人事案を2/10に国会に提出する方向で調整しているが、民間エコノミストの予想でも票が一番多かった副総裁の雨宮氏に早くも政府が就任を打診した事が一部で報じられている。

総裁人事に関して政府はコミュニケーション力を一つの重要な要素としていたが、確かに昨年末の唐突な長期金利上限引き上げサプライズなど市場との対話を軽視しているとの批判があった。新総裁のもとで金融政策はどうなるか?先ずは副作用が大きいYCCは修正の方向へ向かうとの指摘が多いが、いずれにせよ如何に金融市場に配慮しながら上手く正常化出来るか、中央銀行のマーケットに伝える力が今後より重要になってくる。


文春並みの投資会社

ここ最近の回転寿司店を巡る迷惑動画でスシローを展開するFOOD&LIFE COMPANIESの時価総額が一連の報道を嫌気し一時約170億円減少した云々と喧しいが、こんなモノではない実にグループ時価総額の約半分が失われたと話題なのがインドの新興財閥アダニ・グループだ。米投資会社のヒンデンブルグ・リサーチが不正会計疑惑を指摘したのがきっかけになっているが、中核会社の公募増資が撤回を迫られるなど窮地に立たされている。

この手の空売りを仕掛け企業の不正や疑惑の告発で株価下落を狙う手法の投資会社は以前からあり、当欄でも7年前に日本市場に参入し第一弾として伊藤忠商事に矛先を向けた米グラウカス・リサーチ・グループや、日本電産を狙った米マディ・ウォーターズ・キャピタル、また共に会計処理に疑義があるとしてSMCを狙ったウェル・インベストメント・リサーチ等を取り上げたことがあった。

他にもサイバーダインの割高を指摘した米シトロン・リサーチなど幾つも出てくるが、このヒンデンブルグ・リサーチもこれまでの実績?として新興EVの米ニコラやローズタウン・モーターズの問題を指摘しニコラはその株価が半値に暴落し会長は投資家を欺いた罪で有罪にもなっている。

狙われた企業はたまったものではないが、彼らも物言う株主の村上ファンド等と同様にコーポレートガバナンスコードを背景に企業に是正を促す切っ掛けを与え緊張感をもたらしているという点である意味同類か。とはいえこの騒動、印中央銀行が国内銀行に対しエクスポージャーの報告を求め始めるなどインドの金融システム全体に影響が及ぶリスクも懸念されておりしばらくはこの動向から目が離せない展開か。


南南東

明日は節分。今年の恵方巻き商戦の様子は先週書いた通りだがもう一つ、この節分を前に大手雑貨チェーン「3COINS」では先月販売した子ども向け節分グッズ、トラ柄の鬼のセットアップや恵方巻になれる?ベストから鬼のこん棒に鬼のウィッグまで多くのアイテムを展開したKIDS節分なる商品に大勢の客が殺到し店内が阿鼻叫喚の騒動になった件が物議を醸し出していた。

さてその物議は地獄絵図となった当該店舗だけにとどまらず、これらの発売日と同時にこの争奪戦となった戦利品?が早速ネット上でフリマサイトにラインナップされ、例えば上記の鬼のセットアップなど定価が550円のモノが10倍の5500円という法外な値段で出品されるなど、毎度転売ヤーの醜い行為が露わになった。

ところで転売ヤーといえば先月に惜しまれつつも会社を廃業した佐久間製菓の「サクマ式ドロップ」も依然としてネット上では定価の何倍もの法外な値段で出品されている。スリコの鬼グッズと共に商材にされているワケだが製造元は方や廃業、方や飛ぶ鳥を落とす勢いの成長産業と明暗を分ける。とはいえこの度の廃業も新陳代謝が遅いと言われて久しい中では評価されるべき価値のある英断ともいえるか。


二月逃げる

今日から二月逃げるの如月入り。先月に書いたように今月は22年以降で2番目に多い規模となる5000品目以上の食品類の値上げが予定されている。特に冷凍食品など加工食品が多く値上げされ、本日納品分からニッスイが家庭用や業務用の冷凍食品を約6~25%値上げするほか、ニチレイフーズも同じく家庭用・業務用の冷凍食品を約5~25%値上げする。

他にも本日納品分からマルハニチロが家庭用・業務用食品、永谷園はふりかけ、カゴメはトマトケチャップ、山崎製パンはランチパックなどを1年ぶりに再値上げし、菓子・スナック類では大塚製薬がカロリーメイトやSOYJOY等を初の値上げ、江崎グリコはポッキーやパピコを、飲料類では雪印メグミルクが家庭用乳飲料や果汁飲料等、アサヒ飲料はエナジードリンクのモンスターを、メルシャンはワインや梅酒などを値上げする。

また値上げの波は生活用品にも及び、日本製紙クレシアは本日出荷分からティシュやトイレットペーパーなど家庭向けの紙製品を全て15%以上値上げする。ガソリン補助金上限も年明けから段階的に引き下がるが、一方で東電など大手10社の電気料金や都市ガス料金など2月請求分から政府の物価高騰対策の補助金で値下がりする。とはいえ東電は約3割の値上げを国に申請中、政府が製粉会社等に輸入小麦を売り渡す価格の改定も今後控えているだけにこれらの動向もまた注目される。


変わりゆく渋谷

本日をもって渋谷の東急百貨店本店が閉店した。東急といえば先に東急東横店も閉店していたが、これで1967年の開業から55年あまりの歴史に幕を閉じるということになる。最後に行ったのはもう数年前になると思うが、文化村通りの突き当りに位置したこの店は渋谷にあって渋谷らしからぬ?ある種落ち着いた雰囲気が醸し出されていたものだ。

100年に一度の再開発と喧しい渋谷だが、同所の跡地には商業施設のほかザ・ハウス・コレクティブが展開するホテルや賃貸住宅などを備えた地上36階建ての複合施設が27年度の完成を目指して建設される予定になっている。ちなみにバブル期に此処に隣接したBunkamuraもオープンしたが、こちらもオーチャードホールを除き同27年度まで休館するという。

斯様に渋谷は現在都市再生計画が進行中で、上記の東急百貨店跡地はもとより宮益坂周辺地区もアーバン・コアの整備で数年後にはまた景色が一変する予定だ。学生時代に毎日見慣れた東急文化会館が消え渋谷ヒカリエに、そして今度は東急百貨店も無くなる。当たり前にあったいつもの光景が無くなるというのはそれを見慣れた向きには実に寂しい事だが、次の新しいカルチャー発信地の登場に期待したい。


2023年IPOの幕開け

先週末に2023年の第1号IPOとしてITソリューション事業のテクノロジ-ズが東証グロース市場に新規上場をはたしたが、注目の初値は初日は終日買い気配値を切り上げたものの寄らず。上場2日目の翌日になって公開価格1000円の役3.65倍の3650円で初値を付け、ザラバでは4000円の大台を付ける場面も見られた。

同株は他のIPO案件との申し込み期間被りは1社として無い事や、大株主のロックアップ等の需給環境の良さからロケットスタートとなったが、過去1年間に上場した銘柄の値動きを指数化したIPOインデックスも先週末は22年末日で13%高く、2022年1月5日以来、約1年ぶりの水準まで上昇している旨が先週末の日経紙に出ていた。

2017年以来となる1月IPOの同社株だが、規模的には公開規模も10億に満たない小型の部類に入る。小型といえば昨年は東証中心に国内での上場件数は90社超と高水準を保っていたが、世界経済の不透明さや地政学リスク等を背景に大型案件が慎重になったこともあって1社あたりの市場調達額は前年より4割減る見通しという。

世界レベルで見てもIPOは米での中止件数がITバブル崩壊以来の高水準になるなどで、昨年のIPOの調達額は1400億ドルと前年より65%も減少している。各国中銀の金融引き締めで景気後退懸念が高まったことで投資家のリスクマネーが減少している証左だが、今後の金融政策は引き締めのペースダウンが期待されるなかでこの構図が変化するか否か海外の機関投資家などの需要動向に注目したい。


恵方巻彼是

クリスマスやおせち、福袋など年末年始の商戦が一巡すると今度は節分そしてバレンタインの商戦一色となり、今日たまたま立ち寄った街の百貨店やスーパーなどこれらの売り込みが喧しい。物価高が言われて久しいなか、今年は節約と高額消費が二極化する所謂メリハリに対応すべく恵方巻など下記の通り売り手もラインナップを揃えている。

一寸前まで恵方巻は売れ残り廃棄等で食費ロスの先頭を走っていた時期があったが、今やローソンでは余った食材を使った恵方巻を安価で展開、既に販売数量に達し予約受け付けを停止しているという。一方で一部百貨店は昨年沸いたトレンドに肖りW杯日本代表のベスト16進出にちなみ16種類の海鮮を巻いた「ブラボ-!!海鮮16強巻き」や、紫雲丹や蟹など具材の頭文字で「むら・か・み・さ・ま恵方巻」を13800円で販売するなど高額路線を展開している。

これらを見るに恵方巻も関西だけのモノではなく、各社の啓蒙が奏功したのか最近では関東でも市民権を得たような感がする。クリスマスケーキ並みにラグジュアリーホテル勢も参戦し今年は帝国ホテルも初めてこの恵方巻を展開し始めた。スーパーフードのソルガムを使い黒毛和牛をフレンチ仕立てに巻いたモノやスイーツ恵方ロールケーキ等だが、恵方巻もおせち同様に世相を映すだけあって興味深い。


マスクが外せる日?

周知の通り先週末に政府は新型コロナの感染症法上の分類を今春に5類に変更する方針を示している。これによって行動制限措置は無くなり医療体制も段階的に通常対応にむかうなど、暮らしに身近な制約を無くし正常化に踏み出すことで3年以上続いた新型コロナウイルスへの危機対応も転換点を迎えることになる。

斯様に経済活動の更なる正常化で観光やビジネス客による利用が回復するとの期待も重なり株式市場では空運株へ物色の矛先が向かう場面も見られたが、マスク着用なども屋内での着用を原則不要とするなど着用ルールの見直しが検討されている。このマスクも暫く前からTV等での海外中継では街中の光景やエキスポなどを見るに、マスクをしている人を探すほうが難しいくらいになっているが日本は依然として真逆の光景である。

思うに我々は罰則規定も無いのに行動制限がかけられればこれまで殆どの向きがしっかりとそれを遵守して来た。マスクも義務化されているワケでは無いが、専門家が警告を続けるなか空気を読むとか忖度がある種マナーになっているような中で形成された同調圧力のようなモノが蔓延しているところで果たしてマスクが外せる日が来るのか否か?

今週は通常国会が召集され、施政方針演説に臨んだ首相はわざわざ?マスクを外し新型コロナの5類引き下げにあわせマスク着用についても考え方を整理する旨なども述べていたが、上記のような背景で街を歩く人の半数以上がノーマスクにでもならない限りこれまで同様の政府の通知措置で果たして海外と同じ光景が訪れるのか甚だ疑問だ。