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鮪も自粛モード

本日は新年恒例のマグロの初セリが豊洲で行われたが、一般客の見学が禁止されるなか一番マグロは208キロモノがキロ当たり10万円の2084万円でセリ落とされた。昨日は山口県下関市でも新年のトラフグの初セリが行われコロナ禍での飲食店需要低迷からキロ当たり昨年比で5000円安と安値傾向となっていたが、こちらのマグロも昨年の1億9320万円から暴落ともいえる落札値となった。

競り落としたのは史上最高の3億3600万円の落札値が付いた一昨年にすしざんまいを展開するあの「喜代村」と最後まで競り合った仲卸の「やま幸」であったが、その背景には喜代村が今年は新型コロナウイルスにより飲食業界が打撃を受けている現状から一番マグロの落札を差し控えたという事があり久し振りに本来のご祝儀相場を見た感がある。

やま幸のマグロといえばその行先は銀座の「おのでら」だが、早速この日からランチのコースで提供された模様。しかしこの手の店は別物としてもここ数カ月は上記の通り飲食需要の急減から所謂高級魚が驚くほど安くなっている感があるが、斯様に新型コロナウイルスが初セリを本来のご祝儀相場へと回帰させ高級魚も万人の食指が動く価格にさせたのを見るに複雑な思いである。


丑つまずく?

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、昨年は中東の地政学リスクの高さが際立った年初めになったのも束の間、以降新型コロナウイルスに振り回された一年となった。マーケットの方はダウ工業株30種平均が3月の暴落時には史上初めて8営業日連続で前日比1000ドル超えの乱高下を繰り返した末に、年末には史上最高値を更新と未曾有の景気後退下の株高を演じた。

本邦市場もまた然りで、日経平均は年末にはバブル期のピーク以来31年ぶりの高水準となり、こちらもまた3月の暴落時から年末高値まで11,000円を超す値幅は30年ぶりの大きさを演じている。相場格言で昨年は「子の繁盛」であったがコロナ禍にもかかわらずまさに格言通りの展開になったとも言えようか。

ところで今年の干支は丑、史上最高値を更新している米国では牛はブルの象徴となっているが、相場格言では「丑つまずく」でその年間騰落率は戦後では平均でマイナス6.3%と最下位となっており、アノマリーでは年央に天井をつけて後半に下落する傾向があるという。本日の大発会は下落スタートとなったが、引き続きコロナ下で過剰流動性相場が今年も継続され相場格言が破られる事になるのか否か興味深い。


2020年度「商品先物ネット取引データ調査・分析結果」を公開

10月末時点で商品先物ネット取引サービスを提供する11社に対し、11月27日〜12月10日の期間で実施した「商品先物ネット取引データアンケート」を集計・分析した結果を本日12月28日に公開しました。総口座数・実働口座数・預り証拠金・月間売買高など各項目別に結果を公開しランキング表示を行っております。

▼商品先物ネット取引各社データ集計結果(2020年10月度)



【調査結果サマリー】
★預り規模はホールセール込で推計約424億円
★総口座数は推計21951口座、実働は推計4748口座
★売買高はホールセール込で67万枚、一般対象で40万枚


【調査分析結果全体数値】
 1. 総口座数         21951口座
 2. 実働口座数A        4748口座
 3. 実働口座数B        4432口座
 4. 預り証拠金A(個人)    261億円
 5. 預り証拠金B(ホール込)  424億円
 5. 月間売買高A(個人)    40万枚
 5. 月間売買高B(ホール込)  66万枚
 6. 口座稼働率        21.6%
 7. 1口座あたり預り証拠金[A] 118.9万円
 8. 1口座あたり月間売買高[A] 84.9枚
 9.1担当者あたり預り[A]    3億3471万円


【掲載項目】
[総合]
2020年10月度ネット取引各社取引データ一覧、関連データ業界全体比較
[各種ランク]
総口座数、実働口座数、預り高、売買高、注文件数、口座増加数、口座稼働率、枚数/オーダー、1口座あたり預り・売買高、1担当者あたり預り・売買高


アンケートにご返答頂いた企業・担当者の皆様、お忙しい中ご対応頂き誠に有難う御座いました!


コロナ禍2020

さて、日本漢字能力検定協会が今年の世相を1字で表す「今年の漢字」が先週に「蜜」と決定したが、先の「2020年ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞の「3蜜」と合せまさにコロナに始まりコロナに終わった一年となった。そんなわけでこの年末年始も例年とは全く違った光景が広がる。

この時期の風物詩であるクリスマス前後のイルミネーションも今年はメジャーなところで表参道のけやきのライトアップが中止となり、丸の内のイルミネーションも従来深夜0時まで灯す予定を人が集まらないように午後10時で終了、既に要請している飲食店の時短と併せて相乗効果をあげる狙いがあるというが、文字通り今年はサイレントナイトである。

また福袋商戦も年内からスタートなら、各神社とも分散参拝を呼び掛ける初詣まで一部は年内からスタート。感染リスクを考慮し鈴緒は撤去され祈祷も外というところが多く、一部はネット上でオンライン初詣を開設するなどこんなところにもオンライン化の波が。メジャーなところで明治神宮も終夜参拝を中止し通常通り午後4時に閉門を予定しているが、終夜参拝の取り止めは1946年1月以来の事という。

併せて鉄道各社も例年であれば終夜運転が実施されるが先に終夜運転を行わない事を決定している東武・東急・西武等に続き、JR東日本・東京メトロ・都営地下鉄等大手私鉄各社が相次いで取り止めの動きに。明治神宮の終夜参拝取り止めが1946年以来の事なら、JR東日本もこの大晦日の終夜運転取り止めは1987年以来、初めての事という。

直近では漸くワクチンの接種が始まった。来年の事は解らぬがコロナ禍が収束に向かう暁には何が従前の姿に戻りまた何が戻らないのか、そんな事を考えつつ今年はこれで筆を置きたい。

本年もご愛読ありがとうございました。 どうか、来年が皆様にとってよい年でありますように。


待降節 

先の日曜日の日経紙・TheSTYLEの一頁目の真ん中には「アドベントカレンダー」の写真が大きく載っていたが、明日のクリスマスイヴまで毎日一つずつ開けて中に入っているお菓子やおもちゃなどでカウントダウンを少しずつ楽しめるこのカレンダーも漸く日本でも認知度が上がってきた感がある。

今年はこの商品としては高額のモノも散見され、86,400円のメゾンカカオや、一部百貨店で海外の陶磁器ブランド売り上げが前年比50%アップしているのも背景になっているのか71,500円のウエッジウッドのホリデイアドベントカレンダー等もあったが、大手百貨店のオンラインストアではピエールエルメやラ・メゾン・ドュ・ショコラ等の1〜2万円程度のモノは早い段階での完売が目立った。

この手の物ではこのクリスマスの時期日々の味の変化を楽しみながら毎日少しずつ頂くシュトーレンやパネトーネなども今年は扱う店が拡大しそれぞれ独自色を出しているが、これらも含め巣ごもり消費が定着するなか御節よろしく自分用や家庭用として少し高めな商品に財布を緩める動きがしばらく続くとみられるか。


潮流察知

本日の日経紙マーケット面・市場点描には「銅と金、正常化足踏み移す?」と題し、銅価格を金価格で割った銅金レシオが11月から上昇が加速し昨年6月以来の水準を回復したあと伸び悩み商状となっているなど景況感の改善を示唆する指標の動向に市場の関心が集まっている旨が出ていた。

銅といえば新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く収束させた中国の堅調な需要などを背景として足元では国際指標であるLME3ヵ月先物は7年10ヵ月ぶりの高値を付けているが、こうした需給に目を付けたファンド勢の投機資金の流入もあってコロナ第一波の頃の3月の安値からその上昇率は実に8割にも達している。

ところで先月末に茨城の下妻市で砂沼サンビーチに埋没してある高圧ケーブル約1000メートル分が盗難被害に遭ったという事件が報じられていたが、この手は銅線の転売狙いで間違いの無いところだろう。これまでも非鉄相場が温まって来るとそれとリンクしてこの手の盗難事件が報じられる事が増える傾向にあったが、斯様に潮流を察知するのは何もファンド勢に限った事ではないという事の証左か。


商品先物ネット取引取扱い11社最新ランキングを更新

11月27日(金)から12月10日(木)の期間で実施した「商品先物ネット取引データ&サービス内容アンケート調査」の結果を元に、各社のネット取引最新サービス内容を更新、ポイント評価基準に従い全11社のレーティング&ランキングを更新しました。

▼商品先物ネット取引総合レーティング・ランキング(12/22現在)



尚、これまで通り各社のサービス内容・レーティングについては随時更新を行い、同時にランキングにも反映していきます。

ぜひ各社の最新サービス内容をチェックしてみてください。


「蜜」な年末IPO

さて、先に米IPO市場の調達総額が今年は過去最高記録を更新するなど活況を呈している旨を書いたが、日本でも先週から12月のIPOラッシュがスタートしている。先週木曜には5社が同時上場とマザーズなどはまさに「蜜」状態を呈しているが、既に知名度の高い新興家電の「バルミューダ」などは上場日から本日で4日連日のストップ高の離れ業で上場日の寄りで買ってもたった4営業日で実に株価2倍と大化けしている。

他にも上記のラッシュの17日にマザーズに新規上場した「ビートレンド」や「プレイド」、「かっこ」はいずれも買い気配のまま初日を終え、翌18日に同じくマザーズに新規上場した「ココペリ」も買い気配のまま初日を終えその後いずれも公開価格の約2倍から4倍で初値を形成、また本日マザーズに上場した「いつも」も公開価格の2.3倍にあたる3545円まで気配値を切り上げ買い気配のまま取引を終えるなど猛ダッシュのスタートを切っている。

今年は国内で新規上場する企業は前年から7社増え93社と2007年の121社以来、13年ぶりの高水準となるが特にここからは営業日を考慮するに1日平均で2社以上のハイペース公開が続く。中には公開後に急反落と息切れしているモノも散見されるが、先に上場延期となったキオクシアの上場延期も需給面で一役買っている素地もありこのラッシュが新興ポストにとって追い風となるか否か月末まで注目したい。


冬商戦2020

さて、先に日本百貨店協会がまとめた10月の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年同期比1.7%減少となり、これでかれこれ13ヵ月連続マイナスとなっている。そんな百貨店各社が売上げの回復に向けて力を入れているのがクリスマスケーキより早くスタートしたおせち商戦だが、今年はネット注文が一部大手では前年比で約150%、大手通販サイトでは9月段階で昨シーズン比約3倍に伸びているという。

今年の場合、コロナ禍で帰省出来ない人がオンライン上で同じ物を食べる想定の2セットの1人用のおせちを実家用と自宅用とで複数買いするケースや、巣ごもり消費が定着するなか取り分けの要らない一人一段で完結する個食需要を見込んだ商品も目立つが、高額な商品に財布を緩める動きもあってか10万円以上のおせち予約も好調で昨年完売しなかった高価格帯の完売も散見されるという。

またおせち料理と並ぶこの時期の風物詩の福袋も今年の場合は巣ごもりを主眼に置いた物が多く、元日からの販売を待たず三越伊勢丹は早くも10月末から先行販売をスタートさせ、松屋は年内と年明けの2回に分散、西武も年内から販売し約6割をネットで販売するなどして例年並みの売り上げを確保しようとする動きもあるが、この福袋商戦もまた百貨店にとっての試金石だけに各社の戦略が試されるところ。


使途明確化

さて、この時期になるとふるさと納税も枠を使い切ろうと年末に向けて各自治体の誘致合戦も喧しく駆け込みの動きも強まって来るというものだが、仲介サイト大手のトラストバンクによれば今年のガバメントクラウドファンディングの活用数ランキングで事業数首位は東京の27件であった。

今年は何といっても新型コロナウイルスの対策費をふるさと納税の仕組みを使って調達する動きが広がり、同ランキングで3位にランクされた北海道など医療従事者らへの支援などで実施したGCFが総額として最も多かったが、斯様に全体の約4割程度は新型コロナウイルス対策で寄付を集めていた動きが明らかになっている。

GCFに関しては当欄では昨年のちょうど今頃もあの沖縄の首里城再建目的で募ったふるさと納税を挙げて触れていたが、この時にマザーズへ上場したクラウドファンディング事業のマクアケはその初値2,710円から先月の上場来高値13,770円まで1年足らずで株価は5倍と大化けするなどその将来性を買う動きが続いているがプロジェクト数など実態が伴っているだけに今後も各所の活動が注目される。


物言う株主と言わぬ株主

本日の日経紙金融経済面には「生保「物言う株主」に一歩」と題し、今年の4〜6月の株主総会で第一生命保険の会社議案に対する反対票が前年同期比4ポイント増の17%に達するなど、これまで企業に忖度し会社側の議案に反対する事の少ない「物言わぬ株主」といわれた大手生保の企業との対話が変りはじめた旨が出ていた。

上記の第一生命保険以外でも住友生命保険や明治安田生命等々これまで反対票の公表など行ってきているが、斯様に大手生保各社は今やどこも自社のHPに「スチュワードシップ活動の取組方針」としてその対応ならびに報告書を掲げ、その対話数など大きく伸びている生保も出てきた。

ところでこうなるとETFの吸い上げで同じく多くの上場企業の大株主に名を連ねる日銀の存在にも自ずとスポットが当てられるというものだが、その議決権を持たない上場企業の隠れ安定大株主的存在?でガバナンス後退論まで一部指摘されているもののスチュワードシップコードの再改定絡め今後も対話を通じた企業側の変化に注目したいところ。