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おせち彼是

この時期は昨日のふるさと納税と共にお正月のおせち料理の予約等も終盤戦とあって百貨店などではどこも大賑わいを見せているが、おせちといえば先の日曜日の日経紙には「おせち食材 懐に厳しく」と題して、毛ガニやタコなどの水産物から黒毛和牛、果ては里芋までその材料が高騰している旨が出ていた。

確か昨年の今頃もサケの不漁続きでイクラが30年ぶりの高値水準にあり、健康志向の高まりで鶏肉も高くおせち作りには厳しい旨を書いた覚えがあるが、上記のカニ類などは予てより懸念されていた通り特にそれが顕著でズワイは内外で明暗を分けているものの輸入価格は5年で2倍、タラバや毛ガニも一寸前の値札が恋しくなるほど上がっている。

送られて来るおせち案内なども見ているとこれに便乗して粛々と強気な値上げをしている向きも一部ありヤレヤレという感じだが、それは兎も角も毎年の如くその傾向が話題になるおせちは昨年あたりからインスタにあげたくなる犬用のモノから、近年のクリスマスケーキでも見られる所謂お一人様用など多様化している。斯様に伝統モノの変遷が近年著しいがいずれ原点回帰となるのだろうか。


税偏在への不満

はやいもので本日はもうクリスマスだが、師走ということでふるさと納税も駆け込み需要的に申し込みが相次ぎ人気の品など品切れ中の札がやたらと目立つようになっている。今年も何度かこのふるさと納税を取り上げたが、総務省も昨年4月に続いて今年4月の通達を経て来年は基準を守らない自治体はいよいよ制度の対象から外す意向だ。

これまで総務省が条件とする地場産品そして寄付額3割以下の2条件から共に外れ調査にも無回答であった自治体の会見を先月に見掛けたが、総務省の聞く耳を持たないという姿勢があまりにも傲慢に感じ、自治体潰しをされていると受け取っているとして逆にこの2条件の根拠に関しての説明を求める回答書を送付するなど徹底抗戦をあらわにしていた。

この自治体は早期健全化団体の過去があるだけに同制度には想いも一入だろうが、ここに限らず他にもアマゾンのギフト券や5割相当旅行券など総務省意向から逸脱している自治体はまだあるが、確かに特に地場産品を持たない自治体からすれば公平性に疑問符もあるなかで一括りのルールで嵌め込めばやはりこういった問題が自ずと出て来るのは想像に難くない。

また今回の本腰を入れた規制でふるさと納税バブルがいよいよ弾けた場合、これまで返戻品バブルで一気に雇用を増やし設備投資も拡大させてきた逆回転が中小企業を直撃しないかも大いに懸念される。このまま手打ちせず来年はふるさと納税から撤退する自治体が出るや否やだがいずれにせよいよいよ来年は最後の返礼品駆け込み需要が起こるか。


2018年度「商品先物ネット取引データ調査・分析結果」を公開

10月末時点で商品先物ネット取引サービスを提供する12社に対し、11月28日〜12月11日の期間で実施した「商品先物ネット取引データアンケート」を集計・分析した結果を本日12月25日に公開しました。総口座数・実働口座数・預り証拠金・月間売買高など各項目別に結果を公開しランキング表示を行っております。

▼商品先物ネット取引各社データ集計結果(2018年10月度)



【調査結果サマリー】
★預り規模はホールセール込で推計約352億円と業界全体の約32%
★総口座数は推計24010口座、実働は推計6125口座と稼働率26%
★ネット売買高はホールセール込で106万枚、一般対象で59万枚


【調査分析結果全体数値】([]内は公開企業数値)
 1. 総口座数         24010口座
 2. 実働口座数A        6125口座
 3. 実働口座数B        5909口座
 4. 預り証拠金A(個人)    299億円
 5. 預り証拠金B(ホール込)  351億円
 5. 月間売買高A(個人)    59万枚
 5. 月間売買高B(ホール込)  106万枚
 6. 口座増加数        -150口座(0.6%減)
 7. 口座稼働率        25.5%
 8. 1口座あたり預り証拠金[A] 124.8万円
 9. 1口座あたり月間売買高[A] 97.3枚
 10.1担当者あたり預り[A]    3億6997万円


【掲載項目】
[総合]
2018年10月度ネット取引各社取引データ一覧、関連データ業界全体比較
[各種ランク]
総口座数、実働口座数、預り高、売買高、注文件数、口座増加数、口座稼働率、枚数/オーダー、1口座あたり預り・売買高、1担当者あたり預り・売買高、企業内シェア(預り)


アンケートにご返答頂いた企業・担当者の皆様、お忙しい中ご対応頂き誠に有難う御座いました!


商品先物ネット取引取扱い12社最新ランキングを更新

11月28日(水)から12月11日(火)の期間で実施した「商品先物ネット取引データ&サービス内容アンケート調査」の結果を元に、各社のネット取引最新サービス内容を更新、ポイント評価基準に従い全12社のレーティング&ランキングを更新しました。

▼商品先物ネット取引総合レーティング・ランキング(12/25現在)



尚、これまで通り各社のサービス内容・レーティングについては随時更新を行い、同時にランキングにも反映していきます。

ぜひ各社の最新サービス内容をチェックしてみてください。


消えたプラダのOtto

さて、今月アタマには伊「ドルチェ&ガッバーナ」が中国向けに流した広告動画が中国を侮辱していると物議を醸し出し大炎上となったが、今週は同じくイタリアのハイブランドである「プラダ」が販売したキャラクター製品が黒人を侮辱しているとの批判が高まり急遽同ブランドがこの製品の販売を取りやめる一幕があった。

噛み付いたのがNYの敏腕弁護士だっただけにこれまた炎上素地満載であったが、この製品は先月に発売されたクリスマス向けの商品プラダマリアのキャラクターの一つオットなるもの。顔を黒く塗るブラックフェイスが黒人に対する侮辱行為なら顔を靴墨で黒く塗ってステージに立っていた某グループも今なら大変な騒ぎになろうが、リスペクトを立証する境界線も非常に難しくナーバスな問題になって来た。

ブランドリリースではこのOttoなるキャラクターは猿をイメージしているとしていたが、猿で炎上したのはこのプラダに限らず対極のファストファッションのH&Mもキッズ向けのスウェットで最高にクールなジャングルの猿と英語でプリントされた商品を黒人少年のモデルに着せて炎上した件を思い出した。

直近でドルガバが数時間で巨大マーケット失った前例があっただけに、この火消しには躍起になって該当商品が撤去されるまでに得た収益はニューヨークに拠点を置く反人種差別団体に寄付するという徹底ぶりだったが、重ね重ねファッション業界も独自の創造以前の問題で文化や多様性等を先ず初めに考えなければならぬ時代に入っているようだ。


安値引けの船出

昨日末尾で、「とりわけ明日のソフトバンクはいろいろな意味で注目されるところである。」と書いたシフトバンクが本日はれて上場となった。兎に角マーケットからの吸収額は約2兆6400億円と過去最大IPOであったが、その注目の初値は公開価格1500円を2.5%下回る1,463円となり引けは14.5%下回る1,282円とある程度予想されていたとはいえ低調なスターとなった。

しかし今回のケースはまさに災難というかファンドでタッグを組んだサウジの皇太子も例の事件で国際的なザワつきに遭うという悪地合いのところに、大量に機器を導入しているファーウェイ社の副会長逮捕、時を同じく挙げ句には大規模な通信障害がブックビルディングを挟んで勃発とまさに逆風下でのIPOとなった。

そういった意味ではこれでも初値はなかなか健闘したともいえるが、この寄り値で異様な纏まった指値が這わされていた背景もいわれ主幹事絡めいろいろな思惑も出ていた。ともあれただでさえ親子上場の批判が燻るなか今後はこれを踏まえた高水準のガバナンス体制と併せ成長シナリオをどう描いて行くか、この辺が投資家の裾野を広げる意味でも焦点となってこようか。


IPO2018

本日の日経平均は景気減速懸念が強まり急反落となったが、そんな中でマザーズに新規上場となったテクノデータサイエンス・エンジニアリングは公開価格の3200円を98.4%上回る6350円で初値を付けた後も高値引けと好調なスタートとなった。一方でジャスダックに新規上場となった田中建設工業は公開価格を7.1%上回る初値形成後に一転して売り物となり引けは公開価格を下回った。

マザーズ、ジャスダック両市場共に3日続落となるなか明暗分かれた格好になったが、IPOといえば本日の日経紙総合面には「株式公開活況91社に」と題し、今年の国内市場のIPOは活況が続き上場企業数が91社と過去10年で2番目の多さとなってその資金調達額は約2100億円と前年の2.3倍に拡大する旨が出ていた。

反面一頃は上場ゴールなる言葉も流行った時期があったが、今年既に上場した78社のうち8割弱にあたる60社の株価が実質ベースで初値比マイナスと冴えない展開になっている。知名度がダントツのメルカリも今日は上場来安値を付けはや株価はそろそろ三分の一というところだが何れにしてもこれで年内の上場予定は残り11社、とりわけ明日のソフトバンクはいろいろな意味で注目されるところである。


キャッシュレスの伸びしろ

さて、ちょうど一週間飴に当欄では「現代インフラの盲点」と題しソフトバンクの大規模な通信障害の影響でQR決済のPayPayでの決済が出来なくなった旨を書いたが、そのペイペイ決済サービスが今月4日から実施していた大規模還元キャンペーンが利用者の殺到によってわずか10日間という短期間で先週キャンペーンが終了した。

このキャンペーン、利用客獲得の為に買い物で20%のキャッシュバック、更に抽選で全額のキャッシュバックなど100億円を用意する大盤振る舞いであったが、サービス終了の情報が漏れた事で平日にもかかわらず各店舗では異常な混雑を来した事で話題になってしまった。

中には割引対象には通常絶対ならない高額商品を大量購入し利鞘を乗せ転売を試みる向きや、全額キャッシュバックが当たるまで購入と返品を繰り返すツワモノまで現れる始末であったが、何れにしてもこれで短期のうちに推定190万人の利用者を獲得、総額約500億円の買い物に加え来年の約100億円のキャッシュバックで再度購入の機会を生ませる経済効果は確かにあった。

現在キャッシュレスに関しては世界中で急速にサービスが普及しているが、先の日経紙によれば日本ではQRコードを使ったキャッシュレス決済を知らない人は全体の8割に達するという。来年の消費税増税に併せ政府もキャッシュレス決済で還元する優遇策など検討しているが、クレカが普及している土壌でここからどう浸透させられるか今後も各社の戦略が試されそうだ。


今年の一皿2018

さて、食を巡る調査・研究を行っている「ぐるなび総研」がちょうど一週間前に2018年の世相を最も反映したという今年の一皿を選んでいるが、今年は「サバ」が選ばれる事となった。個人的には先の当欄でも取り上げた高級食パンあたりが選ばれると思ったが、こちらは一応ノミネートという結果となった。

この一皿、昨年は社会の高齢化や健康志向の高まりを背景に鶏むね肉が選ばれたが、今年も血流などに良い栄養素を豊富に含んだ健康食品としての位置付けが高いサバが選ばれたのも自然な流れで、こうした事を背景にこれまで首位だったツナ缶の生産量を去年はサバ缶が遂に追い抜くこととなった。

街の飲食店も近所ではサバ専門店にリニューアルしたさば銀又佐はじめ、銀座のSABAR鯖街道はサバファンドを運用中、ラーメンもサバ6製麺所等が大賑わいとサバ様様といった様相だ。こうしたブームの弊害?でサバの平均卸価格は5年前の相場から今年は40%も上昇し、末端も2倍近い値段が付いているところもあるというが健康志向の継続から来年もまた脇役が主役に躍り出る展開となるのかどうか注目される。


初の6兆円乗せ

本日の日経紙総合面には「日銀ETF購入6兆円」と題し、日銀が金融緩和の一環として購入しているETFの買い入れ額が昨日に初めて年間6兆円に達した旨が出ていた。周知の通り秋口からの株価下落に伴い、10月などは8700億円と月間ベースで過去最高額を買い入れるなどそのペースが速まった事が背景。

前日の記事でも買い入れアノマリーから逸脱した状況でもTOPIX連動モノを買い入れていた旨が購入基準変更などの思惑を誘っていたが、NT倍率は先月末には1998年3月以来、約20年ぶりの高水準にまでなっておりロング・ショートのヘッジファンドも苦しくなるなどの弊害懸念もここ最近ではいわれている。

同紙の末尾には銀行保有株の10倍以上あるETF残高を減らすには時間がかかる可能性もと書いてあったが、ロング・ショートのヘッジファンドが苦しくなるなどの目先の弊害懸念もさることながら、ここからはステルス・テーパリングの思惑が台頭するなかGPIF絡めた移管論や信託銀行交えたクロスなどさまざまなイグジットの観測も出てこようか。


投資家が選んだ漢字

さて、ちょうど一週間前にはユーキャン新語・流行語大賞を取り上げたが、その後にこれから発表になる「今年の漢字」の前にスパークス・アセット・マネジメントが個人投資家対象に平成最後の日本株相場を表す今年の漢字を聞いたところトップに選ばれたのは「乱」
であった旨が先週末の日経紙に出ていた。

ちなみに相場の上昇傾向が続いた昨年のトップに選ばれた「昇」は今年は圏外に去ることとなったが、「乱」といえば確か一昨年に選ばれたのは同じくこの「乱」だったのではないだろうか?以下2位は「変」、3位には「迷」と続く結果となったがこれらから腕に覚えのある向きも取り辛い相場であったような感も受ける。

確かに今年はリスク・パリティ型運用など見られるようにVIX指数に振り回される展開が昨年以上に顕著となったような気もするが、同じく同社のアンケートで来年の日経平均の年末予想を聞いたところ平均値は21,832円となった模様。年始の経営者予想よろしくこの辺は誰にも分らないがさて来年の漢字トップはいったい何になっているだろうか。


現代インフラの盲点

さて、先週木曜日の当欄ではポケベル全盛期の頃は当時のJK世代によく公衆電話が占領されていた旨を書いていたが、まさかそれを書いた日にもうここ何十年も見ていなかった公衆電話に挙って人が列を作っている光景を見るとは思わなかった。言わずもがなこれはその日に発生したソフトバンクの大規模な通信障害に因るもの。

周知の通りその影響はザッと挙げてみても連絡手段を奪われ待ち合わせからナビや検索も出来なくなったのをはじめ、運送会社の集荷や再配達情報はドライバーに届かず、モバイルSuicaでの予約や入金も出来なくなり、QR決済PayPayでの決済やらライブ入場の為の電子チケットも利用出来ずと何気ない通常光景がこの日は一変である。

今回日本に限らず今回不具合を起こしたエリクソン社製のデータ通信用交換機を使用するイギリスはじめ世界11ヵ国で同じ事態になる異例の大規模障害となり社会に必要不可欠な基盤となった通信インフラの意外な脆弱さが露呈されたが、仮にも2020年の東京五輪でこんな事態になったらそれこそ大パニックである。

今回の通信障害による経済損失は一部に約5000億円ともいわれ、今後は法人個人問わずソフトバンクに対する損害賠償請求の可能性も囁かれはじめたがソフトバンクの上場を間近に控えたこの期に最悪なタイミングだった。また早速というかこの通信障害に便乗した迷惑メールも相次いでいるが、インフラへ過度に依存度が高まってしまっている現代社会に課題を突き付けた格好となったか。