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中部金の上場

業界ではやっとというか先週で試験上場期限満了となった中部大阪商品取引所の鉄スクラップ先物取引が停止となった一方で、本日からTOCOMではマーケットメーカー制度がスタートする運びになったが、ディスクロが相変わらず曖昧ではたして一般的なM・Mをそのままイメージしてよいものかどうかこの辺はもう少し見てみたい気もする。

さて、その鉄スクラップが消える一方で新しく出て来るモノありで、本日からその中部大阪商品取引所では金の先物取引がスタートの運びとなった。受託会員十数社で初値は3,059円となったが、以前にも取り上げたように上場タイミングとしては面白いもののはたして金市場創設をもう一つ設けるその意味は理解に苦しむところ。

まあ、そうした個人的な意見は兎も角、東穀がいまさら全て板寄に復活させる中この金の板寄も意外に人気が出るのではないかという一部の意見もあるが、板寄全体といっても小さい池なのは明白で、世界的不況から金の投資に注目した投資家や当業者のヘッジ取引含めて新たな参加者として狙うというのは些か無理がある感もある。

それにしてもここ数年首位以下の方向性を見るにつけ投資家への選択肢提供というより、どうも起死回生というか取引所救済へ傾斜しているような印象は否めない。今回の上場も一頃言われた「TOCOMのパイを奪うという単純発想」との意見を覆せるかどうかその推移を見てみたいところである。


使える奴は何れ?

さて、某待合室に置いてあった日経ヴェリタスが目につき「会社の年齢」診断などパラパラと見ていたが、最後の方には若い世代の投資センスや技量を知りたいとの事で大学生の投資サークル対抗戦なるものが載っていた。

現金を一部温存しつつ何処も堅めな株式一辺倒というやはりストラテジーとしてはコンサバ系な印象であったが、唯一東大のグループだけは積極的に原油や金などコモディティーを交え他は新興国中心のETFに分散させるなど他とのテイストの違いが目立っていた。オリンピック開催地も未定であったものの、ボベスパのETFや金をチョイスする等なかなか楽しみな展開だが、さて3ヵ月後の成績は如何に。

株式でも小型モノばかりに傾斜したのは早大のグループであったが、同じ早大でもこんなマジメなサークルの対極でとうとう東京地検特捜部に逮捕されてしまったのが7月に一度取り上げた早大OBらのマネーゲーム愛好会。その資金力約40億円近くといい、一件数秒のスピード操作で纏まったロットを捌いていたというからたいしたものである。

コレと違うとはいえそういえばちょうどこのサークルが強制捜査を受けていた頃、GSが高性能コンピューターを駆使し0.03秒ほど早く得た市場情報をもとに巨額の利益を上げていた件も話題になっていたが、インサイダー含め善悪の境界線なんぞ本当に曖昧であるとも思うし、前述したように活躍のフィールドが変ればまた貴重な力となるのは否定出来ないところか。


嫌われ者と人気者

ついこの間取り上げたばかりの金であるが、昨晩はザラバ1,045ドルまで上昇し引けベースでも1,039.70ドルと史上最高値を更新、円高を撥ね退けTOCOMでも元気印が目立っていた。

切っ掛けとなったのはなんでも英インディペンデント紙がアラブ湾岸諸国が原油取引でのドル利用を停止し、人民元などで構成するバスケット建て取引に移行する案を日本、中国、フランス、ロシアと秘密裏に協議していると報道した事を発端にドルが主軸通貨に対して下落、ドルの信認を問う意味においても一斉に資金が逃げた格好となったか。

昨日は株式の希薄化を書いたが、さしずめこの金は通貨価値の希薄化へ対する不安の裏返しか。もともと各国首脳人が金融緩和の継続や財政拡大の合意で一致を謳ってなってなお上昇の勢いを増す様は、信認そのものに疑問府が付いていると見られても仕方ないだろう。

ところで上記の原油取引の話、けっこうこの手はここ数年度々出来ている件ではあるがはたして今回は実現するのであろうか?ここ下落傾向が定着しているドルは映画においても訳有り?のカネを決済する場面で「ドル以外で」などのセリフも目立ち今や嫌われ者になってしまったが、そうそう二年前だったかジゼル・ブンチェンもP&Gのギャラをドルではなくユーロで要求なんていう話もあったなとこれまた思い出された。


追随型増資ラッシュ

本日は辛うじて反発したとはいえ依然として冴えない動きが続いている株式市場であるが、昨日に公募増資の発行価格が決定した野村HDが予想以上のカバー観測も募って大幅続伸となっているのが目に付いた。

この野村HD、つい春先に3,000億円近くの増資をしたのは記憶に新しいところで、矢継ぎ早に今度は5,000億円規模の増資であるから30%近くの希薄化を嫌っての一旦のストップ安示現はまあ自然なところだろうが、この二発で計約70%の希薄化となるのを考えるとなんともギリギリのところまでやったなという感は否めない。

しかし先月に「公募増資利用型手法」とした時のコメントで、今年はメガバンク始めとして有力企業が相次いで大型の増資を発表しているとし、直近でも青森銀など地銀やら本日のマツダ等と増資ラッシュが続いているが、はたして一株利益の急減分を埋める方策を各々が持っているのだろうか?

一方で目先ではこんな増資ラッシュでも現在の余剰マネーで充分吸収出来るとする意見も多いが、そうした一部も春先の野村HDの二番手狙いやらで信用買い残の歪な増加という減少が起こるのも想像に難くない。希薄化を撥ね退けるセンチメントに賭けるのもいいが今後ファイナンスを繰り返す金融機関が続出した場合、希薄化以外の需給上の重しがまた出て来る点も考慮して行動すべきであろう。


何れが黒船か?

本日もまた日経平均は続落となっていたが、そんな中でひときわ目を惹いたというか日経平均下落をこの程度に抑えてくれた銘柄がザラバストップ高まで買い上げられたファーストリテイリングであった。ご存知、週末に発表した9月の売上高が前年同期比で31.6%増となったものを囃した部分もあるが、同日の広告特集でもパリ旗艦店含め丸々ユニクロの資金投じました的紙面折込も目立っていた。

パリ旗艦店といえばちょうど今はパリ・コレの時期であるが、世界的な不況でこの手とは対極にここパリでも低価格の所謂ファストモノが攻勢をかけており、改めてこうした進出が現実のものとなると欧州に住んでいる知人が口を揃えて数年前からこうした日本独自のお家芸的な物が進出したら絶対ヒットすると言い続けていたのが思い出される。

さて国内は銀座が隣接ビルに増床し超大型店としてリニューアルオープン、ジル・サンダー氏とコラボした「+J」目当てにまたもや名物となった行列が出来た模様が報道されていたが、はなはだ失礼ながら並んでいる向きは皆ジル・サンダーを知っているのだろうか?などと素朴な疑問はさておき何とも破竹の勢いなのは確かである。

ところでこちらからの進出あれば黒船来襲もまたあり、既にこの業界としては「H&M」や「FOREVER21」が巷を席巻しているが、ここからもまだアバクロことアバンクロビー&フィッチの上陸がいわれている。この辺はコンセプトの違いもあるだろうが勢力をどうシェアしてゆくかなかなか面白い光景が見られそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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