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都会の試金石

本日は大手町の「星のや東京」がはれて開業となった。明日なら大安だったのに何故わざわざ仏滅の今日にオープンしたのかとも思ったが、かつて社運を賭けリニューアルオープンした「星のや軽井沢」の開業日が7月20日であった事からこれに合せたというところだろうか。

この星のやは18階建てのビルをまるごと旅館に仕上げた形態となっておりそのコンセプトは「塔の日本旅館」としているが、星のや東京の至近距離で先に開業している「アマン東京」も明らかに日本旅館を意識した作りとなっている。初の大都市圏で「旅館」が通用するのか否か、将来的にNYやロンドンまで見据えているだけに失敗は許されないところ。

ところで高級宿泊施設といえば今月下旬には赤プリ跡地だったところに「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」も開業が予定されている。他にも外資系含め続々と開発計画が挙げられており、東京五輪を睨んで富裕層をターゲットとした都内の高級ホテル競争がまたぞろ激化しそうな気配だ。


LINE上場

先週末は周知の通り対話アプリのLINEがNYSEに続いて東証ではれて上場となった。一足早かったNYSEの方は公開価格32.84ドルを27.9%上回る42ドルの初値で好調スタート、これを反映し東京市場も差し引き約670万株の買い気配でスタートし注目の初値は公開価格3,300円を48.5%上回る4,900円で形成となった。

当欄でLINEについて直近で触れたのが先月の2日で「三度目の正直」というタイトルを付け、その約2週間後に日経紙も全く同じタイトルで取り上げていたが、IPO観測が出た当初がまさにSNSバブルだった事で時間総額の急減が云われていたものの、初値ベースでの時価総額は1兆円超えの約1兆290億と今年のIPOで最大規模となった。

任天堂やFリテイリのストップ高など他の値嵩も大騒ぎの資金争奪戦だったが、OLCの時もそうであったように需要が集中する一方で、関連銘柄とされ先駆していたアドウェイズやネットイヤーグループが急落、そしてメディアシークやネオスに至ってはストップ安まで売り込まれるなどの憂き目に遭っていた。

ところでこの後年内のIPOで個人に身近な企業で注目を集めそうなものでは旧国鉄で4社目となるJR九州があるが、このLINEが下期IPOを上手く牽引するや否や通年では昨年並みの100社程度とみられるIPO社数だが、この辺を境として堅調持続するかどうかもまた注目か。


無くなる旬

さて、この時期ホテルやパティスリー等からは「ピーチ&マンゴーフェア」等と期間限定のオリジナルメニューの案内などが送られてくるが、確かに今の時期青果店の店頭を飾っているのはみずみずしい桃やマンゴーなど、所謂ストーンフルーツの類が旬の盛りである。

斯様に青果店の店頭などは当然その時々の旬のものが並び季節を感じる楽しさがあるものだが、昨今はこうした旬のものが過ぎてしばらくしたあたりで季節外れなフルーツがこれまたなかなかそのフルーツからは想像出来ない産地のモノで並んでいる光景を何度か目にした。

例えば今が旬のマンゴーなど、年明けの雪が降りそうな時期に北海道産のモノが並んでいるのを見たことがあるし、桃にしても秋田産の桃が秋口に並んでいるのも見掛けた事がある。また、マンゴーと並んで今が旬のパッションフルーツも山形産のモノを春先に見た事もあった。

なんでもこの辺は大産地の出荷がピ−クを過ぎた時期に攻勢をかけ大産地と同等の価格帯を確保できる事が背景にあるらしい。地域を挙げて転作・増産が進んでいるというが今後も思わぬ新興産地から思わぬフルーツが登場し、時季外れに店頭を飾るケースもいろいろと増えてきそうだ。


倍増目標

本日も大幅続落となった円相場を受けて日経平均は幅広い業種に買いが先行して3日続伸、ほぼ英ショック前の水準を回復している。さすがに昨日記の任天堂など先駆した銘柄はダレている物もあるが、ETF・ETN計での売買代金は寄り後段階で既に昨日比49.1%増加、225連動型も49.4%増加と大活況であった。

ところでETFといえば東京証券取引所は先に個人投資家にこれらの普及を目的に専従班を新設している。東証社長は外国債や商品を対象にした物もあり、ETFのみで優れたポートフォリオを作成できるとしているが、1995年に登場したこの商品、東証は100万人超まで保有者を増やしたいと目標を掲げている。

ざっと本日の売買を見てもレバ系などは言うに及ばずの活況で、海外指数系からコモディティーも原油系など安定した中々侮れない売買代金を弾き出している。ちょうど一年前のETF保有者は約57万と公表されているが、品揃えの多様化に負けないリクディティー確保が上記目標達成のキーとなってくるか。


ランキング売買

昨日に続いて本日も日経平均は大幅続伸となったが、そんな中でやはり値嵩の任天堂などは目立つ存在。先週末からスマホゲームのポケモンGOの人気が業績に寄与する期待を膨らませ、昨日も先週末の余勢を駆ってストップ高まで買い進まれ、更に本日も大幅続伸で年初来高値を更新している。

このポケモンGOだが、米アプリストアでは売上高・ダウンロード共に1位、アンドロイド端末向けでは1日あたり利用者数がツイッターに肉薄というからたいそうな人気だが、これによって僅か数日で時価総額が1兆円近く変動するというから凄まじい。その辺は兎も角もスマホゲームに全く縁も興味もない向きも稼ぎの為には最低限の知識が求められる時代になってきた。

アナリスト的には従前の据え置きから旬なスマホへと軸足が移行する期待云々と始まりそうだが、そんな能書きより今や指標になってしまったゲームランキングを頼りにイナゴが群れる様はガンホーが全盛の頃よりも更に顕著になってきている感があり、目先で逃げる脆弱さも同時に露呈している。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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