国際再編の壁
一昨日の日経紙夕刊では米ウォール・ストリート・ジャーナルがICE(米インターコンチネンタル取引所)傘下のNYSE(ニューヨーク証券取引所)がシカゴ証券取引所の買収交渉に入っていると報じていた。シカゴ証取といえば2年前に中国の投資会社に身売りする話が出ていたがSECの干渉で破談となった経緯があった。
この辺の経緯については昨年の8月に当欄でも触れていたが、取引所といえば日本取引所グループがかつて東証が取得した発行済みの4.95%を保有するSGX(シンガポール取引所)株の全てを売却すると先月末に発表している。コーポレートガバナンス・コードを踏まえ保有継続の合理的理由が無いとの判断によるものという。
このケースは国境を越えた取引所の合従連衡を狙ったものだったが、商品相互上場等の事業協力関係構築が不調で法制度や規制が異なる障害が多かった背景もあった。斯様に規制当局の壁など国を超えた合併など一筋縄ではゆかぬケースなど依然多いのが現状だが、アジア経済の成長が続く中で各々取引所間の競争が激化している現状下他取引所との関係構築の必要性は高まるばかりでこの辺の課題をどうこなすかがキーとなって来ようか。