ハロウィーン2022

本日はハロウィーンの本番、今年は3年ぶりに自粛要請も無いことから代々木公園で渋谷ハロウィーンフェスや日本最大級という池袋のハロウィーンコスプレフェスが開催され、近所の三越本店では入口のライオン像がハロウィーン衣装を纏って鎮座し、同じエリアの工事現場では夜間の現場照明までカボチャやゴースト仕様になっていた。

ところでハロウィーンといえばもはや代名詞格になっている渋谷は、行動制限が無くなった事もあって先週末の人出はほぼコロナ前の水準まで戻っていたと携帯電話の位置情報等から判明しているが、直近の韓国梨泰院で起きた大事故を受けての一段の警備強化もあって今のところ特に大きな問題は起きていない様子。

いつの間にかバレンタインデーを凌ぐ規模の経済効果を誇るまでになったハロウィーンだが、本格復活となった今年は如何ほどになるか。ちなみに本場の米では全米小売業協会の調査によれば今年のハロウィーンの支出額はこれまでの過去最高だった去年を上回る106億ドル、日本円で1.5兆円にのぼる見通しという。ハロウィーン後は年末商戦が本格化するため、個人消費が再度盛り上がりを見せるのかどうかも注目される。


資本逃避

さて、先週の日経MJ紙では「日本の宝石、円安で富裕層が注目」と題し、先月中旬に開催されたオークションで6.11カラットのピンクダイヤが出品され、それがこれまでの国内オークションの落札最高額だった2017年の2億2500万のブルーダイヤの2倍以上となる5億3000万円で落札された旨の記事があった。
   
急速に進む円安を背景にドル建て取引が多い海外の富裕層からは円建て資産が割安に映り、日本円の価値低下に不安が高まるなか国内では円からのキャピタルフライトも見られるという。この辺は上記の宝石に限らず、これと同様に魅力的に映る現物資産として最近問い合わせが急増しているものに高級不動産物件もあるという。

冒頭の宝石も希少なタマが多く揃う日本だが、不動産もまた日本はクオリティがトップクラスな割に最近の円安も相俟って非常にリーズナブルに映るという。不動産の買い漁りといえば今週初めにも書いたバブル景気に沸いていた頃は米国の魂を買ったと揶揄された三菱地所によるロックフェラーセンター買収などが思い出されるが、時を経て今や日本は買う側から買われる側に成り下がっているあたり栄枯盛衰を感じ得ない。


親会社の上鞘に

さて、今週はじめにF1のターボ技術を量産車に初採用した新型AMG「SL43」を発売した独高級車大手メルセデス・ベンツだが、本日は同社がロシア市場から撤退する方針を明らかにしている。英ロールス・ロイスも先にロシア関連事業を全面停止しているが、ソ連崩壊と共に西側の資本や技術でもって近代化を進めてきたロシア自動車産業もこれで万事休すか。

ところで高級車といえば話変わって独ポルシェが先に独フランクフルト証券取引所に単独で新規上場を果たしている。発行済み株式のうち12.5%分が議決権のない優先株として売却された格好だが、欧州ではIPOがほぼ行われていないなかで公開価格は仮条件の上限に設定され初値はこれをも超えて時価総額は約780億ユーロと10兆円超えの大型上場となった。

ポルシェといえば独自動車大手フォルクスワーゲンの傘下にあるワケだが、子会社にあって親会社の12兆円に迫る時価総額で誕生を果たした同社は今月に入って既にこのフォルクスワーゲンの上鞘に躍り出ている。群雄割拠の自動車業界において開発に資金が幾らでも欲しいVWにとってはニンマリのIPOだっただろうが、EV開発など今後ますます熾烈を極めてゆくことになろうか。


コメ離れの一方で

さて、先週に農水省は2023年度の主食用米の需要量(23年7月~24年6月)が過去最低を更新するとの見通しを公表しているが、翌日の日経紙商品面でも「コメ離れ、需給均衡遠く」と題しコメ離れが止まらない旨が出ていた。確かにパンや麺類といった食の多様化により、日本のコメの消費量はかれこれ60年近く減り続けているというデータがある。

ただ上記の需要量見通しはそれとして、米穀機構の調査では2022年の一人当たり精米消費量は5ヵ月連続で前年を上回っているというデータもある。今月アタマにも当欄ではコメに触れていたが、小麦高騰や円安で値上げの影響を実感し主食をコメにスイッチするなどコメに着目する向きが増えて来ている証左だろうか。

コメといえばもう一つ、世界では日本食マーケットの拡大を背景にコメの引き合いも拡大傾向にありコメの輸出量も増加傾向にあるという。農産物といえば今年のアタマに輸出が悲願の政府目標1兆円を超えた旨を書いた事があったが、足元の急激な円安で日本のコメは世界から更に安価に映っておりこれを商機として活かせるかどうかが注目される。


31、32年前の光景

政府・日銀が約24年ぶりに大規模な円買い介入に踏み切ったのが先月の22日だが、周知の通りそこから再度ズルズルと反落しこの大規模介入からちょうど1ヵ月後の先週22日未明、1ドル152円手前にあった円が約2時間ほどの間に一気に144円台にまで急騰し政府が事実上市場介入に踏み切った動きを見せた。

今回は9月の大規模介入時と違い政府は介入の事実を公表していないが、本日の午前中も取引の薄い時間帯に再度150円目前まで戻した水準から一気に145円台にまで円高方向に急騰する動きが見られた。これまで日銀の介入で突っ込んだところは悉く絶好のドルの買い場になっているが、日銀が金融緩和を継続する一方で政府の大規模円買い介入実施という奇異な構図が変らぬうちはこうした動きもまだ続きそうか。

さて、上記の通りドル円相場は32年ぶりに1ドル150円の大台を割ってきたが、ほぼ同じく31年ぶりの水準を示現したのが先週発表された9月の消費者物価指数。輸入物価上昇の主因は資源高から今や円安に切り替わっており、価格転嫁が進まずに厳しい内需型の中小企業勢を中心に収益が圧迫されている。

思えば32年前、世はイタメシブームとなりこの時にティラミスが爆発的に流行っていたのを思い出す。そして31年前といえば今のZ世代はもはや知らないジュリアナ東京がウォーターフロント地区に華々しくオープンしたのも思い出すが、円相場や経済指標は同水準とはいえ名目賃金の上昇率一つとっても今とは比べ物にならず当時を思い出すに今の寒々しい現状がより浮き彫りになるとつくづく。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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