間接効果
さて、今週の日経紙商品面の多面鏡の項では「連動型投資、売買押上げ」と題して、低迷が続いている商品先物市場においても近年のETFやETN絡みの影響によって、原油の1〜4月の売買高が前年同期比で約4倍に達するなど商品によっては飛躍的な伸びを見せ主役級に成長している旨が書かれていた。
この辺に関しては既に3月の当欄でも「ETN活況」と題して野村グループの日経・TOCOM原油ダブル・ブルETNを取り上げたことがあったが、同ETNの発行口数は先月末で昨年末比36倍にも膨れ上がっている。実際に私は何度も利用した事があるが、リクイディティーも申し分なくとにかく使い勝手が良くて、保有株式のヘッジ等でも存分にその役割を果たしてくれた。
当初この手のTOCOM連動型は原油に先駆けて5年ほど前に金が登場していたが、こちらの出来高は後発組と比べてもなかなか盛り上がらなかった経緯があるが、それだけにこの原油はまさに大ヒットという感が強く、今後製品など枝葉を伸ばした物が登場し同様な商いに繋がればますます選択肢が増えてくるとの期待がいやでも膨らむ。
取引所としてもこういったETFやETNなどの金融商品は商品先物への間接投資という構図になる為に当然ながらこうした相乗効果が生まれることになるが、いずれにしても売買高が約20年ぶりの低水準に落ち込んでいる市場にとっての証券マネーの取り込みはまさに救世主的な存在と言えるだろうか。