金のデジャヴ
さて、先週末に米ニューヨーク市場では金の先物価格が約7年半ぶりの高値を付けていたが、これを受け今週はTOCOMに上場する金が1982年3月23日の取引開始以来の過去最高値を更新、また地金小売価格の方も同じく40年ぶりに過去最高値を更新する事となった。40年前といえば年足など広げてみるに直ぐに目に飛び込んでくるあの旧ソ連のアフガン侵攻時だが、昨今のドルとの相関関係の変化も読み取れるか。
こうした構図の裏にはETF経由での資金流入もあるが、WGCが先週纏めたところによると3月末時点の世界の金ETF残高は3185トンと前月末から151トン増加と3ヵ月連続で最高を更新、昨年末比でも298トンの増加を見せ四半期の増加幅としては16年1-3月以来の高水準となった模様。
しかしコロナが猛威を振う前の「全部高」の構図からコロナショックで「全部安」の憂き目に遭ったものの、FRBの資金供給策等から独り驚異の回復力を見せる光景はあのリーマンショック時からその後にも見られた通りで、こんなデジャヴのような光景を見るにやはり未だ完全に解明されていないウイルスを前に拠り所としての安全資産の位置を再認識させられるというもの。