買い手市場

さて昨日触れたWTI、納会を控えた当限が投機筋等の手仕舞い売りを浴び1999年3月以来ほぼ21年ぶりの安値まで沈んでいた旨を書いたが、その数時間後にはマイナス圏に沈み納会ではまさかの1バレルマイナス37.63ドルで取引を終えている。兎にも角にも価格がマイナスとなるのを見るのは市場初めての事態だ。

既に用船料が数倍に高騰しているとの一部報道にある通り貯蔵施設能力に限界を来すほど原油在庫が積み上がっている様相だが、マイナス圏でロングし納会を迎えた向きには現物と共に現金が受け取れる構図という事はいわばこの現金部分が原油の貯蔵を確保するコスト分という事と捉えられるだろうか。

ところで原油の場合は斯様に貯蔵が可能だが、同じく資源のLNG等はその特性上備蓄が出来ない事が災いし需要が冷え込みを背景にしてそのスポット価格もまた年初から半値以下の水準まで急落の憂き目に遭っている旨が本日の日経紙に出ていた。新型コロナウイルスがエネルギー市場をも侵食してきた格好だが、資源メジャー各社はこの受難にどう向き合うのかその舵取りが注目される。


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