金と悪魔の金属

米予測市場のポリマーケットでは昨日の段階でFRBが25ベーシスポイントの利下げを実施する確率を95%としている。斯様な利下げの観測やFRB議長人事を巡る思惑から現物資産の魅力が高まり、調整一服の金(ゴールド)や銀(シルバー)などの貴金属が再度投資マネーを引き付けている旨の記事を先週の日経紙で見かけた。ちなみに国内でも今月に入ってすぐに金の小売価格は約1か月ぶりに最高値を更新してきている。

また上記の通りゴールドと共に急伸著しいのが“悪魔の金属”とも称されているシルバーで、これまた今月に入ってアジア時間の取引で58.94ドルの高値まで買われ年初からはや2倍以上の水準にまで高騰している。シルバーについては当欄で10月に一度取り上げているが、国内ETFでも指標格の三菱UFJ純銀ETFは再度その10月に付けた高値をうかがう展開になっており、WisdomTree銀上場信託は先週に10月高値を更新してきている。

ゴールドに関してはステーブルコインを発行する企業がその裏付け資産として金を保有する動きが顕著になってきているが、今年7~9月期には中銀の中で最大の買い入れ額だったところを上回る額を購入している。これら新たな大口の買い手の存在の他にも一部ではAI関連株などからの乗り換えを指摘する向きもあり、こうしたセクターローテーションの一環として物色対象になるなども相俟ってまだまだ投資マネーを引き付ける動きは続きそうだ。


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