19ページ目   商品先物

本上場の審判

さて昨日は東京商品取引の限日取引が建玉増に寄与している旨を少し取り上げたが商品取引といえば昨日はもう一つ、西の大阪堂島商品取引所が約6年にわたり試験上場してきたコメ先物の本上場への移行を8月7日の期限を前に臨時総会で申請議案を全会一致で可決、同日夕に農水省に申請している。

コメ上場に関して再延期を控え東証一部上場のヤマタネやジャスダック上場の木徳神糧等の大手が大阪堂島商品取引所の会員資格を取得、最近もジャスダック上場のフジオフードシステムも入り、また銘柄も新潟コシヒカリという屈指のブランドによるテコ入れ策が奏功し売買高も増えてきている。

当欄でコメ先物について触れたのはちょうど2年前の試験上場期間延長申請の時であったが、もうその2年が経過と時の流れの早さを感じる。過去を遡ってもこれ以上の延長事例が無い事から実質的にこの商品のラストチャンスとなるが、さてその悲願の審判はどう下されるのか先ずは注目したい。


限日商品の寄与度

本日の日経紙商品面には「東商取、建玉半年で5%増」と題して、昨日の東京商品取引所の
建玉が56万7千枚と昨年比で5%増加、2014年春の比較でも約2倍に増えるなど回復傾向にある一方で、売買高が1〜6月に2割減るなど低迷している旨が載っていた。

この建玉増の背景にあるのが東京ゴールドスポットや、今年3月に上場したプラチナスポットといった限日取引の商品比率の高まりといい、この2商品とETNとも絡む原油取引含めた3商品で東商取全体に占める建玉比率は実に6割に達する。既に金の方は先行しているが、プラチナスポットも約3ヵ月で建玉が標準の8割を超えるなどその規模は拡大している。

こうした一方で冒頭の売買高低迷に関して取引所側としては「TOCOMリアルトレードコンテスト」等を通じて個人の先物取引への理解を深めてゆく方針のようだが、プラチナスポットは金に対する下鞘恒常化を背景にタイミングよく長期目的の投資資金を誘致し参加者多様化に一役買った部分は大きいといえるか。


旬な素材

さて、「金」を取り巻く事件に関しては当欄でも直近では先月の中旬に(売り子)等を取り上げているが、本日の日経紙社会面でも「金取引 現金決済が標的に」と題し相次いで起きた高額な福岡の事件や、先の銀座での強奪事件と絡めて金取引独特な現金取引原則の商慣習が書かれていた。

共通事件の連鎖性の不思議に関しては過去にも書いた事があったが、それにしても最近は金に絡む高額の事件が多い。報道の中でも腑に落ちない点は数多あるものの、その後の詳細も一切報道されないあたりがこれまた釈然としない感を一層深めているがまあいろいろと伏せたい部分もあるのだろう。

この15年で金価格は3.5倍に上昇し一昔前とはその取引量も違ってきている事でそうした素地が整ったという事もあるが、強奪以外でも密輸等はそのイグジットに至るまで特異な商慣習のあるところに芽有りの如く過去最多となった昨今とはいえ今後もまだまだ手を変え品を変えの温めている青写真があるのは想像に難くない。


下方硬直性

本日発表される米税制改革案への期待持続からリスク選好的なドル買いが継続、1ドル111円台に軟化した円相場を受けて本日もTOCOMでは金相場がしっかりの展開となっていたが、昨日の日経紙商品面にも「金に資金流入続く」と題しCFTC発表の18日時点の投機筋買い越し幅が5ヶ月ぶり高水準となるなど資金流入が継続している旨が載っていた。

ルペンリスクと警戒されていた23日投開票の仏大統領選では果たして欧州リスクが増幅する最悪のシナリオが避けられたものの、燻り続ける地政学リスクや米国の金融政策にも不透明感が漂い目先の雲が晴れてもその下げ幅が限られるなど下方硬直性が定着化しつつある。

こうした背景もあって今月に入って金とプラチナの価格差も昨年末から約3割、更に100ドル以上も拡大しているが、これまでにない長期逆鞘現象とされる時期もあったが恒常化を経てこの鞘もすっかり馴染み固定化されつつある。リーマンショック時に効いた裁定が通用しなくなったのは株の個別でも多々あるが、既にアノマリーそのものが崩れている証左だろうか。


リスク恒常化

さて、先週はFOMC議事録要旨公表後にドルが主軸通貨に対して下落し金が時間外取引で上昇する場面があったが、先週末の日経紙マーケット面にも「金買い、欧州選挙を意識」と題し、春先からのオランダ総選挙や仏大統領選など欧州選挙で金の国際価格が上昇基調を強める可能性が出てきた旨が書かれていた。

この辺は勿論のこと、昨年のブレグジットやトランプ大統領候補当選等の大衆迎合気運の台頭による予測不能のリスク回避の動きの長期化が背景にある裏返しだが、CFTCの発表ではニューヨーク市場の投機筋の金先物買い越し幅は年明けから今月はじめ迄に約20%増加、長期保有が前提のETF等も代表格のSPDRゴールドシェアが1月末で約799トンだったものが先週段階では841トン強になったという。

ところでSPDRゴールドシェアといえばもう一つ先にイスラム法に適合するか否か曖昧だったETFが、WGCの活動も下地となり助言会社の権威から最近お墨付きを貰った旨も報じられており、この認定でこれまで二の足を踏む姿勢から追い風に変わりイスラム圏からの投資も活発になる事も予想されこの辺と併せて今後の推移にも注目しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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