24ページ目   商品先物

二強

今週の日経紙・一目均衡では「規制が呼んだ先物活況」と題したものがあったが、新興国の需要拡大が牽引した資源ブームが終わり原油相場は急落したものの、相場環境の激変に関係なくCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やICE(インターコンチネンタル取引所)など欧米の原油先物売買は急増を続けている旨が書かれていた。

言うまでもなく上記二強は世界首位を争う存在となっているが、NYMEXを買収したCMEは規制を切っ掛けに店頭デリバティブが取引所先物に移行する先物化を商機とし24時間売買システムのグローベックスが売り、ICEは欧米アジアに広がるグローバルな取引網と精算拠点を展開し500超の原油関連商品を上場する電子売買特化が売りである。

そうした背景もあって同紙によれば昨年の両者の売買高は原油相場が史上最高値を記録した2008年を9割も上回り、今年も先月までCMEが前年同期比で34%増、ICEが同17%増加と相場に左右されがちな本邦とは状況を異にしている。

そんなワケで昨今デリバティブが価格を形成する近年において、商社などサイバーで先駆する両者無しに取引は成り立たないのが現実。翻って東京市場、上記の状況にあるとはいえETN組成が奏功しその間接効果が寄与しているが規模拡大に今後どう向き合ってゆくのか欧米を見据えつつ課題は山積みである。


回復過程

さて、本日の日経平均はストップロスの円買いの影響もあって急反落となっていたが、昨日までは17,000大台を約一か月ぶりに回復していた。またコモディティーの方も原油が約7ヶ月ぶりに1バレル50ドル大台まで回復するなど国際商品も総じて底入れをうかがう展開に変ってきている。

それに伴って国際商品指数のロイター・コア・コモディティーCRB指数は先週時点で2月に付けた14年ぶりの低水準より2割高く年初来の高水準になっているが、これらを背景に上記の原油で投資比率の引き上げを図るなど、コモディティーで運用する投資ファンドも商品市場に続々回帰してきている模様だ。

新興国の個人消費を支えに世界需要が回復していることもあって今年度の需要見通しが相次ぎ上方修正され国際需給の均衡観測も浮上しているというが、個別毎の需給は異なりロケーション別には為替も絡むだけに全般は立ち直り途上にあっても落とし穴がある可能性は大きいといえようか。


電力先物模擬取引

昨日の日経紙春秋では、東京商品取引所が商社や電力各社と電力先物の模擬取引を今月下旬から始める旨を取り上げていたが、これは先月の電力小売りの全面自由化を受け卸売市場で電力取引が盛んになった後の価格変動に対するリスクヘッジニーズ需要を見越してのもの。

ナスダック開発した電力取引システムを試験的に導入するようだが、欧米の後追いという格好でのスタートとなる。その欧米では電力先物の上場後に現物取引も活発になったという経緯から現物取引導入も視野に入れる模様。

同所では今年度中の電力先物上場を目指すというが、この期に及んでも文中には先物はマネーゲームが過熱する恐れがある等のくだりもあった。電力といえば発電用燃料としてLNG等の存在もあるが、同市場の成長で派生的にこれらの市場拡大にも発展してゆく可能性がありこうした偏見の是正も込めて必要不可欠な産業インフラに育ってもらいたいものだ。


軌道

この連休中に海外では金の国際価格が上昇し、指標となるニューヨーク先物価格はほぼ1年3ヶ月ぶりに1トロイオンス1,300ドル台を付けていた。先の米雇用統計もNFP(非農業部門雇用者数)の伸びが予想を大きく下回り、6月利上げ観測が大きく後退するなどドル安が進行し易い環境で代替資産とされる金にマネーが流入している構図となっている。

ところでこの金といえばTOCOMの金限日取引「東京ゴールドスポット100」が先週末で上場から1年を迎えている。同取引については度々当欄でも取り上げ「限日好調」と題して挙げた前回の昨年10月末時点では建玉が初めて7万枚を超えた旨を書いたが、それも先月末では先物標準と肩を並べる8万5千枚超えまで膨らんできた。

これが軌道に乗りつつあることで同所は年度内に白金でも限日取引を導入する方針ということだが、次期取引システム移行時の金オプション取引の商品設計変更等も併せ近年の原油に厚みが増している援軍が効いているうちに次の主力を育てる事が出来るかどうか引き続き今後に注目である。


代替通貨再び

先週末の日経紙マーケット面には「金、ドル高修正で高止まり」と題して、年初来の上昇要因であった原油安や金融市場の混乱が一服しても、ドル高の修正でファンドなどの大口投資家が金の代替通貨としての性格を重視し買いを膨らませている為に高止まりしている旨が載っていた。

原油価格の立ち直りで金価格を動かす環境も最近は変わってきたが、上記の通り大口投資家の先物の買い越し幅が3年半ぶりの高水準になる一方でETF総残高は漸減傾向となっているなど、現物資産代表格も派生モノで価格への影響力は近年強くなってきている事もあり政策としての中央銀行保有等も所説入り乱れる事が多くなってきた。

金相場を巡って当面の焦点は6月の利上げに向けて思惑が募る今週の米FOMCとなっているが、これから続報が出てくるであろう当欄でも取り上げた「パナマ文書」の存在も予期しない不安材料を多発させる可能性が十分にあるだけに、派生モノ含めて今後も目が離せない展開が続くか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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