65ページ目   商品先物

角を矯めて牛を殺す、か

最近何処の紙面にもFX規制の文言が登場する頻度が高くなったが、本日の日経紙には株・債券版?FX取引??としてCFD取引についても金融庁が規制強化に乗り出す旨が出ていた。

FX取引に則する形で来年6月までに信託保全の義務付けのほか、同様に倍率規制も検討するというが、もともとこれらの規制案はFXと並行して行われ早々に次はCFDとのコンセンサスがあっただけに成る程という感じだろうか。

ところで先月に矢野経済研究所が当社FOREX PRESSを通じて実施したFX取引規制に関するアンケート調査では、やはりというか投資家の反応は取引をやめるが2割以上にものぼり反発色が強い。100倍程度までが標準といわれる中でFXにしろCFDにしろ相対モノを絞めたいという独自の事情が見え隠れしないでもないが、商品選択肢や時間的なアクセスのよさを犠牲にし既定路線の上に日本だけ絞めがキツくなればこれまた取引海外流出を誘発するのではないか?

この辺はまた触れたいが、しかし最近の矢継ぎ早且つ強制色の強い動きはきれいに当局の既定路線に則している感もある。こうした内部管轄含めたグレーゾーンを巡るカオス?を度々繰り返しているうちに、所管の立場も次の総合市場へ向けて整備されてゆくようなイメージなのだろうか。


後ろ向きなEXIT

本日の日経紙商品欄には、東京穀物商品取引所と関西商品取引所が経営統合も視野に協力策を検討すると昨日発表した旨が出ていた。

先月も共同研究会設置の提案書で触れたと思うが、今や関西商取は全国4取引所の売買高に占める割合が1%を切っている。しかしこの1%以下などという数字で記憶にあるのはもう最後の頃の横浜商取や福岡商取くらいだが、そういえばこの福岡商取は関西商取に吸収されていたな。横浜商取も東穀取に吸収されたが引き継いだ商品も辛うじて面影を残しているのは生糸先物のみとなってしまったが、最後に残ったこれもとうとう上場廃止の方向へ向かっている。

斯様に考えると単独で現存している事自体が不思議だがそこはまあいろいろ事情あっての事か。しかし吸収?されるにしても重複商品もあり、同紙では東穀取とは現物と指数ですみ分けの可能性を探ると出ているが、上記のような横浜商取の道を辿るハメになるか去就が注目される。

ただ、マクロで見れば巨大取引所の再編などの足元というか、踝以下のところで国内諸事情に因る障壁を抱えているなどは何ともローカルな域を出ない。漸く重い腰を上げ何時の日かマトリョーシカ?の如く整備されるまでのモラトリアムはさてどのくらいあるのだろうか。


埋まらない温度差と営業力

本日の東工取は主力の金が僅かに数円、また石油製品にしても寄り後はレンジ内での相場でロックされなんとも凪のような相場であったが、東工取といえば今週の日経紙には昨日そして今日と「東工取改革 多難な船出」としてここ新システム切り替え前後を絡めての記事が載っていた。

本日の?では同システム導入前から引き摺る東工取と取引員との温度差が指摘されていたが、例えば上場銘柄の問題一つ取っても別段東工取に限った事でなく他の取引所も意思疎通に疑問を感じる事は非常に多い。この辺は数年前からある取引所の統合論のあたりから既に醸造されているが、この手の規模どころか先の模擬売買のようなところの段階でさえリクイディティを提供する向きの意見が無視されるというのが現状である。

反面プロであるところの企業や投資家から吸い上げた意見は色濃く反映させ上層部としては自己満足一杯だろうが、主力層を一新したければカネを投入するだけでなくそれなりの営業力も要求されよう。

05年以降の勧誘規制強化などというのは一つのトリガーに過ぎず、カウボーイも常々指摘しているように、まあやはり今までの各種数値自体が常識的に他から見れば異常であったというのは否めまい。今後斯様にマトモであればというところへの数値回帰が粛々と進むであろうが、ただ諸外国との生い立ちの違いという部分を認識しなければいつまで経っても理想像には近づけないだろう。


下鞘は異例か?

本日のTOCOMは金・銀の先限が年初来高値更新、白金もここ棒上げしているが午後にはドル建て現物相場が約8ヶ月ぶりの高値を付け一段高となっていたのが印象的であった。

この白金、昨日の日経紙商品面にてGMに対する米政府の財政支援方針が好感されて白金が国内外で上昇している旨の記事が載っていたが、一方でGFMS(ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ社)あたりは自動車向け需要は弱く、GMにしても不透明感が強く白金相場の上昇は短期間で収束するとの見方をしている。

そういえばこの白金相場、昨年末は久し振りに金を下回った場面があったが、過去の例よろしくこれら下鞘は短命に終っている。百年に一度の危機とやらでGM筆頭にした斯様な自動車業界の惨状を見るに、今回はある種経験則も通用しないかなとも思ったりしたものだがそれも杞憂?に終ったか。

ただ、これから先を展望するに本日の日経一面にも出ていたように構造的な転換が訪れた場合は業界ランキングの入れ替わりや、こうしたコモディティーにしてもアノマリーが崩れる時がいずれ訪れるのだろうか。この辺はまたもう少し触れたい。


過剰流動性復活?

昨日も触れた原油だが先物はまたも大幅続伸、これで6営業日連続で急伸と破竹の勢いとなっている。

石油製品中心に需要期入り云々取り沙汰されているが、材料云々よりは以前にも書いたように単なるコモディティーというより金融市場としての性格に強く変遷しつつあり、懸念される国債あたりからの逃避マネーがこうした実物資産へとシフトしてきているのは間違いのないところだろうか。

これらコモディティーが倍化しているとなれば足元でのこれら関連株の方も推して知るべしだが、連想される代表的な商社モノからエネルギー比率の高い三菱商事などは本日前場で年初来高値更新、対象コモディティーとはきれいにリンクしているがこれも含めてモノによっては一足先に底入れしており今回もその指標性を発揮していたといえる。

ところで上記の通り材料が辛うじて後から付いているとはいっても、依然として相対的に在庫は多くまた足元の需要はお世辞にも旺盛とは言えないままである。こうしたマネー率いるヘッジファンドも、数年前のような投資余力というわけにはいかないだろうなど考慮するにいずれ現実を見る相場もあるだろうが、その辺の見極めもまた各種指標がいろいろヒントを出してくれようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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